車体が伸縮するEV、ルノーのコンセプトカー『モルフォズ』

短距離と長距離向けで車体の全長が400mm変わる

手を振ればドアロックが解除されドアが自動的に開く

レベル3の自動運転が可能

ルノー・モルフォズ
ルノー・モルフォズ全 23 枚
ルノーグループ(Renault Group)は3月2日、次世代のEVコンセプトカーのルノー『モルフォズ』(Renault MORPHOZ)を発表した。中止になったジュネーブモーターショー2020で発表される予定だった1台。

ルノーグループは欧州において、EVなどの電動車の販売で主導的地位を確立している。ルノーグループは、将来のモビリティのビジョンを示すEVコンセプトカーとして、モルフォズを発表した。

ルノーグループは、EVコンセプトカーのモルフォズを発表することにより、将来のモビリティのビジョンを提示する。このコンセプトカーは、個人のニーズや用途にパーソナライズするために、すべての限界を取り払う。ルノーグループによると、モルフォズの考え方は、今後数年のうちに登場するルノーの新型車の先駆けになるという。

◆短距離と長距離向けで車体の全長が400mm変わる

モルフォズには、ルノー日産三菱アライアンスのEV向け新開発モジュラープラットフォームの「CMF」を利用する。モーター出力、バッテリー容量、航続に異なるスペックを設定できるだけでなく、車体の長さも使用目的に応じて、変えることができる。フロントフェンダーとリアエンドが、伸縮可能なデザインを採用している。

「シティバージョン」は全長が4400mm、ホイールベースが2730mm。蓄電容量40kWhのバッテリーが搭載されており、1回の充電で最大400kmの航続を可能にした。ルノーによると、都市や郊外での毎日の使用に充分という。

「トラベルバージョン」では、全長が4800mm、ホイールベースが2930mmに延びる。シティバージョンに対して、全長は400mm、ホイールベースは200mm長い。高速道路などの長距離走行に対応しており、フロントエンドなどが空力性能を向上させるデザインに変わる。室内空間も、2つのスーツケースを収納できるスペースに加えて、乗客用の足元スペースが広がった。バッテリーも、大容量を搭載することができる。

「トラベルエクステンダー・バッテリーパック」は、バッテリーの蓄電容量を50kWh追加し、合計で90kWhにできる。これにより、1回の充電での航続を、最大700kmに引き上げた。バッテリーステーションでは、車両のアンダートレイが開き、数秒で追加のバッテリーを取り付けることができる。また、不要なバッテリーを取り外し、40kWhの蓄電容量のシティバージョンに変更することも可能だ。

◆手を振ればドアロックが解除されドアが自動的に開く

未来的なステアリングホイールは、中心部に10.2インチの画面があり、主要な走行情報や安全情報を表示する。手動運転モードや自動運転モードでは、インストルメントパネルがダッシュボードからスムーズに出現し、走行に関する情報やマルチメディアなどが、L字型の画面に表示される。

AI(人口知能)が乗車する前に作動し、センサーが接近中のドライバーを検出し、認識する。ドライバーは手を振って、「ウェルカムシーケンス」を有効にする。これにより、ドアのロックが解除され、ドアが自動的に開き、ドライバーの好みと気分に合わせて、室内照明が自動的に調整される。スマートフォンの専用ホルダーがあり、メインデータソースとして機能する。 AIは、スマートフォンからのデータと情報を利用して、タスクを実行する。

またAIは、外部センサーからのリアルタイムデータと車載カメラからの映像により、ドライバーが車両の周囲を確認することができるようにする。ドアと窓部分のライトは、ドライバーの死角に歩行者や自転車がいることを示す。

◆レベル3の自動運転が可能

車両へのアクセスには、デジタルキーとして機能するスマートフォンも使用できる。これにより、キーを交換することなく、他のユーザーとカーシェアリングが行える。ドライバーは、一定の期間、車両にアクセスできるロック解除コードを受け取る。

乗車すると、ドライバーと乗員のスマートフォンが自動的に検出され、各乗員が座席のスピーカーから、お気に入りの音楽を聴くことができる。自宅で計画した走行ルートは、ナビシステムによって自動的に選択される。

レベル3の自動運転機能が装備されている。高度な技術により、ドライバーは、高速道路や渋滞などの状況において、ステアリングホイールから手を放し、自動運転を行うことができる。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. メルセデスベンツ、全固体電池搭載『EQS』で1205km無充電走行を達成
  3. 「みんなガソリン車が欲しいんだよ…」フィアットの新コンパクト『グランデパンダ』、6速MT登場に日本のファンも反応
  4. アイシンが明かす、トランスミッションの膨大な経験値とノウハウが電動化を主導する理由
  5. 「動画を観る」もっとも良い方法とは? トヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車の場合は?[車内エンタメ最新事情]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る