三菱、在庫調整で営業益大幅減も、新型車効果で通期予想は据え置き 2019年4-6月期決算

三菱自動車 2019年第1四半期決算 説明会
三菱自動車 2019年第1四半期決算 説明会全 6 枚

三菱自動車が7月24日に発表した2019年度第1四半期(4~6月期)連結決算は、海外で在庫調整を行ったことや為替変動の影響により、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比86.3%減と、同四半期として3年ぶりの減益となった。

三菱自動車の池谷光司副社長は同日、都内にある本社で開いた決算説明会で「2019年度第1四半期の売上高は、流通在庫調整のための出荷抑制により前年同期比4%減の5362億円となった。営業利益は投資の一部見直しや費用削減にも取り組んだが、効果が出るまでに時間がかかるものもあり、結果として前年度の281億円から39億円、営業利益率は0.7%と大幅な減益となった」と説明した。

在庫調整の実施で決算実績に反映される出荷台数は減少したものの、グローバルでの小売台数は「29万8000台となり前年同期比で2%の増加」となった。地域別では「主力のASEANはそれぞれの国においての強弱感はあるものの、おおむね計画に沿った進捗となった。今年度大幅な成長を目指す日本においては2019年初めより順次販売を開始した『デリカD:5』や『eKクロス/ eKワゴン』などの新車効果により前年同期を上回った」という。

三菱自動車は2019年度の連結営業利益で前期比19.5%減の900億円を見込んでいるが、第1四半期は39億円と、4.3%の進捗率にとどまった。しかし池谷副社長は「世界的な景気の不透明感は依然晴れず、楽観は禁物」としながらも、「需要が安定的なASEANをドライバーに年後半に向けて計画に沿って売り上げを回復させていく。またさらなるコスト最適化を進め、収支のバランスを整え通期見通しを達成すべく全力を尽くす」と述べ、見通しを据え置いた。

またグプタ・アシュワニCOO(最高執行責任者)は今後の商品計画について「今年は商品強化と刷新に注力しており、計画通りに6月13日に『エクリプスクロス』のクリーンディーゼルエンジン搭載車を発表した。また7月25日にはタイで新型『パジェロスポーツ』の販売を開始する。さらには今年度中に国内向けに『eKスペース』の後継車となる新型スーパーハイトワゴンを投入する」と述べた。

さらに「その他の既存モデルに関しても順次、最新モデルを投入しライフサイクルマネジメントを強化する。その一例として『エクスパンダー』の派生モデルのSUVタイプを年内に投入する。またエクスパンダーにおいては現在の輸出先は12か国だが、今後輸出先を拡大しアジア、アフリカなど新たに10か国を加える」ことも明かした。

《小松哲也》

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