千葉都市モノレール、県庁前駅からの延伸を断念…稲毛海岸駅への延伸ではモノレールを導入せず

現在、2路線約15kmで運行を行なっている千葉都市モノレール。写真は2012年に登場した0形。
現在、2路線約15kmで運行を行なっている千葉都市モノレール。写真は2012年に登場した0形。全 2 枚

千葉市は9月4日、千葉都市モノレール1号線の延伸を正式に断念したことを明らかにした。

千葉都市モノレールは千葉市が株式の9割以上を保有する第三セクター方式の鉄道で、1988年3月に2号線スポーツセンター~千城台(ちしろだい)間が最初に開業して以来、1999年3月にかけて順次延伸され、現在は1号線(千葉みなと~県庁前)と2号線(千葉~千城台)の計15.2kmで運行を行なっている。

このうち1号線は、千葉市中央区内の県庁前駅から市立青葉病院へ至る区間が都市計画に盛り込まれ、「病院ルート」と呼ばれる、千葉大学病院を経由する路線が検証されたが、その結果、建設コストが多額であることや、経営状況の問題などから2009年に凍結された。

しかし、モノレール延伸の可否については「地域公共交通網形成計画策定に先立ち、骨格交通であるモノレールの延伸可否について決定する必要がある」として、財政健全化後の2017年8月、都市計画に関する基本的な方針に挙げられていた「稲毛ルート」(2号線穴川~JR稲毛海岸)と合わせて再検証が行なわれた。

その結果、総費用に対する総便益の比率を算出した費用便益費は、病院ルートが0.87、稲毛ルートが0.73という結果となり、1.0以上が妥当とされる指標を下回った。

また延伸後には新たな資金需要が見込まれ、会社の経営に影響を与えることも懸念されたことから、病院ルートについては延伸計画を廃止。稲毛ルートについてはモノレールの導入を行なわないことが決定された。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ゴミ回収箱に人が入ることは予見不能
  2. 「さすが俺達の日産技術陣!」日産の新型EVセダン『N7』にSNS反応、「カッコ良すぎないか」などデザイン評価
  3. ヤマハの125ccスクーター『NMAX 125 Tech MAX』が世界的デザイン賞、ヤマハとしては14年連続受賞
  4. ホンダ『モンキー』イベントに過去最高の550台超が集結!「自腹」でも続ける「二輪文化継承」への思い
  5. ショッピングセンターに320台の名車・旧車が大集結…第5回昭和平成オールドカー展示会
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. AI導入の現状と未来、開発にどう活かすか? エンジニアの声は?…TE Connectivityの独自リポートから見えてきたもの
  2. トヨタ「GRファクトリー」の意味…モータースポーツのクルマづくりを生産現場で実現【池田直渡の着眼大局】
  3. 住友ゴム、タイヤ製造に水素活用…年間1000トンのCO2削減へ
  4. EVシフトの大減速、COP消滅の危機…2024年を振り返りこの先を考える 【池田直渡の着眼大局】
  5. 【学生向け】人とくるまのテクノロジー展 2025 学生向けブース訪問ツアーを開催…トヨタ、ホンダ、矢崎総業、マーレのブースを訪問
ランキングをもっと見る