【SUPER GT × DTM 交流戦】2日間の練習走行を終え、本番へ…金曜の雨中1番時計はKONDO GT-Rのマーデンボローが記録

J.マーデンボローと高星明誠の#24 GT-R(マーデンボローが2日目トップタイム)。
J.マーデンボローと高星明誠の#24 GT-R(マーデンボローが2日目トップタイム)。全 12 枚

23日と24日に各日「予選&決勝」が開催される「SUPER GT × DTM 特別交流戦」。本番に向けて、富士スピードウェイ“現地”での公式練習等が21~22日に実施された。

実質的に木曜~日曜、4日間のレースウイークとなっている今大会は、21~22日に公式練習やタイヤテスト等の名目で多くの走行セッションが設けられた。GT500クラスマシン15台(レクサス、ホンダ、日産)とDTMマシン7台(BMW、アウディ)による“ドリームレース”では、全22台がDTMのワンメイクタイヤ供給社であるハンコック製のそれを履く。そのためもあってか、選手・チームともハンコックに不慣れなGT500勢に対し走行時間が多く設定された様相である。

初日の21日は晴れ/ドライ、2日目の22日は雨(と霧)/ウエットというコンディション。22日は中断や時間変更等も相次ぐ厳しい気象状況ではあったが、ウエット路面での走行経験を積めたことは、この週末が全般的に雨がちな予報であることを考えてもGT500勢には良かったというべきかもしれない。

10月のDTMホッケンハイム戦(今季最終戦)にGT500勢3台が出走した際の経緯から、今度は“ホーム”とはいえ、やはりタイヤの面で厳しい戦況が予想された“日本勢”。ただ、実際に富士での走行が始まってみると、あくまでベストタイム順位の序列から見た範囲ではあるが、想定よりも“戦えている”印象だ。特にドライでは良い感じに思え、ドライバーからもそういった旨の談話が聞こえてきている。

(*DTMマシンにはDRSやプッシュ・トゥ・パスというオーバーテイク促進アイテムがあるが、今回これらは使用できない。ちなみにGT500マシンがDTM最終戦に出走した際は、やはり雨が多いコンディションではあったが、DTMマシンはこれらを使用できた)

雨の22日、両シリーズ対象の公式練習と呼ばれる走行セッションが2回あり、1回目はGT500の#24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(J.マーデンボロー)が、2回目はDTMの#33 Audi Sport RS5 DTM(R.ラスト)が、それぞれ雨中でトップタイムを記録した。そのタイムは1回目の#24が1分47秒733、2回目の#33が1分50秒385。

念のために言っておくと、#24 GT-Rのように車名にハンコックではないタイヤブランドの名が入っていても、今回履いているタイヤはハンコックである(GT500の車名はシリーズ戦と同じ原則)。

#24 GT-Rは近藤真彦監督率いるKONDOレーシングのマシン。公式練習以外も含む全セッション総合での雨中トップタイムをマークしたマーデンボローは、「トップタイムはいいことだし、本番でもスピードを発揮したいと思っている。ハンコックのレインタイヤは、ピークのグリップは(ワンメイク仕様だけに)そう高いものではないが、安定して長く走れる印象だ」と、好感触を語っていた。

一方で雨の中ではアクシデントも発生。#16 MOTUL MUGEN NSX-GTはマシンが大破する状況に遭っている。

2日目のセッション後には5メーカーから各1選手が登壇してのプレイベント会見も実施された。2019年のDTM王者で、#33 Audi Sport RS5 DTMをドライブするレネ・ラストはこうコメントしている。

「本番にどういうレースを期待するかというのは難しい話だ。晴れか雨、コンディション次第という面もありそうだからね。もちろん良いリザルトを狙っている。ただ、今回に関してはまず『DTMとSUPER GTが一緒にファイトできる』ことを見せる、それが大事だと思っているよ。多くの人に良いショーを見せたい」

これは参加全選手およびチームスタッフ、両シリーズや富士の関係者たちの総意を代弁したものといえるだろう。“交流戦としての第一歩”をいいかたちで踏み出すことが、両シリーズと世界のモータースポーツ全般の未来につながる。

今回は土曜と日曜にそれぞれ「予選&決勝」が個別で実施される。ドライバー交代のない設定なので、GT500勢の多くはシーズンを戦ったコンビのうちのひとりが土曜(レース1)、もうひとりが日曜(レース2)というかたちでの分担参戦となる。

明日23日(土曜)は9時25~45分に予選(20分間)があり、14時30分~15時30分に決勝(55分+1周/ローリングスタートでタイヤ4輪交換義務あり、給油なし)が実施される予定。競争の醍醐味はもちろんとして、普段からドライバー交代がないDTMのマシンはピットでガレージインする際にはドアを“外す”のが基本であるなど、“文化の違い”も楽しめる大会だ。

《遠藤俊幸》

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