ZFの次世代コックピット、自動運転向け…フランクフルトモーターショー2019で発表

自動運転と手動運転を滑らかに切り替え

自動運転時にはステアリングホイールやシートが移動

自動運転が可能かどうかドライバーに伝える

情報はヘッドアップディスプレイモニターに集約表示

ZFの自動運転向け次世代コックピット
ZFの自動運転向け次世代コックピット全 3 枚

ZFは9月10日、ドイツで開幕したフランクフルトモーターショー2019(Frankfurt Motor Show)において、自動運転向けの次世代コックピットコンセプトを初公開した。

自動運転と手動運転を滑らかに切り替え

この次世代コックピットコンセプトは、ZFがフォルシアと共同開発した。「セーフ・ヒューマン・インタラクション・コックピット(SHIコックピット)」と命名されている。先進支援システム(ADAS)と自動運転機能がドライバーとシンプルかつ効果的にコミュニケーションを図るのが特長だ。そして、出発から到着まで、高度な安全性と快適性を乗員に提供することを目指している。

自動運転とドライバーによる操作の切り替えは、直感的かつスムーズに行われる。シートは、あらゆる体格のドライバーの幅広い乗車姿勢に対応できるよう、自動的に調整される。車両からドライバーには、分かりやすく情報を伝える。インテリジェントな電子アシスタンスによって、これらの機能を簡単に調整することができるという。

自動運転機能は、安全性や利便性の向上をもたらす。しかし、多くのユーザーはそれらの機能がどのように作動するのかを、あまり理解していないのが現状だ。SHIコックピットは、この課題を解消するものとなる。

自動運転時にはステアリングホイールやシートが移動

SHIコックピットは、道路が自動運転可能な状況になった時、それをドライバーに知らせ、ドライバーがステアリングを託した瞬間に車両が運転を代わる。ステアリングホイールは、ドライバーの手の届く範囲で前方と上方に移動する。これは、ステアリングホイールシステムの「ハンズ・オン・デテクション(HOD)」機能が検知して、起動する。

ステア・バイ・ワイヤの採用により、このモード時にはステアリングホイールは固定される。また、調整範囲が広げられたシートは、後方と下方に移動し、背もたれが後方に倒れ、よりリラックスした姿勢で着席できるシートポジションに変わる。SHIコックピットのシートには、エアバッグ、アクティブシートベルトとアクティブシートベルトクリップが組み込まれており、安全性が確保されているという。

自動運転が可能かどうかドライバーに伝える

車両は自動的なシートポジション変更以外にも、さまざまな方法によって自動運転状態であるかどうかを、ドライバーに伝える。状況に応じて、SHIコックピットは触覚(例えばシートベルトの振動)、視覚(例えばコックピット内を囲むように備えられた色の変わるライト)や聴覚(例えば音や声)に訴えて、情報を伝える。自動運転から手動運転に切り替える場合には、SHIコックピットは事前にドライバーに伝える。ドライバーが反応しない場合、車両は最も安全な場所に停止するようプログラムされている。

SHIコックピットは運転を始める前から、快適性と安全性を提供する。ドライバーの乗り込みを容易にするため、運転席は後方へと移動し、背もたれが倒れる。また、ステアリングホイールも上方に持ち上げられ、スムーズに乗り込むために充分なスペースが確保される。

ドライバーが運転席に座ると、3Dカメラが高さを測定して、マニュアル運転の際に最適なポジションとなるよう、シートとステアリングホイールの位置を調整する。降車時は、シートが自動的に適切な位置まで下がる。

情報はヘッドアップディスプレイモニターに集約表示

SHIコックピットは、全ての運転支援とドライバーへのフィードバック機能を集約して表示する。中央に設置された「ヘッドアップディスプレイ・インストルメントクラスター(HUDIC))モニターに、自車がバードビューで表示される。

SHIコックピットの「アクティブ・ビークル・オーラ(AVA)」は、アダプティブクルーズコントロール、ブラインドスポットワーニングやレーンキープアシストを含むすべての運転支援システムから得られた情報を総合的にまとめ、効果的にドライバーに表示する。モニター画面には、自車を囲むように1本から3本までの楕円の線で、車両の周辺環境が表示される。

コントロールシステムの介入レベルは、ステアリングホイールで設定することができる。3本線で表示されている場合は、早い段階で緩やかにシステムが介入する。1本線での表示の場合、システム介入のタイミングは遅くなるものの、強制的に作動することを意味する。死角に車両がいる時、ドライバーが車線変更の操作を行おうとした場合など、危険な状況では、線の色と形状が変化する。同時に、支援機能が操作に介入する設計としている。

《森脇稔》

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