フォードのEV、『マスタング・マッハE』、加速はポルシェ上回る…ロサンゼルスモーターショー2019

高性能版のモーターは最大出力459hp

航続は最大483km

およそ38分でバッテリー容量の80%を充電可能

フォード・マスタング・マッハE(ロサンゼルスモーターショー2019)。向かって左はビル・フォード会長、ゲストは俳優のイドリス・エルバ。
フォード・マスタング・マッハE(ロサンゼルスモーターショー2019)。向かって左はビル・フォード会長、ゲストは俳優のイドリス・エルバ。全 24 枚

フォードモーター(Ford Motor)は11月18日、米国で開催したロサンゼルスモーターショー2019のプレビューイベントにおいて、フォード『マスタング』シリーズの新型EV、フォード『マスタング・マッハE』(Mustang Mach-E)を初公開した。2020年遅くに市場投入される予定。

マッハEとは、1970年代の2代目フォード・マスタングに用意されていた高性能モデル、「マッハ1」を連想させるネーミングだ。フォードモーターは2022年までに、電動化に110億ドル以上を投資する計画だ。この投資によって、フォードモーターは電動車両のラインナップを拡大する予定。2022年までに、全世界の電動車ラインナップを40車種に増やし、そのうちの16車種をEVにする計画を掲げている。

この16車種のEVのひとつが、11月18日に初公開されたマスタング・マッハEだ。マスタングはフォードを代表する伝統のスポーティカーであり、マスタングマッハEはパフォーマンス志向の電動SUVになる。

高性能版のモーターは最大出力459hp

マスタング・マッハEには、永久磁石モーターを搭載する。最大出力は332hp、最大トルクは57.6kgmを引き出す。駆動方式は、後輪駆動または4WDを用意する。フォードモーターによると、4WDの場合、0~96km/h加速はポルシェ『マカン』のベースモデルよりも速いという。フォード・マスタング・マッハEフォード・マスタング・マッハE

マスタング・マッハEには、モーターの性能を最大出力459hp、最大トルク84.6kgm に引き上げた2つのパフォーマンスバージョンを設定する。「GT」は0~96km/h加速を4秒以下で駆け抜ける。フォードモーターによると、この加速性能は、ポルシェ『マカンターボ』よりも速いという。

「GTパフォーマンスエディション」は、ポルシェ『911 GTS』に匹敵する性能を目標に掲げる。0~96km/h加速は3.5秒以下を目指している。こちらは2021年春に市場に登場する予定だ。

航続は最大483km

4WDシステムは、前後の車軸に独立してトルクを分配し、後輪駆動モデルよりも優れた加速とハンドリング性能を追求する。フォードモーターは4WDシステムをチューニングして、トラクション性能や雪などの滑りやすい路面でのコントロール性能を高めた。マスタング・マッハEは、米国ノースカロライナ州にある同社のレーシングシミュレーターにおいて、フォードパフォーマンスチームがチューニングした最初の生産車両になるという。

マスタング・マッハE には、2種類のリチウムイオンバッテリーを用意する。288個のリチウムイオンセル仕様が蓄電容量75.7kWh、9376個のリチウムイオンセル仕様が蓄電容量98.8kWhだ。後輪駆動モデルの場合、1回の充電での航続は、最大483kmを目標に掲げる。バッテリーは、車両の床下に配置され、マイナス40度という低温でテストされた。この水冷式バッテリーは、衝撃吸収構造の防水バッテリーケース内に搭載される。フォード・マスタング・マッハEフォード・マスタング・マッハE

およそ38分でバッテリー容量の80%を充電可能

充電は、車載の「フォードモバイルチャージャー」の240Vコンセントを使えば、1時間あたり35km走行分の容量を充電できる。「フォードコネクテッドチャージングステーション」利用すれば、240Vコンセントで1時間あたりおよそ51km走行分の容量を充電することが可能だ。

直流(DC)急速チャージャーも利用できる。出力150 kWの場合、およそ10分間でおよそ75km走行分のバッテリー容量を充電できる。また、DC急速充電ステーションでは、およそ38分でバッテリー容量の80%を充電することが可能だ。

また、コネクテッドナビゲーションシステムは、ドライブ中に公共充電ステーションを車載モニターに表示し、ドライバーに最も便利なポイントで充電するように促す、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る