ホンダ クラリティ の燃料電池車、寒冷時の起動性能を向上…2020年型を米国発表

車両の接近を歩行者により分かりやすく

航続は最大580km

1か月379ドルでリース

ホンダ・クラリティ・フューエルセル の2020年モデル(米国仕様)
ホンダ・クラリティ・フューエルセル の2020年モデル(米国仕様)全 18 枚

ホンダの米国部門は12月18日、燃料電池車の『クラリティ・フューエルセル』(Honda Clarity Fuel Cell)の2020年モデルを米国で発表した。

クラリティ・フューエルセルは2015年秋、東京モーターショー2015で発表された。5名乗車が可能な実用性の高い市販燃料電池車として登場した。量産燃料電池車としては世界で初めて、燃料電池スタックおよび駆動システムを、フロントのボンネット内部に収めることに成功した。これにより、優れたパッケージングを可能にしている。

ホンダは今回、クラリティ・フューエルセルの2020年モデルを米国で発表した。2020年モデルのクラリティ・フューエルセルには、多くのアップグレードが施されている。ホンダ・クラリティ・フューエルセル(米国仕様)ホンダ・クラリティ・フューエルセル(米国仕様)

車両の接近を歩行者により分かりやすく

2020年モデルでは、車両接近通報装置(「AVAS」)が改良を受けた。AVASは、低速時に静かな電動車両が、歩行者や自転車との接触事故を防ぐための安全装備だ。2020年モデルでは、低速走行において、車両の接近をさらに歩行者に認識してもらうための改良を施している。

また、2020年モデルでは、寒冷時のシステムの起動性能を向上させた。ブラック塗装のヒーター機能付きドアミラーも採用する。ボディカラーには、従来のボルドーレッドに代えて、新色のクリムゾンパールを設定している。

2020モデルでは、ボディカラーがプラチナムホワイトを選択した場合、ブラウン内装が標準装備される。室内空間は、大人5名に充分なスペースを持つ。先進運転支援システム(ADAS)として、最新の「ホンダセンシング」を搭載した。Apple「CarPlay」やグーグルの「Android Auto」など、最新のコネクティビティも導入している。ホンダ・クラリティ・フューエルセル(米国仕様)ホンダ・クラリティ・フューエルセル(米国仕様)

航続は最大580km

米国カリフォルニア州では、40か所以上の水素ステーションを利用することが可能だ。カリフォルニア州から、最大5000ドルのインセンティブや、複数乗車の車両のみが乗り入れられる「HOVレーン」の1名乗車走行の認定も取得している。

水素満タン状態でのEPA(米国環境保護局)認定の航続は、最大360マイル(約580km)だ。この航続は、燃料電池やEVを含めて、米国のゼロエミッション小型車の中で、最長レベルにあるという。70MPaの水素ステーションを利用すれば、約3~5分で水素を充填できる。

さらに、EPAの換算燃費は、68MPGeと認定された。これは、米国で販売されている小型燃料電池車の中で、最高評価になるという。ホンダ・クラリティ・フューエルセル(米国仕様)ホンダ・クラリティ・フューエルセル(米国仕様)

1か月379ドルでリース

2020年モデルは、南カリフォルニア(ロサンゼルスおよびオレンジ郡地域)の6つの販売店、サンフランシスコベイ地域の5つの販売店、サクラメントエリアの1販売店で取り扱う。2020 年モデルは、車両のメンテナンスと保険、最大1万5000ドルの分の水素補給を含めて、3年契約で、1か月379ドル(約4万1500円)でリースできる。契約時に2878ドルが必要だ。

万一の場合に備えて、リース期間中には、カリフォルニア州のエイビスからの最大21日間のレンタカー利用、また24時間365日のロードアシストサービスが受けられる。

ホンダは、カリフォルニア州の水素燃料補給ネットワークに1400万ドル以上を投資している。カリフォルニア州内には、約40の水素ステーションがあるため、水素の補給がこれまで以上に便利になったという。

ホンダは2030年までに、電動車が世界新車販売の3分の2を占めることを目指している。北米では、ホンダの電動化イニシアチブにより、今後数年間で、電動車のラインナップを拡大していく。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  2. トヨタ RAV4 新型の価格は390万~630万円と予想…電動グレード体系に再編
  3. スズキ『ジムニー』、フランス最終モデルは55台限り…6月末に発売へ
  4. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  5. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. アステモの軽EV用インホイールモーターやジヤトコの2モーターK12マーチなど、国内サプライヤー技術が熱い!…人とくるまのテクノロジー展2025
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る