タイヤ用ゴム内部の特定材料を選択的に観測 住友ゴムと茨城大学が手法を確立

スチレンブタジエンゴム(SBR)内部の硫黄架橋の粗密観測イメージ
スチレンブタジエンゴム(SBR)内部の硫黄架橋の粗密観測イメージ全 1 枚

住友ゴムは1月23日、茨城大学との共同研究により、タイヤ用ゴムに含まれるさまざまな材料を選択的に観測できる手法を確立したと発表した。

自動車のタイヤ用ゴムは、天然ゴムや合成ゴムなどのポリマー、カーボンやシリカなどの補強材など数十種類の材料からできており、各材料がタイヤ内部で階層構造を作っている。このため、タイヤ性能の向上には各材料をそれぞれ分けて観察し、その階層構造を明らかにすることが必要となる。特にゴムの弾性を生み出す硫黄架橋の構造は、ゴムの強度や劣化などの経年変化に大きく関係すると考えられているが、ゴム内部での詳細な構造についてはこれまで未解明だった。

住友ゴムは今回、茨城大学が新たに開発した量子線顕微鏡を用い、タイヤ用ゴム内部の材料を選択的に観測できる手法を確立。ゴム内部の硫黄架橋の粗い部分・密な部分(粗密)を、世界で初めて鮮明に観測することに成功した。

通常の観察では硫黄以外の補強材の情報が混じった画像データしか入手できなかったが、この手法を用いることで、硫黄架橋やそのほかの補強材といった特定の成分がそれぞれ色付けされた鮮明な画像を得ることができる。これにより、タイヤそのものの構造を評価することが可能となり、この画像データを活用することで、燃費性能や耐摩耗性能などに優れたタイヤの内部構造を導き出せることから、材料開発の加速化が期待される。

《纐纈敏也@DAYS》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スイスポ最終モデルの完全進化形! BLITZが手掛けた“走りと快適”の完熟セットアップPR
  2. これが最後のガソリンエンジンか!? BMW『X5 M』が歴代最強の700馬力オーバーに
  3. 月額500円、新型ドライブレコーダー付き自動車保険 東京海上日動が2026年1月に発売
  4. 新型ハイパーカー『オーロラ』、外観デザイン確定…1850馬力ハイブリッド搭載
  5. 名車「964型ポルシェ 911」を最新の姿に甦らせる、シンガーが最新レストア作品披露へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  4. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る