最新軽自動車4車種スペック比較…Nワゴン、タント、eKクロス、デイズ

Nワゴン、タント、eKクロス、デイズ
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軽自動車の場合、サイズや動力性能などほぼ規格いっぱいとなり、優劣はつけにくい。しかも近年発表される新型軽自動車は、安全運転支援機能や便利装備の充実が目を見張るものばかりだ。装備や機能だけを見たら普通ナンバーの登録車とさえ区別がつかないくらいだ。

時代とともに役割が激変した軽自動車

軽自動車がこのような進化を遂げた背景には、(当然だが)市場ニーズによるものが大きい。とくに、近年のカーライフの変化のひとつに「軽自動車のファーストカー化」がある。以前の軽自動車は、お母さんの車、通勤の足、子どもの車など、2台目以降、いわゆるセカンドカーという位置づけだった。いまは、メインで使う車が軽自動車という世帯が増えている。また、シニア世代も子どもが独立し大きいクルマが必要なくなると、経済性や合理性から軽自動車を選ぶ傾向もある。

軽自動車人気は、不景気で高いクルマが売れないからというネガティブな声もあるが、それ以上に軽自動車の基本的な性能や安全性が年々上昇し、実用性のみならず快適性も向上し、買い物からレジャーまで軽自動車でまったく困らないという理由が大きい。シェアリングカーの登場により、税金や保険、ガソリン代、整備費用、駐車場代など車所有に対する消費者の考え方の変化もこの流れを加速する。メーカーもそのような市場動向に合わせて、軽自動車への開発投資、高性能化を進めている。

このような背景で進化した令和時代の軽自動車だが、ここ数か月で新型が投入されたホンダ『Nワゴン』、ダイハツ『タント』、三菱『eKクロス』、日産『デイズ』の4車種について、それぞれの特徴を整理してみよう。

ホンダ Nワゴン…ADAS機能を全車種標準装備

ホンダ N-WGN Custom(カスタム)新型

ホンダNワゴンの基本的なスペックは以下のとおり。なお、WTLCモード燃費は設定モデルのうち最高数値のもの。車両重量は最軽量モデルから最重量モデルの数値で、続く車両についても同様となる。

・エンジン形式:N07B 3気筒DOHCエンジン
・トランスミッション:トルクコンバーター付きCVT(無断変速)
・WTLCモード燃費:23.2km/L
・車両重量:850kg~930kg
・エンジン出力:
  43kW(58PS)/7300rpm(ターボなし)
  47kW(64PS)/6000rpm(ターボ)
・エンジントルク:
  65Nm(6.6kgfm)/4800rpm(ターボなし)
  104Nm(10.6kgfm)/2600rpm(ターボ)

もともと軽量な軽自動車の場合、CVTとの相性はいいのだが、ホンダのパワフルなエンジンとトルクコンバーターにより発進時のもたつきがかなり軽減される。ターボ車のトルクも発進時から存分に発揮してくれる特性となっており、動力性能はホンダ車らしさを感じる。

だが、Nワゴンの特徴で特筆すべきは、やはり安全性機能の充実だろう。N BOXが軽自動車で初となるJNCAPの衝突安全評価で5つ星を獲得しており、同じボディフレームと設計を踏襲するNワゴンも同等の衝突安全性が期待できる。またホンダのADAS機能である「Hondaセンシング」を全車種標準搭載となっているのもうれしい。最近では軽自動車でも一般的になった衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)に加え、自動停止・再発進可能な前車追従型クルーズコントロール(ACC)、誤発進防止装置(トルク抑制型)など主だったADAS機能はフル装備される。自動ブレーキは夜間検知性能のアップや横断自転車の検知にも対応する。

ユーティリティの特徴は、リアラゲッジの2段ラックを挙げたい。荷室に板を渡して上下のスペースを分けて使えるのだが、買い物で箱買いしたものと袋やカゴで買ったものを分けて載せることができる。シートをフラットにすれば、簡易的な軽キャンパー仕様にもできる。

ダイハツ タント…乗り降りのしやすさは健在

ダイハツ タント 新型(プロトタイプ)

まず、基本的な性能からみてみよう。

・エンジン形式:KF 3気筒DOHCエンジン
・トランスミッション:トルクコンバーター付きCVT(無断変速)
・WTLCモード燃費:21.2km/L
・車両重量:880kg~1000kg
・エンジン出力:
  38kW(52PS)/6900rpm(ターボなし)
  47kW(64PS)/6400rpm(ターボ)
・エンジントルク:
  60Nm(6.1kgfm)/3600rpm(ターボなし)
  100Nm(10.2kgfm)/3600rpm(ターボ)

新型タントは、随所に新技術が投入されたエンジンも魅力だが、変速機のロックアップ機構のついたトルクコンバーターも注目したい。またダイハツなど一部のメーカーが採用している、減速時のエネルギー回生システムが、タントにも搭載されている。タントのオルターネーターは、減速時のエンジン回転でもバッテリーに充電を行う。これによって、加速時の発電負荷を減らし、エンジンの効率がアップするというもの。

ダイハツではスマートアシスト、「スマアシ」と呼んでいるADAS機能は、タントでも全モデルに搭載される(スマートアシスト非搭載モデルの設定あり)。衝突被害軽減ブレーキや誤発進防止装置、オートハイビームなど、機能的はHondaセンシングとほぼ同じだが、レーンキープ制御付き全車速追従型クルーズコントロールはオプション設定となる。なお、誤発進防止装置はブレーキ介入が入るタイプだ(Nワゴンはトルク制御型)。

タントのいちばんの特徴は、大型スライドリアドアとピラーレス構造による乗り降りのアクセスのしやすさだろう。助手席を前にスライドさせれば、運転席から後席へのアクセスがよくなるだけでなく、スライドドア側からの乗り降りも可能だ。テレビCMでは、小さい子どもがいるファミリーでの便利さを強調しているが、じつはタントは福祉車両のラインナップも豊富で、大人や高齢者にとってもうれしいクルマだ。子どもを育て上げたシニア層や高齢の親を持つ子ども世帯にと、幅広いニーズに応えられる。

三菱 eKクロス…存在感のあるフロントマスクが特徴

三菱 eKクロス 新型

三菱eKクロスの主要スペックは以下のとおりだ。

・エンジン形式:BR06 3気筒DOHCエンジン
・トランスミッション:ステップ制御付きCVT(無断変速)
・WTLCモード燃費:21.2km/L
・車両重量:840kg~920kg
・エンジン出力:
  38kW(52PS)/6400rpm(ターボなし)
  47kW(64PS)/5600rpm(ターボ)
・エンジントルク:
  60Nm(6.1kgfm)/3600rpm(ターボなし)
  100Nm(10.2kgfm)/2400~4000rpm(ターボ)
・ハイブリッドシステム:SM21
  交流同期電動機
  20kW(2.7PS)/1200rpm
  40Nm(4.1kgfm)/100rpm
  リチウムイオンバッテリー

ご存じの読者も多いと思うが、eKクロスと次に紹介する日産デイズはエンジン、トランスミッションが同じものとなる。もともと三菱は、日産に軽をOEM納品していたので、eKシリーズとデイズは姉妹車ということになる。ただ、今回のeKクロス(とデイズ)は、設計の段階から日産が深くかかわっている。

そのため、エンジンはルノー日産グループがダットサンなどでグローバル展開しているリッターカーのエンジンをダウンサイズして搭載している。トランスミッションも新規開発だが、日産が使っているCVTをベースにしている。Nワゴンやタントのようにトルクコンバーターは付いていないが、ハイブリッドシステムが静かな発進・スムースな加速を実現している。ビスカスカップリング式4WDモデルも用意した。

エンジンは普通車のものを軽の規格に合わせているため、トルクに余裕があり、音も静かだ。ハイブリッドシステムと隔壁遮音材のおごった作りもあり、とくに車室内の静粛性は軽自動車とは思えないレベルだ。内装やシートも素材にこだわり、ダッシュボードがソフトトップとなっている。

eKクロスのもうひとつの特徴は、精悍かつ存在感のあるフロントグリルデザインだ。先にマイナーチェンジで発表されたデリカD5と同じ形状で、D5を小さくしたイメージとなる。しかし、全体がコンパクトなためガテン系ワンボックスのような威圧感・オラオラ感はない。

収納類も豊富で後席も広くとれるので、実用性も問題ない。「これなら軽で十分」と言わしめる要素が多いのも特徴だ。

日産 デイズ…プロパイロット搭載で安全性アップ

日産デイズ新型

日産デイズの主要諸元は以下のとおりだが、前述したようにベースはeKクロスと同じ車両で、内外装のデザイン、車両重量が変わること以外は、同じスペックとなる。

・エンジン形式:BR06 3気筒DOHCエンジン
・トランスミッション:ステップ制御付きCVT(無断変速)
・WTLCモード燃費:21.2km/L
・車両重量:830kg~940kg
・エンジン出力:
  38kW(52PS)/6400rpm(ターボなし)
  47kW(64PS)/5600rpm(ターボ)
・エンジントルク:
  60Nm(6.1kgfm)/3600rpm(ターボなし)
  100Nm(10.2kgfm)/2400~4000rpm(ターボ)
・ハイブリッドシステム:SM21
  交流同期電動機
  20kW(2.7PS)/1200rpm
  40Nm(4.1kgfm)/100rpm
  リチウムイオンバッテリー

軽自動車ながら、ルノー日産のグローバルエンジンを採用し、ジヤトコ製の新開発CVTは変速比のカバーレシオが広い。発進時や加速時は独自のマイルドハイブリッドシステムがアシストする。スムースな加速と静粛性のおかげで高速走行のストレスが少ない。

これを後押しするのがプロパイロット(eKクロスではマイパイロット)だ。 『リーフ』、『セレナ』などに採用されているプロパイロットとまったく同じ機能・性能と思ってよい。プロパイロットはメーカーオプションで全車種標準搭載とはならないが、一般的な衝突被害軽減ブレーキや誤発進防止装置などのADAS機能は全車種標準搭載となっている。

日産が元祖ともいえるアラウンドビューにも対応しており、4箇所のソニックセンサーとともに狭い駐車場や切り替えしをアシストしてくれる。内装も高級感にこだわった造りとなっている。ドアポケットやリア、運転席まわりの収納も豊富で使い勝手がよい。

デイズにしかない装備として「SOSコール」がある。エアバッグの作動かマニュアルによるボタン操作で、緊急コールセンターにつながるサービスだ。

《中尾真二》

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