【コペン GRスポーツ 新型試乗】まるで「カスタマイズのお手本」のようだ…佐藤久実

「Sグレード」はサーキットで楽しいセッティング

GRスポーツは日常からサーキットまでをカバーするスポーツモデル

まるで「カスタマイズのお手本」のようなGRスポーツ

ダイハツ コペン GRスポーツ
ダイハツ コペン GRスポーツ全 20 枚

2002年に発売されたダイハツコペンは、「軽のオープン2シータースポーツ」という、発売当時としては唯一無二の存在であり、ファンの心を掴んだ。そして、現行モデルが発売されたのは2014年。その後、「Sグレード」が追加された。

【画像全20枚】

今回、トヨタのGRブランドとのコラボレーションにより、『コペンGRスポーツ』の登場となった。トヨタ、ダイハツいずれも同じネーミング。さらに、各社のブランドエンブレムはなく、「コペン」のエンブレムが装着される。つまり、『86』/『BRZ』のような兄弟車ではなく、まったく同じものが、各々のディーラーで売られるのだ。

一般道及び駐車場に設けられたパイロンコースで試乗した。特にパイロンコースでは、ベースモデル、Sグレード、そしてGRスポーツの比較試乗ができたので、それぞれのキャラクターやチューニングの方向性がわかりやすかった。それとともに、「スポーツ」や「スポーティ」という表現がいかに広義な意味を持つか、ということも改めて認識した。なので、改めてSグレードのキャラクターからおさらいしておきたい。

「Sグレード」はサーキットで楽しいセッティング

ダイハツ コペン Sダイハツ コペン S
MOMOのステアリング、RECAROのバケットシート、BBSホイール、そしてビルシュタインのダンパーと、スポーツアピールするのに非常にわかりやすいブランドモノを装着し、ルックスのデザイン性を高めるとともに機能性も向上させた。その乗り味はソリッドなもの。

サスペンションのレートはかなり高められ、スラロームやレーンチェンジではロールが抑えられたキビキビ感が際立つ。そのトレードオフとして、段差乗り越えでは、それなりの突き上げが見られる。コーナーを攻めても“ロールしない安心感”が得られる一方、バネレートが高いから荷重移動しにくく限界域の粘りは弱い。

一般道でも荒れた路面ではブルブルとしたボディの振動も見られる。つまり、路面が良いサーキットに持ち込んで走ると楽しいセッティング、とも言える。たとえば、週末、非日常を楽しみたいという人にオススメのモデルだ。

GRスポーツは日常からサーキットまでをカバーするスポーツモデル

ダイハツ コペン GRスポーツダイハツ コペン GRスポーツ
GRスポーツは、「ローブ」をベースに、「ファンクショナルマトリクスグリル」が与えられ、凛々しいルックスとなっている。そして、ステアリング、シートには新たにGRのロゴも追加。タイヤ&ホイールもSグレードと同じだ。ダンパーはKYB製。そのキャラクターは、「日常域からサーキットまで楽しめるスポーツモデル」と言える。

まず、ボディにブレースを装着している。とはいえ、何%アップと謳えるほどボディ剛性は向上していないという。以前、ブレースの有無だけの比較試乗経験があるが、オープンカーなど、ボディ剛性が弱いほど効果が体感しやすい。コペンの場合、剛性アップというより、サスペンションも含め剛性パランスを見直したという表現が正しいかもしれない。

ダイハツ コペン GRスポーツダイハツ コペン GRスポーツ
結果、剛性感は高まり、ブルブルした振動が減少している。特に、オープン時よりもクローズドの方がよりその恩恵が体感しやすく、ハンドリング以前に、走りの質感の向上が感じられる。

そして、サスペンションチューニングはしなやかな動きが印象的だ。段差乗り越えでもキツい突き上げがなく、タイヤは常に路面をしっかりと捉えている。

まるで「カスタマイズのお手本」のようなGRスポーツ

ダイハツ コペン GRスポーツダイハツ コペン GRスポーツ
レーンチェンジでは適度なロールを許容しながらも踏ん張り感があり、左右の揺り返しも、フロントの旋回にリヤが素直に追従してつながりの良い動きだ。レーンチェンジでも、ヨーとロールのバランスの良さが感じられた。

そして、一般道でも路面からの入力をいなしながら気持ちよく走れる。足がスムースに動き、ハンドリングと乗り心地がバランスされたGRスポーツは、とんがったキャラクターではないため、日常からサーキットまで、街中から高速まで、あらゆるシーンでオープンスポーツを堪能できるクルマだ。

ブレースとサスペンションでこんなに乗り味が変わるんだー、という、カスタマイズのお手本のようなモデル。さらにいじって走って楽しめるように、今後、さらなるカスタマイズパーツの展開も望みたいところだ。

あるいは、フットワークが良くなると、当然、モアパワー!という欲望も出てくる。ダイハツには1リットルターボエンジンがある。このエンジンを載せたGRMNが登場したら面白いかも!なんてことも思ってしまった。いずれにしても、ニッチでディープなセグメントながら、今後も大事にクルマを育てていって欲しい。

ダイハツ コペン GRスポーツダイハツ コペン GRスポーツ

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

佐藤久実|モータージャーナリスト
大学在学中にレースデビュー。耐久レースをメインに活動。海外の24時間レースでも入賞を果たす。レースで培ったスキルをベースに、ドライビング・インストラクターとしても活動。ホンダ・ドライビング・ミーティング、ポルシェ・ドライビング・スクール、BMWドライバートレーニング、VWエコドライブトレーニング、ブリヂストン・タイヤセーフティ・ドライビングレッスンなどでインストラクターを務める。レーシングドライバーとしてのホットな目、ジャーナリストとしてのクールな目、そして女性目線からクルマを評価、自動車専門誌への執筆をはじめWEBやテレビでも活動。東海大学工学部動力機械工学科非常勤講師、芝浦工業大学特別講師。

《佐藤久実》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「第3のエコカー」10年ぶり全面刷新か? ダイハツ『ミライース』DNGA採用で燃費さらに向上へ
  2. アキュラ『インテグラ』の「タイプS」、FF車の新記録を達成…パイクスピーク 2026
  3. いすゞのピックアップトラック『D-MAX』、タイからの並行輸入で7月1日発売…税抜1000万円
  4. 安いのに高品質はなぜ可能? ALNEXのプロテクションフィルムは技術と効率化が全く違う次元で施工されるPR
  5. 三菱『パジェロミニ』を北米投入か? 「ベイビー・パジェロ」は新たな武器になる!
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. ボルボカーズ、2028年以降の車両にアプティブのGen 8レーダー採用へ…悪天候や複雑な市街地でも高精度センシング
  2. 日立製作所、製造業向けAIエージェント「品質ナレッジシステム」開発…トラブル対応事例の検索時間を約9割削減
  3. SDV時代、進化するアフターマーケットの“今”と“未来”が一堂に…「アウトメカニカ フランクフルト 2026」9月8~12日開催
  4. 7/27申込締切 【激変するインド自動車産業】政策転換とEVシフト、クイックコマースが拓く日本企業の勝機
  5. 超高硬度クロムめっき、EV・半導体部品の長寿命化に貢献…大型量産設備をサン工業が稼働 
ランキングをもっと見る