【スーパーフォーミュラ 第5戦】連勝狙う新人アレックス・パロウ、まずは2戦連続ポール獲得を達成…2位に平川、3位は福住

2戦連続ポール獲得の#64 アレックス・パロウ。
2戦連続ポール獲得の#64 アレックス・パロウ。全 10 枚

全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第5戦の公式予選が17日、栃木県のツインリンクもてぎにて行なわれ、前戦優勝の新人アレックス・パロウが2戦連続ポールポジション獲得を達成した。予選2位は平川亮、3位は福住仁嶺。

予報通り、予選日は猛烈な暑さとなった。午後2時30分の予選Q1開始時点でピットロードから報告された気温は40度に近い数字で、路温も50度に迫る状況である(路面ドライ)。灼熱のなか、全11チーム20台が今回も20~12~8台と絞られていく3段階ノックアウト方式でポールポジションを争う。タイヤはQ1がミディアム限定、Q2以降はソフト使用可能。

今季のSFでは予選が諸事情あってスムーズに進まないケースが多かった印象もあるが、今回は熱暑下ながらほぼ順調な流れで、ある意味では力勝負の展開での決着となった。最終的にトップ3を占めたのは、金曜午後あるいは土曜午前のフリー走行で好調を感じさせていた3名。最後のQ3では、Q1トップ通過の#20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)とQ2トップ通過の#5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)を2~3位に下して、#64 A.パロウ(TCS NAKAJIMA RACING/ホンダ)がポールポジションをゲットした。#64 パロウのポールタイム1分31秒442は新レコードタイムとなっている。

好調者同士の戦いを制した格好で、2戦連続ポール獲得を成した#64 パロウ。彼は今季の新人で前戦の優勝者である(参戦4戦目の初優勝)。「素晴らしい! タイトな予選バトルだったけど、週末を通じてマシンは調子がいいし、Q3(のタイムと走り)は本当に最高だったと思う。明日も引き続き良い結果を出せるように頑張っていきたい」。2戦連続ポール・トゥ・ウインに向けて視界良好な雰囲気である。

#64 パロウは現在ポイントランキング3位で、ポールの1ポイントを加えて15点となった。上には27点の#1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)と22点の#37 N.キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)がいるが、今回は#1 山本が8位、#37 キャシディが12位と予選中位に留まっている。もちろん戦略等々で彼らがジャンプアップしてくる可能性も充分にあるが、#64 パロウにとってはチャンピオン争いを考えても大チャンスだ(優勝は10ポイント)。

「確かにそうかもしれないね。でも、僕が(追い上げて)チャンピオンを狙うためには、とにかく毎セッション『P1』(ポジション1)を獲っていくことしかなくて、その結果としてチャンピオンが獲れたら嬉しい、と考えているんだ。その意識で明日以降も戦っていきたい」。新人らしからぬ冷静さを見せる#64 パロウ。いずれにしても、明日の決勝レースがシーズンの行方を占うものになる可能性も出てきたといえよう。2戦連続ポール・トゥ・ウインとなれば、流れは間違いなく彼に寄ってくる。さて、どうなるか。

予選2位の#20 平川、3位の#5 福住も好調、もちろん初優勝を狙う。予選4位の#50 L.アウアー(B-Max Racing with motopark/ホンダ)も照準は初優勝の今季新人だ。スターティンググリッドは決勝日にトラブル発生等で変更される可能性もあるが、このまま予選順位の通りの位置で決まれば、グリッドの前2列には優勝経験者パロウも含めて新進気鋭の面々が揃う印象となる。

予選5位は2015&17年王者の#38 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)、こちらは今季ここまで決勝7位が最高という成績に甘んじているだけに復権を期す一戦である。予選6位は#16 野尻智紀(TEAM MUGEN/ホンダ)、7位は#18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG/トヨタ)、そして8位に13&18年王者の#1 山本。可夢偉にこそ優勝経験はないが、3~4列目にはSF上位常連がひしめく構図。彼らが前2列のメンバーに対しどういう仕掛けをしていくか、これも興味深いところとなってきている。

SF第5戦もてぎの決勝250kmレース(52周)は、明日18日の午後2時15分開始予定だ。

<2020年に関しての情報>
予選日定例のメディア会見「SFサタデーミーティング」にて、SFやSUPER GTへのステップアップボードである「全日本F3選手権」の立ち位置と概ねのシリーズ実態を継承して来季から始まる「全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権」(略称:SFL)の概要が、日本フォーミュラスリー協会同席のもとで説明された。昨今、F3級カテゴリーでは世界的に再編が進んでおり、その流れも受けつつの名称変更&新生スタートということになる(SFLの名称はJAFからの公示で公表済み)。

《遠藤俊幸》

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