【F1】レッドブル・ホンダ、次戦ベルギーからアルボンを“昇格起用”…ガスリーはトロロッソへ

トロロッソからレッドブルに“昇格”することになったアルボン。
トロロッソからレッドブルに“昇格”することになったアルボン。全 6 枚

12日、サマーブレイク中のF1にドライバー人事が発生した。レッドブル・ホンダは次戦ベルギーGP(9月1日決勝)からアレクサンダー・アルボンを起用、彼と入れかわりの格好でピエール・ガスリーが系列チームのトロロッソ・ホンダへ行く旨を公表した。

レッドブルとトロロッソは兄弟チームといえる関係にあり、現在はともにホンダ製パワーユニット(PU)を搭載して戦ってもいる。当代3強チームの一角であるレッドブルが1軍に相当し、中団グループの接戦を戦うトロロッソは、主に将来レッドブルで走るドライバーのキャリアアップステージとして機能してきた経緯がある。2016年にもシーズン中にマックス・フェルスタッペンがトロロッソからレッドブルに昇格するかたちのドライバー入れかえ人事を実施したことがあった。

今季2019年はレッドブル・ホンダがフェルスタッペン(残留)とガスリー(トロロッソからの移籍)のコンビで、トロロッソ・ホンダはダニール・クビアト(F1復帰)とアルボン(新人)というドライバー編成で戦ってきた。しかし今回のドライバー人事で、1カ月弱の夏休み期間を挟んでのシーズン再開初戦となる次戦ベルギーGPからはガスリーとアルボンが入れかわる格好に。アルボンがレッドブルに初昇格し、ガスリーはトロロッソに戻る。

ガスリーはレッドブルからトロロッソへと戻ることに。ガスリーはレッドブルからトロロッソへと戻ることに。
今回の発表のなかでは、「我々(レッドブル)は4人のドライバーを2チーム(4シート)の間でローテーションして走らせることも可能な、ユニークなポジションにある。2020年のマックス(フェルスタッペン)のチームメイトを決めるために、今季残り9戦でアレックス(アルボン)のパフォーマンスを評価したい」とドライバー人事発動の理由が説明されているが、背景にガスリーの不振があったことは想像に難くない。

レッドブルでは今季、エースのフェルスタッペンがサマーブレイク前までの12戦で2勝、全戦で決勝5位以内に入るなど活躍している一方、ガスリーは決勝最高4位、成績だけでなくフェルスタッペンとのパフォーマンス差が随所で目立つ状況となっていた。そこで、新人ながらトロロッソで内外から好評価を得ているアルボンをレッドブルで試そう、という方向に陣営の意思が傾いたものと思われる。

今季前半、トロロッソで走っていた#23 アルボン。今季前半、トロロッソで走っていた#23 アルボン。
アルボンは英国出身の23歳(国籍はタイ)で、昨季のFIA-F2でシリーズ3位となり、今季F1デビューを果たした若手有望株。優勝争いができるマシンにルーキーイヤーで乗るというチャンスをどう活かしていくか、彼の今後のドライバー人生を左右する今季後半戦になるかもしれない。

一方、降格された感は否めないガスリーだが、トロロッソもホンダ製PU搭載2年目(レッドブルは同1年目)の今季はクビアトがドイツGPで3位表彰台を獲得するなど、着実に前進している印象がある。目下、コンストラクター(チーム)部門ランキングでは5位だ。ガスリーは日本のスーパーフォーミュラにもフル参戦した経験をもつだけに、日本の期待も大きい選手。昨年、レッドブル昇格につながる評価を得た“古巣”での彼の復活もまた、今季後半戦の注目要素となる。

レッドブルとトロロッソ、ふたつのホンダ製PU搭載チームのさらなる飛躍に視線が集まる2019年のF1世界選手権シリーズは、9月1日決勝の第13戦ベルギーGPから残り9戦の(実質的な)後半戦に突入する。鈴鹿サーキットでの日本GPは第17戦、決勝日は10月13日だ。

レッドブル・ホンダは今季ここまで#33 フェルスタッペン(写真)が2勝。レッドブル・ホンダは今季ここまで#33 フェルスタッペン(写真)が2勝。

《遠藤俊幸》

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