【F1】次代の王者候補フェルスタッペン、1965年型のホンダF1マシン「RA272」を佐藤琢磨とともにドライブ

10月9日、都内で会見した際にフェルスタッペン(前列右)はRA272ドライブの様子を語っていた。
10月9日、都内で会見した際にフェルスタッペン(前列右)はRA272ドライブの様子を語っていた。全 10 枚

鈴鹿サーキットで開催を迎えた2019年F1日本GP。その数日前にレッドブル・ホンダの若きエース、マックス・フェルスタッペンはホンダF1“第1期”のマシンである1965年型「RA272」を佐藤琢磨とともにドライブしていた。

栃木にあるホンダの“プルービンググラウンド”に用意されたのは新旧2台のF1マシン。1台は現代の、といっても日進月歩のF1マシンとしては既に旧型の部類ともいえる2011年型レッドブルRB7とされる。2.4リットルV8エンジン時代のマシンだ(*レッドブルがホンダ=第4期活動中=と組んだのは今季2019年から)。

そしてもう1台が、ホンダの第1期挑戦車、参戦2年目の1965年型マシン「RA272」である。車体もエンジンも名はホンダ、いわば“ホンダ・ホンダ”のマシンで、搭載エンジンは1.5リットルV12。RA272はホンダがF1初優勝を成し遂げたマシンで、それにホンダF1の最新ウイニングドライバーであるマックス・フェルスタッペンが搭乗。次世代のチャンピオン候補である22歳と、半世紀以上も前のマシンとの超時空コラボである。

(*今回走行したRA272のカーナンバー「12」とドライバーネームはロニー・バックナム選手のもの。65年メキシコGPでホンダがF1初優勝した際の車番は「11」で、ドライバーはリッチー・ギンサー選手だった。同GPは同年最終戦、バックナム選手が「12」で5位に入っている。なお、当時の車番はレース毎に異なる)

「これまでに僕がドライブしたマシンは、古くても2008年くらいまでのものだった」というフェルスタッペン、Hパターンのシフト操作にも慣れていない彼の指南役は佐藤琢磨である。2017年のインディ500ウイナーである琢磨はフェルスタッペンにとってホンダの大先輩だが、もちろんRA272の時代は琢磨にとっても生まれる前の“大過去”。ただ、彼はこれまでにもイベント等でクラシックF1マシンのドライブを担当してきている。

ホンダF1エンジン(パワーユニット)の通算勝利数は、2019年日本GP前の時点で74。その1勝目を実現した型のマシン&エンジンと、73、74勝目を今季マークした若きドライバーの邂逅。それを日本人初のインディ500優勝を成し遂げた現役レジェンドがサポートし、ニア現代F1マシンとのランデブー走行も実施された。フェルスタッペンにとっては鈴鹿臨戦前の“いい仕事”になったようである。

ちなみにマックスの父ヨス・フェルスタッペンも1990年代~2000年代前半に活躍したF1レーサーだが、彼はホンダがオールホンダ(ホンダ・ホンダ)での第3期F1活動開始を目指した時期に、テスト車のドライバーを務めた人物(*テスト車はダラーラ社と共作したかたちの「RA099」、無限の3リットルV10を搭載したとされる。なお、このときのホンダはエンジン供給者として第3期実戦参戦を2000年から開始した)。ヨスはF1実戦でのホンダとの縁こそなかったが、フェルスタッペン家とホンダには浅からぬ縁があるのかもしれない。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』が日本導入…6月の新型車ランキング
  2. トランプ関税に「ジタバタしない」姿勢のトヨタも、米国市場で7月1日から値上げ[新聞ウォッチ]
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型試乗】「カッコよさ」盛り込んだ軽ハイトワゴンの逆襲…中村孝仁
  4. クーペSUVに進化! アルファロメオ『ステルヴィオ』次期型を完全プレビュー
  5. アルファロメオの新型SUV『ジュニア』日本発売に、「420万円はリーズナブル」「マジで美しい」など反響続々
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る