ブガッティ、1600馬力/800万ユーロの『チェントディエチ』発表…ペブルビーチ2019

1990年代のEB110へのオマージュ

シロンのW16ターボがベース

800万ユーロで限定10台は完売

ブガッティ・チェントディエチ
ブガッティ・チェントディエチ全 14 枚

ブガッティは8月16~18日、米国で開催された「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス2019」において、『チェントディエチ』(Bugatti Centodieci)を初公開した。

1990年代のEB110へのオマージュ

チェントディエチは、ブガッティの創業110周年記念モデルだ。ブガッティが1990年代に生産した『EB110』へのオマージュとして開発された。車名のチェントディエチとは、イタリア語で110を意味している。

EB110 は1991年に発表された。ブガッティブランドの復活を印象づけたスーパーカーだ。EB110には、パワーアップ版として「SS」が用意されていた。車名のSSとは、「スポーツ・ストラダーレ」の略だ。3.5リットルの排気量を備えたV型12気筒ガソリンエンジンに、4個のターボチャージャーを組み合わせ、最大出力611psを獲得していた。6速MTを介して、0~100km/hを3.2秒で駆け抜けるというスーパーカーだった。

EB110は、イタリアのカンポガリアーノで生産された。ブガッティの元オーナーのロマーノ・アルティオーリは、ブガッティを創業したエトーレ・ブガッティの生誕109年の1990年9月15日、イタリアに工場を開設した。そしてアルティオーリは翌1991年、エトーレ・ブガッティの110歳の誕生日に、スーパースポーツカーのEB110を公開した。ブガッティ・チェントディエチブガッティ・チェントディエチ

ブガッティによると、チェントディエチの開発と設計に関しては、多くの技術的課題に直面したという。EB110は1980年代後半に開発されており、非常にフラットで、くさび形の古典的デザインが特長だ。一方、チェントディエチのベース車両の『シロン』は、複雑なエアロダイナミクスフォルムを備えており、シロンベースでEB110のようなデザインを構築することに苦労したという。

チェントディエチのフロントには、馬蹄形のラジエーターグリルを装着した。新開発のフロントスポイラーは、フロントバンパーの3分割エアインテークに似合うようにデザインされた。ノーズは非常に低く、象徴的なブガッティホースシューは、低いノーズに合わせて小型化された。これらのデザイン要素により、EB110のモチーフを再現しているという。LEDデイタイムランニングライトを組み込んだヘッドランプは、スリムなデザインが特長だ。

ボディサイドでは、BピラーのCラインが、シロンよりも大幅にコンパクト化された。5つの丸型エアインサートを、ダイヤモンドの形で配置した。W16気筒エンジンの冷却に、充分なエアインテークを備えている。ブガッティ・チェントディエチブガッティ・チェントディエチ

シロンのW16ターボがベース

チェントディエチのミッドシップに搭載されるパワートレインは、シロンの8.0リットルW16気筒+4ターボがベースのエンジンだ。オイルクーラーに吸気口を追加することにより、エンジンの冷却性能を引き上げるなどの専用チューンを受けた。最大出力は1500hp/6700rpmから、1600hp/7000rpmに、100hp向上している。

トランスミッションは7速デュアルクラッチ「DSG」。駆動方式は4WDだ。チェントディエチはシロンに対して20kg軽量化されており、0~100km/h加速2.4秒、0~200km/h加速6.1秒、0~300km/h加速13.1秒の性能を発揮する。最高速は380km/h(リミッター作動)に到達する。

800万ユーロで限定10台は完売

チェントディエチは10台のみを、フランス・モルスハイムで、ハンドメイドで組み立てる計画だ。価格は800万ユーロ(約9億4500万円)だが、10台は完売している。納車は、今後2年以内に行われる予定だ。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  4. セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る