シリコンバレー生まれのセキュリティロボット「Nimbo」 全日警が日本国内で展開

全日警がセキュリティロボットとして受注を手掛ける「Nimbo」
全日警がセキュリティロボットとして受注を手掛ける「Nimbo」全 17 枚

オフィスや商業などの施設警備を主要業務とする全日警は、10月16日、米国Turing Video社が開発した今までにない新しい警備ロボット「Nimbo」の販売に向けて業務提携したことを発表した。同社はこのロボットを使い、社会問題化している人手不足の解決につなげる考えだ。

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コンパクト化により中小規模施設での運用も可能

「Nimbo」はシリコンバレーで技術を積み上げてきたテクノロジーベンチャー企業「Turing Video社」が開発した自律走行が可能なロボットで、巡回エリアにおけるマップ作成なども含め、スマートフォンでの簡単操作が可能という特徴を持つ。車体は国内最小クラスのコンパクトなサイズで、大規模施設だけでなく中小規模施設でも利用できる“実用的”なセキュリティロボットとしている。

全日警の常務取締役営業本部長の佐藤修一氏は「来年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて人手不足はかなり深刻化している。それだけに警備ロボットに対する関心は高いが、導入コストが高いことや運用の複雑さ故に普及はなかなか進まないとのうのが現状だった。数多くのロボットが世の中に存在する中で出会ったNimboは、そのこの両方を解決する画期的なロボットと判断した」と述べた。

続いてTuring Video社でバイスプレジデントを勤めるダニエル・フー氏は、この「Nimbo」に乗って登場。このNimboは自律走行もできるが、セグウェイのように人を乗せて走行することもできるのだ。登壇したフー氏はNimboについて「(1)自動でパトロールができるよう設定できること、(2)AIを使用してセキュリティのインシデント状況を検知させることができること、(3)センサーを搭載することで機能を拡張できること」の3つの大きな特徴を備えていると述べた。

車体はセグウェイをベースとした走行システムとしたことに加え、LiDAR技術による自動運転も可能なナビゲーションシステムを搭載。さらにAIによる映像解析技術も搭載し、無接点充電システムを採用することで、人を一切介在しなくても連続して運用できるようにしている。「Nimbo」の正式発売は2017年3月で、それ以降、パートナー企業だけでなく幅広いユーザーから注目される存在となり、すでにアメリカや中国などで約60台が稼働中だという。

また、「Nimbo」はアップデートによって日々進化もする。すでに発売されて2年が経ったわけだが、その間に大きく二つの機能が追加されている。遠隔地からコントロールできる認証機能を搭載したダッシュボード、位置情報を把握して警備員を支援するための機能を追加。これによってセキュリティロボットとしてより高い完成度に仕上がったというわけだ。

セキュリティロボット導入のハードルを下げる4つのメリット

「Nimbo」をセキュリティロボットとして全日警が提供するに当たり、同社は以下の4つのメリットをアピールした。1つめは“コスト”で、これまで一般的な5年リースを2年にすることで導入コストを従来比で約7割削減した。2つめは“技術”で、スマートフォンでの簡単操作でマップ作成やレイアウト変更対応が可能とした。3つめは“サイズ”で、コンパクトなサイズ感のため、大規模施設だけでなく通路が2~3mしかない中小規模の商業施設や企業にも導入可能。4つめは“モビリティ機能”で、ワンボタンで人が乗車できるモビリティとして使え、広い施設内での循環監視やイベント時にも乗り物として使えるということだ。

「Nimbo」はディスプレイとカメラ、マイクを備え、遠隔操作で管理センターとのコミュニケーションも図ることが可能。上部には周辺を監視するLiDARを備え、カメラでの映像処理と合わせて自律での自動走行を実現している。速度は自動走行時で最大4.8km/h、乗車時の速度で最大18km/hとなり、動作時間は約7.5時間。バッテリー残量がなくなれば自動的にチャージングスポットに戻る機能を搭載。これによって人の介在なしでの警備が可能となるわけだ。フル充電までの時間は約5時間としている。セグウェイ同様、公道での走行はできない。

なお、「Turing Video社」の日本の窓口となるのは、主として化学品、合成樹脂、医薬品などを手掛けてきた商社「CBC」で、全日警の要望を吸い上げ、そのアップデートを依頼する役割も果たす。2020年には操作系を日本語化し、2021年には屋外も走れる仕様へと機能アップさせ、21年度には1000台の販売を見込んでいるという。

《会田肇》

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