軌間拡大で脱線した弘南鉄道に「改善指示」…融雪後の線路点検に不備が判明

大鰐線の7000系電車。
大鰐線の7000系電車。全 1 枚

国土交通省東北運輸局は9月2日、青森県の弘南鉄道大鰐線(中央弘前~大鰐)で4月14日に発生した脱線事故に鑑み、改善指示を出したことを明らかにした。

この事故は中央弘前~弘高下間で発生したもので、木製枕木が連続する区間でレールの幅が規定よりも開いてしまう「軌間拡大」が起き、脱線につながったと結論づけられている。

東北運輸局では事故を受けて4月15日に警告書を発するとともに、4月15~17日には保安監査を実施。その際、脱線箇所以外でも「犬くぎ」と呼ばれるレール固定具の浮きや、コンクリート製枕木の締結装置損傷などが確認された。

犬くぎについては、冬期間の凍結と融解が繰り返されることで締結力低下が懸念されるため、融雪箇所から順次点検を行なうこととされていたが、弘南鉄道では全線が融雪してから行なっていたことも判明するなど、「管理体制等に改善を要する事項が認められた」として、今回、改善指示が出されるに至った。

この指示では、安全統括管理者を中心とした安全管理体制を構築し直すこと、枕木1本ごとの管理を早急に着手し計画的に実行すること、管理に際しては現場の責任者任せとせず基準を定めること、検査担当者への教育を徹底し検査体制の見直しを行なうことが挙げられており、指示に従わない場合や改善されない場合、再発した場合には、事業改善命令を出すことがあるとされている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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