リンスピードの完全自動運転EV、車台からボディ脱着で移動販売車にも…CES 2020で発表へ

一連の「スナップ」コンセプトカーの最新版

数秒でバッテリーを含めた車体の交換が可能

複数のパートナーが最先端技術を投入

リンスピード・メトロスナップ
リンスピード・メトロスナップ全 24 枚

リンスピードは、2020年1月に米国ラスベガスで開催されるCES 2020において、コンセプトカーの『メトロスナップ』(Rinspeed MetroSnap)を初公開すると発表した。

画像:リンスピード・メトロスナップ

リンスピードは、フランク・M. リンダークネヒト氏が1977年、スイスに設立したエンジニアリング会社だ。主に、ドイツ車のチューニングを手がけている。スイスで開催されるジュネーブモーターショーでは毎回、斬新なコンセプトカーを出品し、注目を集めてきた。

一連の「スナップ」コンセプトカーの最新版

CES 2020で初公開予定のメトロスナップは、CES 2018で発表した『スナップ』、CES 2019で発表した『マイクロスナップ』と、リンスピードの一連の「スナップ」コンセプトカーの最新版だ。

CES 2018で発表されたスナップは、未来の完全自動運転車を提案したEVコンセプトカーだった。その最大の特長は、シャシーからボディが脱着できる設計となっており、用途に合わせてボディを載せ替えられる点だ。例えば、荷物を運ぶなら商用トラックボディ、人が乗るなら乗用ボディなどがある。乗用ボディは、オフィスとして地面に置いて使うことも想定する。

CES 2019で発表されたマイクロスナップは、スナップのコンセプトはそのままに、ボディサイズをルノーのシティコミューターEV、『トゥイジー』(全長2337mm、全幅1191mm、全高1461mm)と同等まで小型化したコンセプトカーだった。シャシーとボディをつなぎ合わせて、同時に充電する新機能も採用する。リンスピードはマイクロスナップを、都市部の配送におけるラストマイルに対応させた1台として、提案していた。リンスピード・メトロスナップリンスピード・メトロスナップ

CES 2020で初公開される予定のメトロスナップは、都市部での観光から、荷物の配送まで、さまざまなニーズに対応する完全自動運転のEVだ。シャシーからボディが脱着できる設計も受け継いでいる。リンスピードにとって、26番目のコンセプトカーだ。

ボディサイズは、全長3699mm、全幅1764mm、全高1800mm、ホイールベース2700mmだ。重量は、「スケートボード」と呼ばれる車台部分がおよそ690kg、「乗用ポッド」がおよそ500kg、「商用ポッド」がおよそ580kgとした。リンスピード・メトロスナップリンスピード・メトロスナップ

数秒でバッテリーを含めた車体の交換が可能

商用ポッドは例えば、ランチタイムのオフィス街で、移動販売車として活用できる。食べ物や飲み物、薬などを無人販売し、キャッシュレスで決済を行う。移動販売車としての営業時間が終われば、車台のスケートボードが商用ポッドを迎えに行く。

EVパワートレインのモーターは、最大トルク5.8kgmを発生する。最高速は85km/hの性能を備える。バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は12.2kWhとした。1回の充電での航続は、最大で130kmとなる。

バッテリーは「ポッド」(車体)と「スケートボード」(車台)の間で分割されているため、充電のために車両を長時間駐車する必要はない。数秒でバッテリーを含めた車体の交換が行えるのが特長だ。Harting社のインターフェイス/プラグインコネクターにより、ポッドと車体が連結されるとすぐに、データや信号をやり取りし、電力が送られる。リンスピード・メトロスナップリンスピード・メトロスナップ

複数のパートナーが最先端技術を投入

さまざまなパートナーが、メトロスナップのデジタルサービスの開発に参画している。SAP社は、データ分析、機械学習、IoT(モノのインターネット化)を通じて、将来のモビリティ向けのデジタルプラットフォームを開発した。EY社は、利用者の自動決済システムと、ブロックチェーン技術に基づくソリューションを開発する。ESGモビリティ社は、スマートコネクティビティアプリ、AI(人工知能)によるフリート管理システム、交換可能な車両コンポーネントの電子アーキテクチャを開発している。

Wirecard社は、最先端の手のひら静脈認識技術を生かして、メトロスナップの安全なアクセスシステムとセキュリティシステムを開発した。チューリッヒ保険グループは、自動車保険の新しいビジネスモデルを提案する。

ハーマンは、メトロスナップのデジタルコックピットやエンターテインメントを手がけた。レーザースキャナーセンサー企業のIbeo オートモーティブシステムズ社は、自動運転を担当した。Lidar(ライダー)センサーにより、車両の移動中やポッドの交換中に、人や障害物を早期かつ正確に検出し、メトロスナップを自動運転モードで安全に走行させる。

ライト類は、オスラムが開発した。デジタルナンバープレートは、他の道路利用者と通信するために使用される。マイクロピクセルLEDは、警告サインを路面に投影することも可能にする。インテリア照明は、ヘルストラッキング機能により、ドライバーの気分に合わせて調整される。

オーストリアのレンツィング社は、インテリアにテンセル繊維を使用して、持続可能性の新しい方向性を示した。韓国のKolon Glotech社は、センターコンソールやインテリアのトリムパネルなどに、韓国伝統の印刷手法を導入し、視覚的効果を生み出した。シートに使用されるニット生地は、リサイクルされたPES(ポリエーテルサルフォン樹脂)から製造されている。

《森脇稔》

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