ポルシェのEV『タイカン』、761馬力の「ターボS」出展へ…ロサンゼルスモーターショー2019

0~100km/h加速2.8秒

航続は最大450km

新世代EVスポーツのデザイン

インフォテインメントディスプレイは10.9インチ

ポルシェ・タイカン・ターボSと タイカン・ターボ
ポルシェ・タイカン・ターボSと タイカン・ターボ全 12 枚

ポルシェは、11月20日(日本時間11月21日未明)に米国で開幕するロサンゼルスモーターショー2019に、初の量産EVスポーツカー、『タイカン』(Porsche Taycan)の「ターボS」と「ターボ」を出展すると発表した。

0~100km/h加速2.8秒

タイカンは4ドア、4セパレートシートを備えた新世代のEVスポーツカーだ。タイカンには発売当初、「ターボS」と「ターボ」の2グレードが設定される。タイカンはEVだが、『911』シリーズなどと同様のグレード呼称が導入された。タイカンは、非常に効率的な電気モーターを、フロントアクスルとリアアクスルに1基ずつ搭載し、4輪を駆動する。電気モーター、トランスミッション、パルス制御インバーターは、コンパクトなドライブモジュールに一体設計された。

リアアクスルに搭載される2速トランスミッションは、ポルシェが新開発した。1速は静止状態からの発進時に、鋭い加速を可能にする。ロングレシオの2速は、高い効率と同時に、高いエネルギー残量を追求する。2速は、高速走行時にも適用される。

ターボSは、ローンチコントロールとの組み合わせで、最大761psのオーバーブースト出力を発生する。これにより、0~100km/h加速2.8秒、最高速260m/hの性能を発揮する。ターボの最大出力は680psだ。0~100km/h加速は3.2秒、最高速は260m/hとなる。ポルシェ・タイカン・ターボSポルシェ・タイカン・ターボS

航続は最大450km

タイカンの電圧は、通常のEVの400Vではなく、800Vのシステム電圧を備えた初の市販車となる。これにより、高出力充電ネットワークの直流(DC)を使って、およそ5分で最大100kmの航続に必要な電力を充電できる。パフォーマンスバッテリー+リチウムイオンバッテリーの蓄電容量は、最大93kWh。バッテリー容量を80%まで充電するのに必要な時間は、出力270kWの急速チャージャーで22分30秒だ。自宅などでは、最大11kWの交流(AC)で充電できる。1回の充電での航続は、ターボSが最大412km、ターボが450km(WLTPに準拠)となる。

ドライビングモードは、「レンジ」、「ノーマル」、「スポーツ」、「スポーツプラス」の4種類だ。加えて、「インディビジュアル」モードでは、個々のシステムを必要に応じて設定できる。

ポルシェ4D シャシーコントロールは、全てのシャシーシステムをリアルタイムで分析し、同期させる。シャシーシステムには、「PASM」(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメントシステム)電子制御ダンパーコントロールを含む3チャンバーテクノロジーを採用したアダプティブエアサスペンション、「PTV Plus」(ポルシェ・トルク・ベクトリング・プラス)を含む「PDCC Sport」(ポルシェ・ダイナミック・シャシー・コントロール・スポーツ)、電気機械式ロール抑制システムが含まれる。また、日常走行でのブレーキ操作のおよそ90%が、油圧式ホイールブレーキを作動させることなく、電気モーターのみによって行われる。

新世代EVスポーツのデザイン

タイカンのデザインは、新しい時代の始まりを告げると同時に、紛れもないポルシェのデザインDNAを維持しているという。フロントは、曲線の強いフェンダーによって、ワイドかつフラットに見えるデザインとした。シルエットは、後方に向かって下向きに傾斜するスポーティなルーフラインによって形作られ、彫りの深いサイドセクションも特長になる。

流線形のキャビン、テーパーの付いたリアCピラー、フェンダーの目立つショルダーは、ブランド特有のシャープに強調されたリアスタイルを表現する。リアのライトバーに組み込まれたガラス調のポルシェロゴなど、新しい要素も取り入れた。前面空気抵抗係数のCd値0.22というエアロダイナミクス性能が、低いエネルギー消費を可能にし、長い航続に貢献する。ポルシェ・タイカン・ターボSポルシェ・タイカン・ターボS

インフォテインメントディスプレイは10.9インチ

インテリアは、独立した湾曲メータパネルを採用し、ドライバーが中心であることを重視した。中央の10.9インチのインフォテインメントディスプレイとオプションの助手席ディスプレイの組み合わせは、ブラックパネルルックの一体化されたガラス画面を形成する。

全てのユーザーインターフェースは、タイカン用に新開発され、従来の制御用スイッチやボタンなどは大幅に削減された。さらに、タッチ操作や「ハイ、ポルシェ」の呼びかけに応答するボイスコントロール機能を導入し、インテリジェントで直感的なコントロールを可能にする。

タイカンには、レザーフリーのインテリアを用意した。リサイクル素材で作られたインテリアは、電動スポーツカーの持続可能なコンセプトを示しているという。「フットガレージ」は後席足元のバッテリーのくぼみで、スポーツカー特有の低い車高でも、後席の快適な座り心地を追求する。2つのラゲッジコンパートメントがあり、フロントは81リットル、リアは366リットルの容量を備えている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ワゴンは“古くて新しい”…今、面白い車とは?
  2. ゴミ回収箱に人が入ることは予見不能
  3. 「戻せばOK」は通用しない! 現代チューニングの合法ルールとは~カスタムHOW TO~
  4. ホンダ『モンキー』イベントに過去最高の550台超が集結!「自腹」でも続ける「二輪文化継承」への思い
  5. ハーレーダビッドソン、横浜で交通安全パレード開催へ 先頭ライダーは魔裟斗
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. AI導入の現状と未来、開発にどう活かすか? エンジニアの声は?…TE Connectivityの独自リポートから見えてきたもの
  2. EVシフトの大減速、COP消滅の危機…2024年を振り返りこの先を考える 【池田直渡の着眼大局】
  3. 住友ゴム、タイヤ製造に水素活用…年間1000トンのCO2削減へ
  4. “走る巨大バッテリー”の実力! BEV+家電は悪天候でも快適に遊べる組み合わせだった
  5. 【学生向け】人とくるまのテクノロジー展 2025 学生向けブース訪問ツアーを開催…トヨタ、ホンダ、矢崎総業、マーレのブースを訪問
ランキングをもっと見る