千葉市は9月4日、千葉都市モノレール1号線の延伸を正式に断念したことを明らかにした。
千葉都市モノレールは千葉市が株式の9割以上を保有する第三セクター方式の鉄道で、1988年3月に2号線スポーツセンター~千城台(ちしろだい)間が最初に開業して以来、1999年3月にかけて順次延伸され、現在は1号線(千葉みなと~県庁前)と2号線(千葉~千城台)の計15.2kmで運行を行なっている。
このうち1号線は、千葉市中央区内の県庁前駅から市立青葉病院へ至る区間が都市計画に盛り込まれ、「病院ルート」と呼ばれる、千葉大学病院を経由する路線が検証されたが、その結果、建設コストが多額であることや、経営状況の問題などから2009年に凍結された。
しかし、モノレール延伸の可否については「地域公共交通網形成計画策定に先立ち、骨格交通であるモノレールの延伸可否について決定する必要がある」として、財政健全化後の2017年8月、都市計画に関する基本的な方針に挙げられていた「稲毛ルート」(2号線穴川~JR稲毛海岸)と合わせて再検証が行なわれた。
緑色の破線と、それに続くピンク色の線が県庁前駅から市立青葉病院へ至る「病院ルート」、赤い破線が穴川駅から分岐し、JR京葉線稲毛海岸駅へ至る「稲毛ルート」の計画路線。稲毛ルートについてはモノレールでの導入が断念されたに留まり、代替の手段がどのようなものになるのか注目される。その結果、総費用に対する総便益の比率を算出した費用便益費は、病院ルートが0.87、稲毛ルートが0.73という結果となり、1.0以上が妥当とされる指標を下回った。
また延伸後には新たな資金需要が見込まれ、会社の経営に影響を与えることも懸念されたことから、病院ルートについては延伸計画を廃止。稲毛ルートについてはモノレールの導入を行なわないことが決定された。