【アウディ A6アバント 新型試乗】日本で買える「最も豪華なワゴン」の1台…中村孝仁

いつの間にか車名に付いていた「数字」

典型的な高級ワゴンの要素しか持たない

ツインクラッチをよくぞここまで躾けた

アウディ A6アバント 新型(55TSFI)
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いつの間にか車名に付いていた「数字」

アウディの名前に、いつの間にやら数字が付くようになった。目敏い人なら『A8』がデビューした時からついていることに気付いているかもしれないが、僕はこの『A6』になって気付いた。鈍感力高し!

で、『A6アバント』には「55」と付いている。アウディによれば、現在ホームページを見ると車種によってまだこの数値が付いていないモデルも散見されるが、ほぼすべてのモデルに25から70の数値が当て嵌められていて、これはエンジンの出力におおよそ沿った数値。

55の場合は245~275kw。馬力表示だと324~363hpのエンジンを搭載するクルマにこの数値が当て嵌められているそうだ。そして25から60までは5刻みで、最後の60の次は70となっている。まあ大した意味はないのだろうが、かなり細かく区分けされたことがわかる。そして「55TSFI」は、セダンに搭載されているエンジンと同じで3リットルV6ターボユニットに48Vのマイルドハイブリッド機構を加えたものだ。

典型的な高級ワゴンの要素しか持たない


それにしてもセダンでも書いたが、最近のヨーロッパ車はクルマが大きくなっている。アバントの場合は3サイズが全長4950×全幅1885×全高1465mm、ホイールベース2925mmだ。凄く大きく感じたが、ライバルと言えるメルセデス『Eクラスワゴン』やBMW『5シリーズツーリング』などはほぼほぼ同じサイズ。ボルボの『V90』もほぼ同じだ。日本のクルマで当て嵌めると、トヨタ『アルファード』が近い。若干幅が狭く、高さが当然ながら極端に高い以外はアルファードはこれら俗に言うLサイズのワゴン群と同じ大きさである。

因みにライバル中、6気筒エンジンのみの設定はアウディだけで、他は4気筒の設定があって価格的にもレンジが広いが、アウディは上質なV6エンジンのみの設定のため、価格は結構不利な1000万円級のみとなっている。もっともそれがこのクルマの性格を決定づける要素として、アウディも敢えてそうしているのかもしれない。だから、V6のみならず、駆動系もクワトロのみの設定だ。

というわけでA6アバントは、典型的な高級ワゴンの要素しか持たない。サイズに関してヨーロッパの道路を含むインフラなら(イタリアなどの狭い路地は別だが)、さほどサイズ感を感じさせないのだろうが、東京は中心部でも郊外でもこのサイズは明確にサイズを感じさせる。取りわけ白線で区切られたコインパーキングなどでは、隣のクルマからドアパンチを食らうのではないかとひやひやもの。だから、敢えて遠くても周囲にクルマがいないような場所に停めてしまう。

外から見ても大きさを感じさせるのだが、ライバルの中では最も車高が高く車幅が広い(ボルボのみ例外)。だから低く広く見えて大きさを感じさせるのかとも思った。ただそうした物理的に両側にクルマが迫った狭いところに停めるような時には大きさを感じるのだが、これがいざ走り始めてしまうと何故かスイスイと行ける。これ、4輪操舵のおかげなのだろうか。

ツインクラッチをよくぞここまで躾けた


同様に高速での移動の際も非常にライントレース性の良さを感じるのもきっと4輪操舵のおかげ。このシステム、元々日本が量販を始めたシステムだったが、市場ではいつの間にか消えてしまい、最近になってドイツのメーカーが良く使うようになった。当時と違ってフィーリングが自然で意識することなく使えるようになったのだと思うが、昔だったら発明は外国、それを良くして使うのが日本だったように思うが今は逆だ。

市場的に果たしてこのサイズのワゴンっているの?という疑問符が付かないわけでもない。現にアメリカなどは完全にワゴン市場はSUVに駆逐されてしまった。ただ、今はスタイリッシュなデザインを持つワゴンが多く、その最右翼と言えるのがこのアウディA6。雰囲気的にはシューテイングブレーク的なものを持っていて、富裕層にはそうした使い方でアピールするのかもしれない。

セダン同様、乗っても触っても上質感に溢れ、何より快適で静か。それにスムーズである。一番の驚きはSトロニックと呼ばれるいわゆるツインクラッチのトランスミッションをよくぞここまで躾けたと感じさせるところ。渋滞でもほとんどステップATとの違いを感じさせなかった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来42年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める

《中村 孝仁》

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