【トヨタ カローラスポーツ 新型試乗】発売から1年でサスを改良、比較すれば誰でもわかる違い…片岡英明

発売から1年でサスペンションを改良

誰でも分かるほど差が大きい

クラスを超えた実力の新カローラシリーズ

トヨタ カローラスポーツ 改良新型
トヨタ カローラスポーツ 改良新型全 12 枚

発売から1年でサスペンションを改良

5ドアハッチバックのトヨタ『カローラスポーツ』は2018年秋にデビューした。新世代プラットフォームのTNGAを採用し、サスペンションもストラットとダブルウイッシュボーンだ。全幅を1790mmまで広げたことと相まって、予想を大きく上回るダイナミックな走りを実現している。ハンドリングは軽快で、ネーミングのようにスポーティな走りを見せつけた。

最近のトヨタはコストアップを嫌うから、発売から1年ほどで商品改良を行うことはない。が、カローラスポーツは、セダンとツーリングの追加を機にサスペンションに手を入れた。目線のブレのないフラットな乗り心地を実現するためにKYB製のショックアブソーバーとスプリングに改良のメスを入れたのである。

とくにハイブリッド車とターボ車にはバネ上制振制御も採用した。これにより頭の前後方向の揺れなどの動きを抑え、コーナリング中の姿勢も最適に制御している。

トヨタ カローラスポーツ 改良新型トヨタ カローラスポーツ 改良新型

誰でも分かるほど差が大きい

その効果と違いをチェックするため、225/40R18サイズのダンロップSPスポーツを履く新旧のカローラスポーツを乗り比べてみた。商品改良前のクルマは路面の段差や継ぎ目などで頭を揺すられ、視線も一定しない。これに対し最新のカローラスポーツは、石畳のように凸凹のある路面を走ったとき、頭の揺れが小さいし、乗り心地もよかったのである。

段差の大きい路面ではスプリングをソフト側に制御してショックを吸収し、細かいピッチのある路面では素早いサスペンションの収束を行う。その違いは、誰でも分かるほど差が大きかった。

トヨタ カローラスポーツ 改良新型トヨタ カローラスポーツ 改良新型
商品改良前のカローラスポーツと比べ、最新型に採用した改良型のサスペンションは突き上げが上手に抑えられている。だから乗り心地は穏やかだ。頭を中心とした上半身の揺れは少ないし、突起を乗り越えたときの乗り心地も上質と感じる。また、ステアリングを切ったときの操舵フィールも、従来モデルよりスッキリとした印象だ。

クラスを超えた実力の新カローラシリーズ

片岡英明氏片岡英明氏
最新モデルは、ドライバーだけでなく同乗者も快適にドライブを楽しめると思う。これはセダンとツーリングにも言えることだ。

また、カローラスポーツは、サスペンションを最適化するとともに新色のエモーショナルレッドIIを設定した。2トーンのボディカラーを選べるのもカローラスポーツだけの特権だ。

ちなみにスポーティ度が最も高いのはカローラスポーツで、コーナリングしたときの安定感や走行時の静粛性は一歩上を行っている。クラスを超えた実力を身につけ、快適性が高く、安全装備も充実しているのが新型カローラとカローラスポーツだ。買い得感は高い。

新色のエモーショナルレッドII新色のエモーショナルレッドII

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

片岡英明│モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員

《片岡英明》

片岡英明

片岡英明│モータージャーナリスト 自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  5. スバルマークの方が似合う? 新型ダイハツ『ムーヴ』のスバル版にSNSも注目!
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  2. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  3. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
ランキングをもっと見る