【スーパーフォーミュラ 第5戦】日本勢指折りの気鋭・平川亮、もてぎ戦の金曜トップタイムをマークして逆襲開始

金曜のトップタイムをマークした#20 平川亮。
金曜のトップタイムをマークした#20 平川亮。全 7 枚

全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第5戦の金曜フリー走行(予選前日の専有走行)が16日、栃木県のツインリンクもてぎで行なわれ、今季これまではまさかの無得点に甘んじている気鋭・平川亮がトップタイムをマーク、逆襲に向けて好発進した。

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全7戦の今季SFは早くも5戦目、チャンピオン争いの正念場ともなるラウンドを迎えた。そのステージは、近年は夏の1回開催が定着しているツインリンクもてぎ(ロードコース)である。金曜フリー走行は午後1時15分から60分間の当初予定枠で実施された(車両回収による中断があり、5分延長)。天候は曇り、路面ドライ。

SFには「前戦からのドライ用タイヤの持ち越し」という特有かつ少々煩雑な取り決めがあり、それによって金曜フリー走行では各選手がここで実質的に使える“持ちタイヤ”の状態(マイレージ、消耗度)が異なってくることが多い。そのため、金曜のタイムと順位は参考どまりの度合いが高くなりがちだ。しかしながら今回に関しては、前戦の天候状況から考慮して各選手の持ちタイヤの状態は比較的近いものと推測され、いつもよりはタイムと順位が戦況を正確に反映してくるとも考えられる(タイヤは全車ヨコハマ製、ドライ用はソフトとミディアムの2スペック)。

そういった状況下で実施された金曜フリー走行でトップタイムをマークしたのは、#20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/エンジンはトヨタ)だった。タイムは唯一の1分31秒台となる1分31秒925。セッション終盤、ライバルたちもタイムアップしてくるなか、ニュー状態のソフトを履いて刻んだ一番時計であった。

#20 平川亮のコメント
「感触は良かったですね。走り出しから(クルマの)調子が良く、自分も調子が良くて自信をもって乗れています。セッション中もチームと事前にイメージしてきた通りに進められましたし、そのぶんクルマもさらに良くなっている感じがありましたね。ミディアムでも速く、ソフトをつけたら、そのぶんかそれ以上にタイムが上がった感触でした」

タイムと順位を信じられる度合いが比較的高めの走行セッションでのトップタイム。とはいえ、「(同じタイミングでニュー状態かそれに近い状態の)ソフトを履いていない人もいたかもしれませんので」という注意書きが必要なことは本人も忘れていないが、他との比較はさておいても、人車とも手応えある様子が伝わってくる#20 平川だ。

平川といえば、SUPER GT/GT500クラスでは既に一昨年、当時23歳の若さでシリーズタイトル獲得を成している。現在25歳、フォーミュラレースでは年齢的に純然たる若手の域からは卒業しつつあるが、若手有望株が多い日本人選手のなかでも屈指の気鋭だ。SFでは昨季からTEAM IMPULに加入し、レギュラー参戦を再開。初優勝こそ実現できなかったが、予選最高1位、決勝最高2位、随所に高い存在感を示してもいた。

今季を迎える時点で#20 平川は、#18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG/トヨタ)、#3 山下健太(KONDO RACING/トヨタ)らと並び、SF初優勝有力候補選手のひとりに数えられていた。しかし今季は前戦までまさかのノーポイント、決勝最高11位という成績に甘んじている(ちなみに可夢偉と山下もまだ勝ってはいないが、それぞれ今季既に表彰台あり)。

「(4戦無得点は)まったく想像していなかったです」と前半戦を振り返る#20 平川。観る方もそれは同じだが、後半戦での逆襲に向けてこの日、いい出足を得たことも確かなようだ。「ここで気持ちを切りかえてやれそうな気もしています。悔しさがたまっている部分もありますからね。結果が出る態勢にあると思うので、焦らず、流れを崩さないようにやりたいです。明日はもっと気温(と路温)が上がりそうですから、そこは柔軟に対応していきたいですね」。

今回を含めて残り3戦、さすがに王座争い参陣は厳しいにしても、狙うは悲願の初優勝だろう。そう訊くと、「ここまでゼロ(無得点)で(目標が)優勝っていうのも…(苦笑)」と話した平川だが、もちろん「優勝はしたいです」。昨年のもてぎ戦では2ストップ作戦でレースを戦い好走、予選9位から決勝2位入賞を果たした。そういったことからも期待は高まる。そして当然ながら、今年のもてぎでまず目指すべきところは「今度はポールポジションを獲って、逃げ切るレースをしたいですね」となる。

GT500では昨季も今季もタイトル争い最前線に存在し続けている平川。彼がSFでもその真価を発揮することが大いに期待できる今回のもてぎ戦となりそうだ。

金曜の2番手タイムは、前戦で初優勝した新人の#64 A.パロウ(TCS NAKAJIMA RACING/ホンダ)。彼はセッション途中でコース外のグラベル上にストップ、赤旗中断の原因となったのだが、車両回収を経て再走し、ホンダ勢首位となる1分32秒301をマークしている。

3番手タイムは#3 山下の1分32秒315。4番手には平川のチームメイトである#19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)、5番手にはパロウの僚友 #65 牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING/ホンダ)がそれぞれ続いた。6番手は前戦2位の新人 #39 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)で、ここまでが1分33秒を切っている。

熱暑の戦いとなるのは必至の3段階ノックアウト方式予選は、明日(17日)の午後2時30分開始予定だ。

《遠藤俊幸》

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