【ボルボ V60 T6 新型試乗】この静かさはPHEVのなかでもトップクラスだ…丸山誠

プラグインハイブリッドの「T6ツインエンジン」

その静かさはトップクラス

2トン超の重量を感じさせない加速感

ボルボ V60 T6ツインエンジン(T6 TWIN ENGINE AWD INSCRIPTION)
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プラグインハイブリッドの「T6ツインエンジン」

『V60』にはすでに「T8ツインエンジン」が搭載されているが、新たにプラグインハイブリッドの「T6ツインエンジンAWD」の新グレードを設定した。

どちらもPHEVだが、グレード名がT8とT6と異なるのはエンジン出力が異なるためだ。基本的なメカニズムは共通でダブル過給エンジンをフロントに搭載し、リヤにはモーターを搭載するというレイアウトは変わらない。前後に動力を備えるためツインエンジンというわけだ。T8のエンジン最高出力は318psでT6は65ps低い253psとなっているが、リヤモーターはT8と共通で最高出力は87psを発揮。

フロントのエンジンはスーパーチャージャーとターボによるダブル過給なのはおなじみだが、忘れがちなのがこちら単体でもマイルドハイブリッドとして成立していること。このエンジンには始動と発電を兼ねたモーター(CISG)を採用しているため、加速時には少しだけ駆動をアシストする。前後に駆動モーターを備えることになるわけだ。もちろんアイドリングストップからの再始動時はCISGを使って、ほとんど振動なく始動できる。

その静かさはPHEVのなかでもトップクラス


運転席に座り、センターコンソールに輝くダイヤカット柄のドライブモードセレクターでピュアを選択。このモードはEV走行をするモードだ。アクセルを踏むと静かにスタートしてくれ、EV走行時にありがちなインバーター音やモーター音がほとんど耳に届かない。

モーターがリヤに搭載されていてリヤ駆動になるため、運転席からモーターが離れていることが静かさの要因で、遮音性も優れている。ハンドリングはハイブリッド時と変わらず、コーナリングでもリヤ駆動を意識することがない。EV走行距離は48.2kmとなっているので、近所での買い物などはEVのままこなせるわけだ。

市街地での走行を終えて高速道路に乗り入れてもEV走行を続けられる。電池残量が十分なら125km/hまでEV走行は解除されないため、高速道路でも静かさを満喫できる。これは駆動系が静かなだけではなく、ロードノイズや風切り音も小さく抑えられているからだ。日本の高速道路は新東名の一部区間が120km/hになったが、電池残量があれば静かに高速ドライブができ、その静かさはPHEVのなかでもトップクラス。

ハイブリッドモードを選んでエンジンを始動させるとわずかにエンジン音がするが、気にしていなければ始動したことさえわからないほどキャビンは静かさにつつまれている。

2トン超の重量を感じさせない加速感


高速道路でのコーナリングはナチュラルで誰もが扱いやすいフィール。EVの多くは床下に駆動電池を搭載するため重心が低くなるが、V60のリチウム電池は前席中央のコンソール部分に搭載される。そのためガソリンFFモデルと変化が少ないハンドリングに仕上がっている。荷室側に重い電池を置かないため前後重量バランスはよく、ピッチングが気にならないというのはワゴンに大切な要素で最適なレイアウトだ。

高速でACCを使って走ればリラックスしてロングドライブができるが、惜しいのがレーンキープの性能。ほかのボルボでも共通しているが車線の左寄りを走るクセがあり、ときどき車線逸脱防止のステア制御が入る。もちろんアシスト機能なので操作はドライバーが主体だが、このクセは直してもらいたい。

一般道に戻り、走行モードをパワーに変更。アクセル全開加速を試すと、一瞬4輪がギュという音を立てるほど強力な加速感で体がシートバックに押し付けられる。車両重量は2トンをオーバーしているが、重量を感じさせない加速感だ。リヤモーターのトラクションがよく、リヤタイヤが路面をつかんでいる感じが伝わってくる。T8よりエンジンの最高出力は低いもののその差を実感することはほとんどない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

丸山 誠|モータージャーナリスト
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブで新車試乗記事、新車解説記事などを執筆。先進安全装備や環境技術、キャンピングカー、キャンピングトレーラーなどにも詳しい。

《丸山 誠》

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