函館本線の火災トンネル、修繕工事が完了…発火につながった断熱防水板を不燃化

2015年12月に発生した出火の様子(左)。右は延焼箇所の内部の様子で、架線などの電気設備損傷や断熱防水板の焼失が確認された。
2015年12月に発生した出火の様子(左)。右は延焼箇所の内部の様子で、架線などの電気設備損傷や断熱防水板の焼失が確認された。全 5 枚
JR北海道は9月30日、旭川市内の函館本線伊納(いのう)~近文(ちかぶみ)間にある嵐山トンネル(全長1300m)の覆工修繕工事が完了したことを明らかにした。

同トンネルでは2015年12月27日、伊納方にある入口から約500mの地点で出火事故が発生。「覆工」と呼ばれるトンネルの内壁部分に取り付けられた「断熱防水板」と呼ばれる断熱材付き防水板などが約600mにわたり焼失した。

これにより函館本線は深川~旭川間で運行を見合わせたが、12月29日には応急工事が完了し、徐行により運行を再開した。

その後、2016年1月から原因の究明や対策の検討が行なわれたが、その結果、架線から断熱防水板へ高圧電流が流れ、発火につながったと推定。同年5月から不燃化対策を施した断熱防水板の取付けなどの修繕工事が始まった。

架線が本復旧したその翌月には徐行が解除されていたが、2017年6月には延焼箇所の範囲にモルタル片が一部剥落していたことが判明し、再び運行が見合わされた。

その後、剥落防止工事や覆工コンクリートの補強などが進められ、今年9月10日には覆工修繕工事が完了した。今後はケーブル移設などの関連工事が進められ、全体の工事が完了する。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. マツダの新型SUVが約250万円から!?「バグってる」「買わない理由がない」など驚きの声殺到
  2. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
  3. 【スズキ クロスビー 改良新型】フルモデルチェンジ級進化の原点は「ハスラーとの差別化」だった
  4. レクサス『ES』新型にも「Fスポーツ」設定か...これが市販型デザインだ!
  5. BMWが機能向上、『2シリーズ』新色・『4シリーズ』照明強化・『5シリーズ』利便性アップ…今秋から欧州で
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る