アストンマーティン・ヴァルキリーをレッドブルF1コンビが試す…WEC“ハイパーカー規定”参戦計画の方は延期に

レッドブルF1のドライバーたちがヴァルキリーをドライブ。
レッドブルF1のドライバーたちがヴァルキリーをドライブ。全 5 枚
アストンマーティン・ヴァルキーの“サーキット試乗”を、Aston Martin Red Bull Racingの現役F1ドライバーふたりがシルバーストンで敢行した。一方、別の動きとして、同車による世界耐久選手権(WEC)への“ハイパーカー規定”での参戦は19日に延期が発表されている。

ホンダ製パワーユニットを搭載してF1を戦うAston Martin Red Bull Racing(通称レッドブル)は12日、英国シルバーストン・サーキットにて今季型マシン「レッドブルRB16・ホンダ」をシェイクダウンした。マックス・フェルスタッペンとアレクサンダー・アルボンは同じ日にアストンマーティン・ヴァルキリーの「VP1 プロトタイプ」もドライブ。アストンマーティン・ヴァルキリーの開発には「レッドブル・アドバンスド・テクノロジーズ」が協力している。

フェルスタッペンは試乗の感想を、「普通のクルマとの比較は極めて難しい! ダウンフォースは信じられないレベルにあるし、すごくアグレッシブに見えるよね。そこ(ヴァルキリーのスタイルとドライブ)には多くの楽しみがある」と語った。アルボンもヴァルキリーのスタイリングとドライブフィールに対し、感嘆と興奮の意のコメントを残している。

順調そうな開発終盤過程にあると見られる(ロードゴーイングカーとしての)ヴァルキリー。そしてこのクルマには世界耐久選手権(WEC)の新たな最高峰クラス規定、2020/2021シーズン開始予定のいわゆる“ハイパーカー規定”での参戦計画もあった。しかし、これについてアストンマーティンは19日に計画の延期(再考)を発表した。

アストンマーティンに関しては最近、2021年シーズンから“自チーム擁立”の格好でF1に参戦する方向性が明確になっており(既報)、それが今回のWECハイパーカー規定参入延期の理由の一端になったと見られる。また、1月にWECと北米IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の間で、最高峰クラスでの“互換性”を有するという新たな技術規定「LMDh」についての発表があり、このことが“再考”を促す大きな要因になった旨をアストンマーティンは表明している(LMDhはWECでは2021/2022シーズンから採用予定とされる)。

なお、WECのLMGTEカテゴリーにおけるヴァンテージAMRでの活動は継続する。

また、アストンマーティンのF1レッドブルへの冠パートナー(タイトルスポンサー)としての参画は今季2020年限りで終了。この件はアストンマーティン、レッドブルの双方から公表済みで(既報)、その際には“Valkyrie hypercar”の開発にはレッドブル・アドバンスド・テクノロジーズの協力が続く旨も記されていたが、これはその性能と性格をもって一般的にハイパーカーと称されるヴァルキリー全般を指してのものであった(WECハイパーカー規定車を特定するものではなかった)と考えられる。

WECの2020/2021シーズンにハイパーカー規定で参戦する計画や意向を表明している陣営はいくつかあるものの、いわゆるメジャーメーカー(ブランド)は現状でトヨタのみとなっている。3月に次なる発表があるというLMDhのことを含め、耐久レース最高峰の将来像に関しては少々、展望しにくい状況になってきたと言わざるを得ないところだ。

《遠藤俊幸》

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