【ヤマハ YZF-R25/R3 試乗】価格は僅差!軽快なR25か、7psプラスアルファのR3か…青木タカオ

若者に支持されるR25 & R3

クラスを超えた本格派

価格の差は意外と小さい?

ヤマハ YZF-R3
ヤマハ YZF-R3全 29 枚

若者に支持されるR25 & R3

“若者のバイク離れ”が深刻と言われているが、そのスタイリッシュさから若年層にも高い人気を誇っているのが、ヤマハ『YZF-R25』そして『YZF-R3』だ。

そういえば、昔からヤマハは若い人たちから支持されてきた。どことなくスマートでオシャレ。キムタクこと木村拓哉さん扮する美容師の主人公が、テレビドラマの中で乗っていたバイクもヤマハ『TW200』だったし、世界最高峰グランプリ「MotoGP」のヤマハ・エースライダー、ヴァレンティーノ・ロッシ選手も銀幕の俳優みたいにカッコイイ。

80年代、資生堂の男性用化粧品「TECH21」のテレビコマーシャルに出ていた平忠彦さん(元ヤマハ・ワークスライダー)も端正な顔立ちで、女性からも人気があった。

クラスを超えた本格派

ヤマハ YZF-R3ヤマハ YZF-R3
YZF-R25とYZF-R3はモデルチェンジされたばかりで、“クロスレイヤード・ウイング”と呼ばれる立体的な構造のカウルが、1000ccや600ccスーパースポーツにも負けないスーパースポーツ感を出している。

昔のフルカウルなら、FRPの外装にエアダクトが設けられている程度だったが、“R25”や“R3”は複雑に重なり合って、空力特性も優れていることが見てわかる。細部も凝っていて、新設計のハンドルクランプはアルミ鋳造製で、レーシングマシンのように軽量化のために肉抜き加工が施されているし、フル液晶メーターにはバーグラフタイプのタコメーターが表示され、視覚的にも楽しい。

ヤマハ YZF-R3ヤマハ YZF-R3
乗ってみると、320ccエンジンを積む“R3”の方が当然ながら全域で力強いが、“R25”も充分な動力性能で街乗りメインなら不足は感じない。軽二輪枠のYZF-R25は車検がなくランニングコストに優れることから、若者から指名買いされるが、それも頷ける。走りにこだわるなら“R3”を選ぶべきだが、よりリーズナブルな“R25”はやはり魅力的だろう。

価格の差は意外と小さい?

ヤマハ YZF-R3ヤマハ YZF-R3
しかし、ちょっと待ってほしい。新車なら3年後、その後は2年後の車検代はそんなにも大きいものなのか。そして、税抜き車両本体価格は「YZF-R3 ABS」=62万5000円、「YZF-R25 ABS」=59万5000円、「YZF-R25」=55万5000円と、僅差ではないか。

こうなってくると、購入時は大いに悩むだろう。車体は共通で、一見“R25”かと思いきや、よく見れば“R3”という優越感はたまらないものだろうし、高速道路での巡航力や中間加速などで違いがあり、ライディングでのプラス70cc、7ps上乗せのアドバンテージはかなり大きい。しかも“R3”にはラジアルタイヤが奢られ、ワインディングでの安心感がワンランク上だ。

ヤマハ YZF-R3ヤマハ YZF-R3
とはいえ、スマートで躍動感ある車体は同じ。低い位置から睨みを利かせた2眼LEDヘッドライトとM字ダクトを持つフロントマスク、ハンドルクランプ下にマウントされたセパレートハンドル、アウターチューブをゴールドにした倒立フォーク、左右非対称のロングスイングアームなど、もうそれだけで充分すぎる。

もし自分が20代くらいの若者だったら……。“R3”かR25”か、それはどちらかわからないが、買うに決まっている。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
コンフォート:★★★
足着き:★★★★
オススメ度:★★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

ヤマハ YZF-R3ヤマハ YZF-R3

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る