フェラーリ 488GT3レーサー、2020年モデルは「エボ」

空力性能を向上させた新デザイン

488 GTBに対してホイールベースを延長

V8ツインターボに新エンジンマネジメント

フェラーリ488GT3エボ2020
フェラーリ488GT3エボ2020全 10 枚
フェラーリは10月27日、イタリアのムジェロ・サーキットで開催した「2019 Finali Mondiali」において、「488GT3エボ2020」(Ferrari 488 GT3 Evo 2020)を発表した。

同車は、フェラーリ『488GTB』をベースにしたレーシングカー、「488GT3」の最新バージョンだ。2020年シーズンの国際GTチャンピオンシップに向けて開発されており、進化モデルであることを示す「エボ」の名前が冠されている。

フェラーリ488GT3エボ2020では、エアロダイナミクス、ビークルダイナミクス、人間工学、安全性、信頼性に重点を置いて開発された。すべてがFIA(国際自動車連盟)の最新レギュレーションに適合しており、厳しいパワーとエアロダイナミクスに関するレギュレーションを満たしている。

◆空力性能を向上させた新デザイン


488GT3エボ2020では、フェラーリのエンジニアはエアロダイナミクス性能を向上させ、車両の走行安定性を高めるために、新しいフロントエンドデザインを採用した。1万8000時間以上に及ぶ計算とCFDシミュレーション、その後の風洞試験により、ヘッドライトの下に小さなセクションを備えた新しいフロントバンパーを設計した。

また、フロントバンパーにはフリックが追加された。これにより、さらに多くのダウンフォースを生み出す。リップスポイラーのベーンを回すことにより、空力バランスを変更せずに、車両の安定性をより高めることができたという。

この他、フロントフェンダー上部の通気口は、従来モデルよりも大型化した。ドアの前部には、空気がより効率的に横方向に流れるようにテーパーが付けられた。リアフェンダーの通気口も新設計されている。

◆488 GTBに対してホイールベースを延長


488GT3エボ2020では、ビークルダイナミクスも引き上げられている。『488GTE』同様、ベース車両の『488 GTB』に対して、ホイールベースを延長した。タイヤの摩耗を減らし、タイヤ交換の際の作業性も高めた。また、エンジニアは軽量化に注力した。その結果、重心が低められている。さらに、トラクションコントロールやABSを含むすべての車両のダイナミクスコントロールが最適化された。

488GT3エボ2020のコックピットには、新しいFIAの安全基準を満たす新開発シートを装備した。サベルトと共同開発されたこのシートは、剛性が高いだけでなく、新デザインのベルトとバックルによって、2.4 kg軽量化されている。



◆V8ツインターボに新エンジンマネジメント

ミッドシップに搭載されるV8ツインターボエンジンに関しては、パフォーマンスのアップグレードや、コンポーネントの変更は行われていない。 ただし、信頼性を向上させ、よりスムーズで正確なトルク伝達を可能にする新しいエンジンマネジメントシステムが採用されている。

「24H / Enduranceパッケージ」を設定した。追加のヘッドライト付きフロントバンパー、エンジンオイルとクーラント用のクイックフィルカップリング、カーボンファイバー製クラッチ、488 GTEと同じブレーキキャリパー、スチールホイールナットがセットされる。オプションとして、クーラントレベルと給油完了を示すセンサー、ルマンタイプの4500ルーメンLEDメインヘッドライトが選択できる。

なお、488GT3エボ2020に導入された新しいコンポーネントや改良は、既存の車のアップグレードキットとしても利用できる、としている。

《森脇稔》

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