【ホンダ アコード 新型】プラットフォーム刷新、「欧州スポーツセダンに比肩する走りと質感に」開発者

ホンダ・アコード新型
ホンダ・アコード新型全 28 枚

2013年に9代目の『アコード』(CR型)がデビューし、7年の時を経てプラットフォームからすべて刷新したまったく新しいアコード(CV型)がいよいよ登場する。10代目の新型アコードは、どんなキャラクターとミッションを抱えているか。ホンダの開発陣に聞いた。

まず9代目までのアコードユーザについて。2002年登場の7代目から9代目までで、年代別をみると日本国内は50歳代がピークで、30歳代のユーザ離れが顕著だった。中国やタイのピークは30・40歳代、北米は20~60歳代と幅広い。

共通しているのは、年代ピークが代を重ねるごとに高齢化している点。「これまでのアコードは、エモーショナルな魅力が足りなかった」と話すのは、本田技術研究所宮原哲也開発責任者。

「10代目アコードは、世界基準の走りと人中心の骨格をクリアに表現した、ワイドアンドローなデザインに。プラットフォームを根本から見直し、低重心・低慣性の新世代プラットフォームでつくりあげる」

ホンダ・アコード新型ホンダ・アコード新型

宮原氏がいう低重心・低慣性、ワイドアンドローは、数字でも明らか。全長は9代目より45mmも短くなったのに、ホイールベースは55mm拡大。最小回転半径は20cm縮めて5.7mと、小回り性もよくした。

「通常、FF車はノーズを詰め、キャビンを長くするが、いかに直感的にかっこいいスタイルにするかを突き詰めたとき、できるかぎりノーズを延ばすことがカギだった」

ホンダ・アコード新型ホンダ・アコード新型

ロングノーズ化は、Aピラーの立ち方も寄与している。新型アコードのAピラーは、現行よりも100mm後方に置き、Aピラー断面も2割細くすることで、9代目より15mmも低くなった全高なのに、前方視界はより広くなった。

10代目が「おっ、これまでとまったく違う!」と乗ってすぐに感じさせてくれる点が、ヒップポイント。10代目は9代目よりも25mmも着座高を低くし、ヒールポイントも15mm低くした。

ホンダ・アコード新型ホンダ・アコード新型

「アコードは代を重ねるごとにヒップポイントを上げてきた。世界で評価されている欧州セダンよりアコードは高かった。そこで10代目はあらためて低重心、低いヒップポイントに設定。走らせればすぐに、欧州スポーツセダンに比肩する走りと質感を感じるはず」

そして後席からトランクにかけてもプラスの数字ばかり。9代目と比べて、後席の周り空間は50mm、足もと空間は70mmも拡大。マルチリンク式リアサスペンションと新開発ボディ骨格によって、トランクは149リットルも増えた。

ホンダ・アコード新型ホンダ・アコード新型

続いて走り。10代目の新型アコードのパワートレインは、「リニアで軽快な走りと燃費性能を高いレベルでバランスさせた」という2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載。

フロントに収まる発電用・走行用2モーター内蔵電気式CVT(最高出力184PS・最大トルク315N・m)は、2.0リットルアトキンソンサイクルDOHC i-VTECエンジン(最高出力145PS・最大トルク175N・m)をアシストする。

ホンダ・アコード新型ホンダ・アコード新型

重心高は15mm低くなり、ロール慣性モーメントは7.2%減、ヨー慣性モーメントは1.7%減、車両重量は50kgも軽くなったことで、軽快さは歴然。こうしたおかげで、燃費はWLTCモード 22.8km/リットル、JC08モード 30.0km/リットルを達成する。

ボディ剛性もアップ。高張力鋼板を効率的に配置し、接着溶接を採用することで高剛性を確保。ボディ重量は5%減ったのに、曲げ剛性は24%アップ、ねじり剛性は32%もアップした。

ホンダ・アコード新型ホンダ・アコード新型

また、パワーコントロールユニット(PCU)は15%サイズダウン、インテリジェントパワーユニットは32%もサイズダウンし、車内空間を拡大させた。

ドライブモードは、スポーツ・ノーマル・コンフォートの3つを選択できる。スポーツモードにすると、積極的な走りに加え、ステアフィールはよりダイレクト感がアップし、エンジンサウンドはよりスポーティに響く。

ホンダ・アコード新型ホンダ・アコード新型

この音についても、新型アコードはこだわる。ホンダはこの新型アコードから3マイクタイプ アクティブノイズコントロール(ANC)を初めて採用。車内のノイズに打ち消し音を加えることで、車内をより静かにし、上質なプライベート空間をつくりあげるという。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
  2. 多胡運輸が破産、首都高のローリー火災事故で損害賠償32億円
  3. 「ホンモノのGT」が日常を小冒険に変える…マセラティの新型『グラントゥーリズモ』が誘う世界とはPR
  4. メルセデスベンツ『Gクラス』にEV誕生、4モーターで587馬力…北京モーターショー2024
  5. ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
  6. Sズキが電動マッサージ器を「魔改造」、25mドラッグレースに挑戦!!
  7. 【トヨタ GRカローラ 新型試乗】「GRヤリス」とはスタンスが明確に違う理由…河村康彦
  8. 『N-BOXカスタム』用パーツが一挙発売、ブリッツからエアクリーナーシリーズ4種類・5製品が発売
  9. [音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー「小型・薄型モデル」の選択のキモは、“サイズ”と“音”と“価格”!
  10. テスラ モデル 3、新グレード「パフォーマンス」を追加…最高速度262km/h
ランキングをもっと見る