CASEとMaaSをアジア大で、日本発のサービスを海外に…経済産業省 製造産業局 自動車課 大臣官房参事官 吉村直泰氏[インタビュー]

経済産業省 製造産業局 自動車課 大臣官房参事官(自動車・産業競争力担当)吉村直泰氏
経済産業省 製造産業局 自動車課 大臣官房参事官(自動車・産業競争力担当)吉村直泰氏全 1 枚

MaaSを輸出する意義や日本の課題について、経済産業省 製造産業局 自動車課 大臣官房参事官(自動車・産業競争力担当)の吉村直泰氏に聞いた。

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アジア大で考える必要性

---:日本企業が海外に展開する意義は?

吉村氏:デジタル革命(デジタルトランスフォーメーション)が起きています。規制が多く、成熟した日本では、デジタル革命の速度が遅く、アジア大でスケールさせる必要があります。

自動車メーカーやキャリアなどの大手企業はデジタル革命の動きを察知して、アジア大で考えているので、ライドシェアなど海外で生まれた新しいモビリティサービスに対してスピーディに出資はしています。しかし日本らしいサービスの提供ができていません。

日本でせっかくMaaSに取組むのであれば、アジア大で考えていく方がよいでしょうし、日本企業の生きる道ではないかと考えています。

公共インフラ中心だった輸出

---:自動車メーカーなどは海外進出していますが、交通系のサービスが広がらない理由は?

吉村氏:政策論から振り返ると、エネルギーなど公共インフラが中心に広がりました。そこにようやくEVやEV充電インフラの敷設などの実証が加わった状況です。これまで海外輸出する日本製のモノが自動車かエネルギーインフラ以外なかったのが実情なのではないでしょうか。その上のサービスはこれからです。

これから国内の商社がオンデマンドサービスなどの交通系サービスの実績を積めば、日本初のサービスの海外輸出ができるようになるのではないでしょうか。商社はこれまで都市分野の部署が中心となってインフラ輸出を手掛けてきた実績があるので、社内のサービスの部署との連携が進めば、都市インフラ輸出をベースにサービス輸出も進むのではないかと考えています。

---:日本初のMaaSやモビリティサービスは、国内を向いていますが、少しずつ海外へも展開がはじまるかもしれないですね。

アプリ自体に価値はない

---:海外展開する際に適している企業は?

吉村氏;交通系のサービスの事業を実際に営んでいる企業でなければ、ノウハウが溜まらないので、海外展開も難しいと思います。スマートフォンのアプリ自体に価値はなく、デジタルの技術を活用して地域課題を解決していく必要があります。実際に交通系のサービスを営み、MaaSのサービスを国内で実装させ、海外展開まで視野に入れている日本企業は非常に少ないのが実情です。

日本発のサービスを

吉村氏:日本はサービス後進国になってしまっているのでないかという危機感があります。QRの決済サービスが日本で普及してきていますが、日本の資本が入っているものの外国のテクノロジーを使っていて、日本初のサービスではないのが実情です。

日本企業が現時点でできていることは、海外発のモビリティサービス企業を買うことです。また日本のマーケットを海外企業からの脅威から守ることです。これから攻めの姿勢も必要ではないでしょうか。

長期的な視点も

---:日本の良さが活かせるところは?

吉村氏;アジアの中間層に日本の活路を見出すのは難しそうです。しかし、インドなど平均年齢が30~40歳の都市では、バイクなどで縦横無尽に動き回っていても平気ですが、高齢化してくると安全志向が高まるため、定時制や安全性に強い日本のサービスが受け入れられるようになってくるのではないかと予測されます。またアジアではシンガポール水準のエリアは少ないので、富裕層が住むエリアなどにも可能性があるでしょう。このように長期的な視野に見ていく必要があります。

MaaSの本命は物流か

---:注目している新しい動きはありますか?

吉村氏:物流の動きがおもしろいのではないかと着目しています。MaaSの本命は物流かもしれません。

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《楠田悦子》

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