VWの次世代EVコンセプトに「ナイキ」仕様…50年前の創業時の移動販売車を再現

大容量バッテリーで航続550km以上

ナイキとVWタイプ2バスの関係

ホワイト+ブルーのボディカラーなどを忠実に再現

フォルクスワーゲン ID. BUZZ カーゴ のナイキ・ファースト・デリバリー仕様(右)とタイプ2バスの移動販売車(左)
フォルクスワーゲン ID. BUZZ カーゴ のナイキ・ファースト・デリバリー仕様(右)とタイプ2バスの移動販売車(左)全 3 枚

フォルクスワーゲンは10月4日、次世代のEVコンセプトカーの『ID. BUZZ カーゴ』(Volkswagen ID. BUZZ CARGO)の「ナイキ・ファースト・デリバリー」仕様を発表した。

大容量バッテリーで航続550km以上

フォルクスワーゲン ID. BUZZ カーゴ のナイキ・ファースト・デリバリー仕様フォルクスワーゲン ID. BUZZ カーゴ のナイキ・ファースト・デリバリー仕様

ID. BUZZ カーゴは、フォルクスワーゲンが次世代のゼロエミッションMPVを提案した1台、『ID. BUZZ』の商用バージョン。ID. BUZZのデザインは、伝説になっている『タイプ2バス』、愛称「ブリー」(米国の愛称は「マイクロバス」)のDNAを継承しており、2022年に市販車として登場する予定だ。

I.D. BUZZカーゴの車台には、フォルクスワーゲンの新開発電動車向けモジュラープラットフォーム「MEB」を採用した。ボディサイズは、全長5048mm、全幅1976mm、全高1963mm、ホイールベース3300mmとした。

フォルクスワーゲン ID. BUZZ カーゴ のナイキ・ファースト・デリバリー仕様とナイキのスニーカーリサイクルプロジェクト「Reuse-A-Shoe」プログラムのイメージフォルクスワーゲン ID. BUZZ カーゴ のナイキ・ファースト・デリバリー仕様とナイキのスニーカーリサイクルプロジェクト「Reuse-A-Shoe」プログラムのイメージ

EVパワートレーンは、前後に搭載するモーターが、それぞれ最大出力204hpを発生し、最高速160km/h(リミッター作動)の性能を発揮する。バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は48kWhだ。大容量の111kWh仕様の搭載も可能。1回の充電での111kWh仕様の航続は、WLTP計測モードで550km以上の性能を備える。

I.D. BUZZカーゴは、出力150kWの急速チャージャーが利用できる。バッテリーの80%の容量なら、蓄電容量48kWh仕様なら15分、111kWh仕様なら30分で充電が完了する。

ナイキとVWタイプ2バスの関係

ナイキの前身のブルー・リボン・スポーツ社は1964年、フィル・ナイト氏とビル・バウワーマン氏が、米国に共同設立した。ブルー・リボン・スポーツ社は1967年1月、カリフォルニア州サンタモニカに、同社の最初の販売店を開設する。同社のジェフ・ジョンソン氏は、フォルクスワーゲンのタイプ2バスに同社の製品を載せて、地元のトラックミーティングに参加し、靴を販売するようになった。

1971年、ブルー・リボン・スポーツ社は、ナイキに社名を変更した。現在のナイキの基盤を築いたブルー・リボン・スポーツ社が、靴の移動販売車として使用していたのが、フォルクスワーゲンのタイプ2バスだった。

フォルクスワーゲンは今回、EVコンセプトカーのID. BUZZ カーゴをベースに、ワンオフのナイキ・ファースト・デリバリー仕様を開発した。およそ50年前のタイプ2バスの移動販売車を、最新のEV技術で再現している。

ホワイト+ブルーのボディカラーなどを忠実に再現

ホワイト+ブルーのボディカラーは、当時のタイプ2バスの移動販売車と同じデザインだ。ボディサイドには、ブルー・リボン・スポーツ社のロゴと当時の所在地と電話番号、ナイキの当時のロゴマークが添えられている。

ドライバーや歩行者と相互にコミュニケーションが図れるよう、表情のあるLEDの「目」を装備した。スターターボタンを押すと、まずはフォルクスワーゲンのロゴが点灯、その後さまざまなライトが光り、パチリと目を覚ます。この目は、曲がる方向に眼差しを向ける。歩行者や自転車に接近した場合には、この目が歩行者を視線で追って、車両の存在をアピールする。

フォルクスワーゲンは、このID. BUZZ カーゴのナイキ・ファースト・デリバリー仕様で、米国のカリフォルニアを起点に、シカゴ、ニューヨークなど複数の都市を巡る予定だ。

なお、ID. BUZZ カーゴのナイキ・ファースト・デリバリー仕様は、ナイキのスニーカーリサイクルプロジェクト、「Reuse-A-Shoe」プログラムを支援する。このプログラムでは、不要になったスニーカーをリサイクルし、陸上競技場のフィールドや人工芝などの素材に再生している。

《森脇稔》

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