【トヨタ ヤリス 新型】チーフエンジニア「すべての人に走る楽しさを提供したい」

トヨタ・ヤリス新型
トヨタ・ヤリス新型全 9 枚

トヨタ自動車は10月16日、次期型『ヤリス』を世界初公開した。新開発のプラットフォームを採用するとともにパワーユニットも一新。チーフエンジニアを務める末沢泰謙氏は「すべての人に走る楽しさを提供したい」と語る。

末沢チーフエンジニアは「他のコンパクトカーが大きくなる傾向にある中、ヤリスはあえて小さいことにこだわった。その上でコンパクトならではのキビキビとした軽快なハンドリング。そしてコンパクトを超える上質な乗り心地。小さくて軽くて走りが気持ち良い、ぎゅっと凝縮されているクルマ。それがこのヤリス。その実現のためにも欧州での走り込みと開発へのフィールドを繰り返し実施してきた」と明かす。

次期型ヤリスのパワーユニットは3タイプが用意される。まずは新開発の1.5リットル3気筒ダイナミックフォースエンジンを搭載したガソリンモデル。このモデルには新型CVTおよび6速マニュアルが設定されている。ハイブリッドモデルは、新開発の1.5リットルエンジンに新世代ハイブリッドシステムが組み合わされる。また1リットルガソリンエンジンは改良が加えられ、CVTも小型軽量化している。

このうちハイブリッドモデルについて末沢チーフエンジニアは「システム出力の向上、モーター出力の向上、さらにはバッテリー出力の向上、これらにより動力性能を15%以上向上させたうえ、リニアな加速性能を実現している。車両の軽量化と相まって市街地から高速道路、ワインディングまで気持ち良く走ることができる」と解説。

さらに「新世代ハイブリッドシステムの採用と量販グレードでの50kgの軽量化により、トヨタのハイブリッド車、さらには世界のハイブリッド車の中で、最上レベルとなるWLTC燃費20%以上向上を目標に開発を進めている」とも。

またこのハイブリッドモデルには「コンパクトカーとして初めてハイブリッド車に4WDが追加される」ほか「EV走行可能車速を70km/hから130km/hへ拡大している」という。

安全装備も充実しているのが次期型ヤリスのもうひとつの特徴だ。末沢チーフエンジニアは「クルマサイズにおけるヒエラルキーにとらわれず誰もが乗るコンパクトカーだからこそ」と、その理由を語る。

具体的には「高度駐車支援システム『アドバンスドパーク』をトヨタで初めてヤリスに搭載した。ステアリングだけでなくアクセルとブレーキも制御し、駐車に必要な操作を支援する。さらには事前に駐車位置を登録することで自宅など白線のない駐車場でも使用できる」と解説。

このほか「プリクラッシュセーフティではトヨタ初搭載となる右折時の対向直進車や右左折時の横断歩行者も検知する機能もヤリスから初めて採用した。交差点事故への対応範囲を拡大している」という。

ヤリスは日本市場では1999年の登場以来、『ヴィッツ』の名称で販売してきたが、今回の全面改良を機に海外名称に統一する。日本での販売開始は2020年2月中旬の予定となっている。

《小松哲也》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ニックネームは“赤いコスモ”、50年前に登場した2代目ロータリースポーツ【懐かしのカーカタログ】
  2. 【レンジローバー ヴェラール 新型試乗】ああ、紛うことなくレンジローバーだ…島崎七生人
  3. 狭い道! 制限1.3m、通れる車がなくなった都市計画?…東京都世田谷区
  4. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ…注目ニュースベスト5 2025年上期
  5. 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに日本上陸!…新型車ベスト5 2025年上期
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る