[サウンド調整術入門]タイムアライメント…タイプ違い、詳細設定か簡易設定か

写真は、フォーカルの『DSA 500 RT』のチューニングソフトの“タイムアライメント”設定画面。当機は2chパワーアンプ搭載のパワードサブウーファーであり、しかもDSPも搭載されている。“タイムアライメント”も簡易的ながら設定可能だ。
写真は、フォーカルの『DSA 500 RT』のチューニングソフトの“タイムアライメント”設定画面。当機は2chパワーアンプ搭載のパワードサブウーファーであり、しかもDSPも搭載されている。“タイムアライメント”も簡易的ながら設定可能だ。全 1 枚

車内で音楽を高音質に楽しむための重要項目の1つである、『サウンド調整術』について解説している当コーナー。今回からは新章に突入し、“タイムアライメント”の操作方法を紹介していく。まずは、これがどんな機能であるのかをおさらいしながら、タイプ解説を行ってみる。

最初におさらいから入りたい。“タイムアライメント”とはどのような機能なのかと言うと…。ひと言で言うなら、「リスニングポジションを機械的に変更させる機能」である。

このような機能が必要となる理由を説明しよう。クルマの中ではリスニングポジションが右か左かのどちらかに片寄る。ゆえに、正確なステレオイメージを感じ取りにくい。ステレオとは本来、左右のスピーカーから等距離の場所で聴くことが前提となるシステムだ。音楽を左右のchに分けて録音し、それを左右のスピーカーで再生することで音楽を立体的に感じ取れるようになるのだが、リスニングポジションが片側に寄ってしまうともろもろのバランスが崩れ、ステレオの仕組みが正しく発揮されにくくなってしまうのだ。

“タイムアライメント”は、その不利を補うために開発されている。当機能を使うと、近くにあるスピーカーに対して発音タイミングを遅らせることが可能となり、結果すべてのスピーカーの音の到達タイミングを揃えられる。擬似的に、すべてのスピーカーから同一距離の場所にいるかのような状況を作り出せるのだ。

なお、“タイムアライメント”にはタイプ違いが存在している。詳細な設定が行えるものと、簡易的な設定となってしまうものの2つがあるのだ。

ちなみに、単体プロセッサーやパワーアンプ内蔵DSPに搭載されている“タイムアライメント”は通常、詳細な設定が可能だ。しかし例えば、AV一体型ナビに搭載されている“タイムアライメント”は、簡易的である場合が多い。なぜなら、一般的なAV一体型ナビにはフロントスピーカー用の“クロスオーバー”機能が搭載されていない。ゆえにツイーターとミッドウーファー間の“帯域分割”が行えないので、“タイムアライメント”もツイーターとミッドウーファーのそれぞれに個別には掛けられない。であるのでこのようなタイプでは、ツイーターとミッドウーファーが異なる場所に付いていても、それらを“1つのスピーカー”と見立てるしかなく、ある程度ざっくりとした運用にはなってしまう。とはいえ、無いよりは断然良い。効果は十分に発揮される。ただし、シビアには追い込めない、というわけなのだ。

今回はここまでとさせていただく。次回からは操作方法についての解説を開始する。お楽しみに。

『サウンド調整術』入門! 第5章「タイムアライメント」の調整方法 その1 タイプ違いについて

《太田祥三》

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