[カーオーディオ こだわり方考察]外部パワーアンプにこだわる!

「外部パワーアンプ」の搭載例(製作ショップ:イースト<大阪府>)。
「外部パワーアンプ」の搭載例(製作ショップ:イースト<大阪府>)。全 3 枚

カーオーディオには、さまざまな“こだわりポイント”が存在している。その1つ1つを解説している当短期集中特集。第9回目となる当回では、システムを本格化させようとするときの必須アイテム、「外部パワーアンプ」について考えていく。

【画像全3枚】

「内蔵パワーアンプ」と「外部パワーアンプ」との違いは、“パワー”にアリ!?

カーオーディオを楽しもうとするとき、「外部パワーアンプ」はなくてはならないものかと言うと、実はそうではない。これを使わなくてもシステムを組める。純正オーディオにも市販メインユニットにも、「内蔵パワーアンプ」が組み込まれているからだ。しかし、音にこだわろうとするならば、「外部パワーアンプ」を使うべきだ。それはなぜかと言うと…。

その答はズバリ、「外部パワーアンプと内蔵パワーアンプとでは大きな“パワー差”があり、それが音に多大に効いてくるから」だ。

というのも、カーオーディオメインユニットはボディサイズが決まっている。1DINもしくは2DINサイズという制約の中で、そこにさまざまなメカが詰め込まれている。ゆえに「内蔵パワーアンプ」に割けるスペースも限られるので、“パワー”の限界値は低くならざるを得ないのだ。

ちなみに、メインユニットやAV一体型ナビのスペック表を見ると、「内蔵パワーアンプ」の出力は、ほとんどの機種で「最大50W」と記載されている。DINサイズではこのくらいの“パワー”を確保するのがやっとだ。

一方、市販の「外部パワーアンプ」のスペック表を見ると、出力の小さなモデルでも「定格50W」くらいが確保されていて、「定格100W」や「定格150W」くらいのモデルもざらにある。大出力をうたうモデルともなれば「定格200W」以上を発揮するモノも少なくない。

なお、「最大50W」と「定格50W」とでは数字的には大きく違わないのだが、実際の“パワー差”は相当に大きい。出力表記の“最大”と“定格”とは、まったくの別スペックなのである。“最大出力”とは瞬間的に発せられる出力のことを指し、“定格出力”とはコンスタントに発生できる出力のことを指している。

“パワー”が違うと“余裕”が異なり、音楽の“感動力”も変わってくる!

では、メインユニットの「内蔵パワーアンプ」の「最大50W」とは、“定格”に換算するとどのくらいの“パワー”なのだろか。機器によって多少の差はあるが、多めに見積もってもせいぜい「定格20W程度」だ。「定格60W」の「外部パワーアンプ」と比べても1/3程度のパワーしか確保されていないのだ。

さて、この“パワー”の差は、音にどのような違いをもたらすのだろうか。それを理解するために、以下のような光景をイメージしてもらいたい。660ccのエンジンが積まれている軽カーで時速100キロ走行をするのと、3000ccのエンジンが積まれたクルマで100キロ走行をするとき…。

これらを比べると、走りの快適性が大きく異なる。軽カーでは目一杯の走りとなるが、3000ccのエンジンが積まれたクルマでは走りに余裕があふれ、そこからの加速すらも可能となる。

「パワーアンプ」でも、“パワー”の違いは同じような違いをもたらす。大きな音量で聴いているときの余裕が違い、そして瞬間的に大きな音が鳴らされるべき時にも、“出力”の大きな「外部パワーアンプ」ならば余裕を持ってそれに対応できる。

また、強弱の表現にも幅が出てくるので、1つ1つのフレーズの“抑揚感”が増してくる。そしてその上で、“パワー”も含めた総合力の違いにより、音楽の瑞々しさや1音1音の存在感、さらには無音の瞬間の“静寂感”も違ってくる。

このように「外部パワーアンプ」を使用すると、音楽の“感動力”が高まってくる、というわけなのだ。

理想の「外部パワーアンプ」を見つけ出すためには、“試聴”が重要!

続いては、「外部パワーアンプ」選びにおける“こだわりポイント”を解説していく。

まずは、グレードについて説明しておこう。なお「外部パワーアンプ」には“ch数違い”があるのだが、もっとも使われる頻度が高いのは“4chアンプ”なので、ここでは“4chアンプ”に絞って考察していく。

“4chパワーアンプ”は、もっとも手頃なタイプとなると5万円以下から存在している。そしてそこから10万円くらいのモデルまでがざっくり、“ベーシックモデル”と位置付けられている。そして10万円から20万円あたりのモデルが“ミドルグレード”とされることが多く、20万円以上のモデルは“ハイエンド”と呼ばれることが多くなっている。

ちなみに最近は、超ハイエンドと言うべきモデルも多々登場していて、100万円に近い価格のモデルも珍しくなくなってきた。そして、高額なモデルになればなるほど、それでなければ聴けない独特な魅力を携えている。

さて、チョイスの際には何を見極めていくと良いのだろうか。結論は以下のとおりだ。「実際に音を聴いてみる」。聴いた印象で、好みの音なのか否かを判断するしかないのだ。なお、スペック比較はあまり意味をなさない。参考にはなるけれど、スペックから性能を推し量ることは不可能だと心得たい。

なので、こだわろうとするのなら、とにもかくにも試聴あるのみ、だ。ショップのデモ機やデモカー、メーカーやディストリビューターのデモカーをできる限りいろいろと聴いてみよう。さらにはユーザーカーの音を聴くのも参考になる。試聴を重ねて、自分がとことん惚れ込める1台を見つけ出したい。

今回はここまでとさせていただく。次回もカーオーディオをより深く楽しむための“こだわりポイント”の解説を続行する。お楽しみに。

こだわれば、カーオーディオはもっと楽しくなる! 「ザ・こだわり方考察」第9回 「外部パワーアンプ」にこだわる!

《太田祥三》

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