部品メーカー、マーレの『デュアルストラテジー』…東京モーターショー2019

取締役副社長・坂野慎哉氏が登壇した。
取締役副社長・坂野慎哉氏が登壇した。全 8 枚

2019年10月24日、マーレジャパン株式会社は、自社ブースにてプレスカンファレンスを行った。壇上には取締役副社長・坂野慎哉氏が立ち、マーレグループの現状や事業内容、これからの展開や取り組みなどについて語った。

まずマーレグループの規模について「マーレは来年創立100周年を迎えるグローバルカンパニーだ。現在グローバルの売り上げは1兆5000億円。従業員は7万9000人を擁し、生産拠点は30か国以上、160か所に達している。日本の事業は約50年前に始め、単独では年商830億円、従業員数は2200人、製品開発者は400人に達している。日本のお客様取引の海外ビジネス連結では2300億円に達し、日本はマーレの最重要拠点でありアジアのセンター機能を有している」と説明。

事業については、「マーレグループは、デュアルストラテジーの考えのもと、従来の内燃機関用自動車部品システムのビジネスに加え、モビリティに向けての事業領域も拡大している。従来の内燃機関用部品のさらなるリファインはもちろん、電動化用部品とスタートアップ支援による新分野への取り組み。そして、従来製品にも、電動化それたこれからの製品にも必要な、熱マネージメントをターゲットにしている」という。

「環境対応では省燃費、高効率、クリーン排出、これらが重要である。マーレは創業以来の製品であるピストンを、常に進化させてきた。エンジン性能を左右するピストンは、この10年で大きく進化した。例えばディーゼルエンジンの乗用車用ピストンの場合、アルミや新素材であるスティールを採用し、10~15%の重量低減、2~5%のCO2低減、コンプレッションハイト30%低減を実現している。日本において、商用車メーカー様向けのシェアは、80%を超えている。そして乗用車メーカー様についても高いシェアを頂いている」

「1982年に世界で初めて量産化に成功した樹脂製ヘッドカバーについては、日本のマーケットシェアは70%だ。これらのピストンやヘッドカバーは日本で開発設計され、全世界のマーレ工場で量産化し、お客様に日本と同等の品質の製品をお届けしている」

新しい事業の取り組みについても紹介された。

「車の電動化にとって重要なバッテリーの性能を上げるために、大変重要な冷却装置。マーレは冷却パネルを含めたバッテリーケースの開発量産化を目指している。ここでいかされるのが、マーレの熱マネージメントに関する技術とノウハウ。そして樹脂成形技術だ。また連動して駆動するモーターについては、既に製品化を終えている。東南アジアやインドではそれぞれ年間1000万台以上の2輪市場になっている。今後はこの分野の電動化が環境対応で急務であり、マーレはその準備も進めている」

「従来の内燃機関のさらなる性能向上と、電動化への対応の両面。マーレは冒頭でお話したデュアルストラテジーを通じて、お客様の期待を実現していく。マーレはドイツベースのグローバルサプライヤーだが、日本に根付き日本のお客様との仕事を最重要で取り組み、今後もお客様と一緒に成長を実現していきたいと考えている」

会見は、力強い言葉で締めくくられた。

《関口敬文》

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