未来素材『SUSYM』を使ったブリヂストンのコンセプトタイヤ...東京モーターショー2019

ブリヂストン(東京モーターショー2019)
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ブリヂストンは2019年10月24日、東京モーターショー2019の自社ブース内にてプレスカンファレンスを開催した。まず株式会社ブリヂストン 執行役員 先端技術担当・田村康之氏が登壇し、ブリヂストンの歴史が語られた。

「弊社は1931年に石橋正二郎によって創業され、その前身は足袋の専門会社だった」

「石橋正二郎が足袋とゴムを組み合わせて、地下足袋を開発した。当時誰も想像していなかった、足袋とゴムというまったく異業種で扱われていたふたつを組み合わせるという工夫によって、当時の労働者の足元文化が大きく変わったと言われている。まさにイノベーションだ」

「この時にゴムを使ったことがきっかけとなり、タイヤ産業に進出。その後のブリヂストンの発展は周知のとおりだ。つまりイノベーションというのはブリヂストンのDNAと言える」

続いてタイヤ産業を支えるための革新的な素材についても語られた。

「現在のタイヤは、もはや単純なゴムの技術だけでは説明できず、この黒くて丸い物体には多くの技術が詰まっている。まさに技術の塊であるといっても過言ではない。もしブリヂストンのコアコンピタンスはと聞かれたら、ゴム技術ではなく、高分子複合体技術と答える。自動車産業は100年に1度の大変革期を迎えつつあると言われているが、従来技術にとどまることなく、新しい技術の革新がつねに必要だ。技術の革新があってこそ、社会に貢献し、社会全体を支えることができると考えている」

「ブリヂストンは、革新的な素材を手に入れた。それが『SUSYM(サシム)』だ。このSUSYMはこれまでの素材の性能をはるかに超え、非常にユニークな特性がある。現時点では可能性が未知の状態だが、どんな分野で、どんな活用ができるのか、今後ブリヂストンはそれを皆様と一緒に考え、皆様とともに新しい価値を創造していきたい」

続いて、SUSYMの性質や特性について、先端技術担当 フェロー・会田昭二郎氏が実際の製品を持ちながら解説した。

「このSUSYMは、ただのゴムシートのように見えるが違う。一般的に強い素材であると言われている天然ゴムと比べても5倍の亀裂性、2.5倍の耐摩耗性、引張り強度としては1.5倍以上と驚異的な強さがある。これはゴムと樹脂を分子レベルで結合することに成功したからだ。この技術はブリヂストンしか持っていない。我々は高強度ということに非常に興味があり、これを活用していきたいと考えている」

「SUSYMのすごさはこれだけではない。フィルムのようなもの、樹脂のシートのようなもの、粉末のようなもの、これらすべてがSUSYMで、ゴムと樹脂結合させる割合は任意で変更が可能だ。つまり形態も自由自在。物性、性能も自由自在に操れる」

またムービーでの性能説明に加え、試作されたタイヤも披露された。

「今日はふたつほど特徴的な性能をお見せする。まず突き刺し性能については、ゴムに釘が刺さったとき、簡単に穴が空くというのは、想像して貰えると思うが、SUSYMの場合突き刺しても穴が空かない。ゴムのしなやかで伸びる性質と、樹脂の強さが均等に備わっている性質が混ざっているため、力を逃がして穴が空かない」

「また再生・修復性についても、ゴムは一度壊れてしまうとなかなか簡単に直らない。たとえば輪ゴムが切れてしまうと直すのは難しい。SUSYMの場合は、シートに穴を開けても少し熱を加えると穴が塞がる。その後、思いっきり引っ張ってもこの傷の部分は2度と破れることはない。もとの弾性体、ゴムに戻っている。つまり再生が可能ということです」

この特性は一般的にリサイクルしづらいと言われているゴムが、リサイクルできるという証でもあるとのことだ。

「SUSYMの機能を余すとこなく存分に表現した『サシムコンセプトタイヤ』を試作した。柔らかくあるべき所には柔らかいSUSYM、硬くなければならない、真ん中のホイールのような部分には硬いSUSYMを使っている。これらはシームレスに繋がっていて、この編み方に関してもこだわった。『美しさ』、『機能』、『しなやかさ』のすべてを表現したいという思いから、日本の伝統工芸である竹細工をモチーフにした。このタイヤを作り上げるためには、先端技術である3Dプリンターを活用している」

ブリヂストンではSUSYMの適用、製品化について、他業種とのコラボレーションなども積極的に進めていきたいとした。

《関口敬文》

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