BMW M8 新型、MotoGPのセーフティカーに起用

0‐100km/h加速3.2秒で最高速305km/h

パワートレインは市販車と共通

セーフティカーらしい専用装備

BMW M8 新型ベースのMotoGPセーフティカー
BMW M8 新型ベースのMotoGPセーフティカー全 13 枚

BMWの新型『M8クーペ』(BMW M8 Coupe)が、二輪ロードレース世界選手権「MotoGP」のセーフティカーとして起用され、11日のオーストリアGPから導入された。

BMWは1999年からおよそ20年間、MotoGPのセーフティカーに採用されている。最近では、2012年シーズンは『M6クーペ』、2013年シーズンは『M6グランクーペ』がセーフティカーを務めた。2014年からは2年連続で『M4クーペ』が担当。2016~2017年は、『M2クーペ』がセーフティカーを務め、2018年からは新型『M5』がその任務を果たしている。

0‐100km/h加速3.2秒で最高速305km/h

新型M8クーペは新型「8シリーズクーペ」がベースの高性能モデルだ。エアロダイナミクス性能やエンジンの冷却性能を引き上げる専用バンパーをはじめ、スポーツ性が強化されたインテリアなど、ベース車両の新型8シリーズクーペに対して、M流儀の変更が加えられる。

パワートレインには、BMW Mが開発を手がけた直噴4.4リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。このV8は、シリンダーバンク上を横切るように配置された(クロスバンク)エグゾーストマニフォールドにより、排気ガス流のエネルギーが2つのターボチャージャーのタービンホイールに最適に伝えられる。冷却システムも、最適な効果を発揮するように設計されており、サーキット走行時の熱負荷に耐える。フラップ制御式のエグゾーストシステムのサウンドは、選択しているモードによって変化する。

最大出力は600hp/6000rpm、最大トルクは76.5kgm/1800~5600rpmだ。0~100km/h加速3.3秒、最高速250km/h(リミッター作動)の性能を発揮する。オプションの「Mドライバーズパッケージ」ではリミッターが解除され、最高速は305km/hに到達する。

さらなる高性能を求める顧客には、「コンペティション」を設定する。直噴4.4リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンは、最大出力がプラス25hpの625hp/6000rpmへ向上。最大トルクは76.5kgmで変わらないが、1800~5800rpmと、より幅広い領域で引き出される特性とした。0~100km/h加速は3.2秒(カブリオレは3.3秒)と、0.1秒短縮される。最高速は250km/h(リミッター作動)で、オプションのMドライバーズパッケージではリミッターが解除され、最高速は305km/hとなる。MotoGPの公式セーフティカーは、このコンペティションがベースだ。

パワートレインは市販車と共通

このV8エンジンを含めて、パワートレインは市販車と変わらない。トランスミッションは8速の「Mステップトロニック」で、ドライバーはMセレクターレバーまたはステアリングホイールのパドルシフトでマニュアル操作が行える。駆動方式は4WDの「M xDrive」だ。このシステムは、後輪駆動を重視した設計となっており、後輪が動力伝達の限界に達し、追加のトラクションが必要になった場合に限って、フロントアクスルにパワーを振り分ける。

また、「アクティブMディファレンシャル」も採用する。トランスファーケースが必要に応じて、駆動トルクの一部を無段階かつ可変的にフロントアクスルへと振り分ける。一方、左右後輪間の駆動トルク配分は、アクティブMディファレンシャルが受け持つ。スポーツ走行時や、路面のグリップが変化する場面など、その状況に合わせてM xDriveに組み込まれたアクチュエーターがロック率を選択し、走行安定性を確保する。M xDriveの導入により、車両を安定させるためにDSC(ダイミック・スタビリティ・コントロール)の介入が必要となるのは、極端な状況だけに限定され、エンジンパワーを推進力としてほぼ無駄なく利用できるという。

新しいMモードを採用する。BMW Mモデル向けに専用開発されたコントロールシステムは、パワートレインやシャシーを、ドライバーの好みに設定することを可能にする。4WDのM xDriveシステムは、前輪と後輪の間のパワー配分を調整でき、ブレーキシステムもドライバー好みに設定できる。

センターコンソールにある新しいセットアップボタンを押すと、5つの車両パラメータに関するセットアップ項目に直接アクセスできる。そして、コントロールディスプレイにセットアップメニューが表示される。その後、ドライバーはタッチスクリーンまたはiDriveコントローラーを使って、エンジン、サスペンション、ステアリング、ブレーキ、M xDriveの各モードを、1ステップで設定できる。

セーフティカーらしい専用装備

この新型M8コンペティションが、MotoGPのセーフティカーとして起用される。BMW Mの手によって、フラッシュライトやロールケージ、バケットシート、消火器、無線システム、専用デカールなど、セーフティカーらしい装備が加えられている。

また、「Mパフォーマンスパーツ」から、チタンスポーツエキゾーストシステム、カーボンテールパイプフィニッシャー、カーボンエンジンカバー、カーボンリアディフューザー、ステアリングホイールプロ、カーボンサイドスカートなどを装着した。ミシュラン製カップタイヤ、レーシングカーの『M8 GTE』用リアウィングも採用されている。

《森脇稔》

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