長野県松本市の旅館明神館と⼩型航空機チャーターサービスのSKYTREKは12日、全国の地方空港と信州まつもと空港(長野県松本市、塩尻市)を結ぶチャーター便の運航について、業務提携を結んだことを発表した。
長野県には自然環境、歴史的文化財をはじめ、多くの観光地が存在する一方で、首都圏や地方都市から長野県までの移動が長いため、交通アクセスの多様化・充実が課題になっている。日本全国、世界から松本市および長野県全域へのアクセスを多様化し、信州松本、また、長野県をより身近に感じてもらうことを図る。
例えば成田空港に訪日外国人が到着した場合、「扉温泉明神館」まで、自動車で約4時間30分、電車で約5時間の移動時間がかかるが、小型飛行機を使った場合、約2時間に短縮できる。移動時間を短縮し、観光地に滞在する時間を長く設けることで、松本市・長野県の文化や観光を体験できる時間が増す。滞在時間の延長により、観光地周辺の商店、飲食店への集客の増加も見込め、地域の活性化に繋がると考えられる。
チャーター便の運航事例
●信州まつもと空港~ホンダエアポート(埼玉県桶川市)……飛行距離:145km、飛行時間:50分、片道運航料金税込み:29万1600円
●信州まつもと空港~中部国際空港(愛知県常滑市)……飛行距離:177km、飛行時間:1時間、片道運航料金税込み:52万0560円
●信州まつもと空港~関西国際空港(大阪府泉佐野市)……飛行距離311km、飛行時間:1時間25分、片道運行料金税込:62万4240円
明神館では今回の業務提携を活かし、首都圏観光と小型飛行機での移動と、旅館・ホテルでの宿泊とを組み合わせた、旅行商品の販売を予定している。また、市内の宿泊業者とも連携し、宿泊者への遊覧飛行体験の提供も検討している。北アルプスを望む遊覧飛行を組み込んだ旅行プランを提供し、閑散期の冬季の誘客も期待できる。さらに松本市、長野県を訪れた観光客を九州、大阪、神戸、札幌などへ繋げることで、国内の観光宿泊業の活性化も図ることが可能であるとする。
松本市・長野県をより身近に感じてもらった次の段階としては、明神館では二次交通の充実、例えばタクシー会社と連携したラグジュアリータクシーの導入などを検討している。