【マツダ3 新型試乗】「15Sツーリング」は隠れた名車だった…中村孝仁

装備、価格の違い

15Sツーリングの美点とは

マツダ3の隠れた名車?

マツダ3 ファストバック 15Sツーリング
マツダ3 ファストバック 15Sツーリング全 22 枚写真をすべて見る

その注目度からして昨年デビューしたCセグメントのモデルとしては群を抜いていると思う『マツダ3』。とりわけSKYACTIV-X(スカイアクティブX)という新エンジン搭載車に目が行きがち。しかし、ガソリンは他に2リットルと1.5リットルがあり、さらにディーゼルも存在するワイドバリエーションだ。

その中から今回チョイスしたのは「15Sツーリング」という、いわばマツダ3のベーシックグレードである。

装備、価格の違い

マツダ3 ファストバック 15Sツーリング
実はSKYACTIV-Xを搭載するモデルだと、ファストバックの4WDの場合、あれこれオプションをつけるとほぼ400万円。勿論乗り出し価格は400万円を超える。2WDでも乗り出しはやはりオプション装備車で400万円近辺とお高い。

そこへ行くとこの15Sツーリングのお値段は、360度ビュー・モニター+ドライバー・モニタリングのオプション(8万6880円)を装備しても、240万2869円だから、これなら乗り出し価格でも300万円には全然届かない。だから、実質的にSKYACTIV-Xと比べると120万円程度の差が出ることになる。

勿論装備差は当然ながらそれなりにあって、一番の問題点としては最新のマツダコネクトが車載通信機を装備していないために使えないこと。あとはクルージング&トラフィックサポート、交通標識認識システム、前側方車両接近検知。アダプティブLEDヘッドランプなどが装備されないなどがある。シートはファブリック。本革ではない。それに電動パワーシートにもならない。とまあ、装備的にはだいぶ落ちるけれど、ちょうど1週間試乗して困ることは一つもなかったし、不便を感じたこともなかった。

このクルマにはシートヒーターも付かないがファブリックのため、本革ほどのひんやり感が無い。そんなわけで試乗している間も冷間時でもあまり寒いと感じることはなかった。まあ、今年は暖冬だから例外かもしれないが。

マツダ3 ファストバック 15Sツーリング

15Sツーリングの美点とは

というわけで装備に不満のある人は2リットル車を買えばよいと思うが、このクルマにはかなり大きな美点がある。まずエンジンがとても元気がイイ。1.5リットルは現行『マツダ2』にも搭載されているが、マツダ2のものよりも圧縮比が引き上げられ、パワーは同等(1psアップ)だが、トルクの方は5Nm引き上げられているのだ。車重は2リットルと比べて20kgしか軽くなっていないが、フィーリング的には性能がそれほど変わった印象は受けず、妙に力感のある走りを見せる。

もう一つの美点はこれまでに乗ったどのマツダ3よりも乗り心地が良いこと。と言って他社と比較した時にも褒められるかと言うとそれは無いが、少なくともマツダ3の中では最良だった。まあ、ほとんどのケースで1人乗車で走ったので、負荷がかかった時のパフォーマンスについては未知数だが、あまりフルロードになることはないと思えば、このパフォーマンスでエンジンを回して走った方が面白い。

それにエンジンの吹け上がりも全体的にスムーズかつ力強い。最大トルクの発生回転も3500rpmで2リットルより500rpm低い、等々意外と常用域での使いやすさもある。動的な質感でもこのクルマが個人的には一番良いと感じる。どんなところが良いかと言うと、荷重変化を誘発するスラロームを行った時、切り替えした時の姿勢制御がとても良くてシャープな印象を受けたことだ。

マツダ3 ファストバック 15Sツーリング

マツダ3の隠れた名車?

マツコネは車載機が無いので仕方ないとして、例えばアダプティブヘッドライトはオプションで選べるといいなと思う。因みに15Sの設定はファストバックにしかなく、セダンでは選べない。セダンの場合はリア席重視タイプだろうけど、後席の乗り心地が良くないから、とりあえずはファストバックのみの設定で良いということが、このクルマに乗って初めてわかった。

セダンの2リットル車に乗った時、素朴な疑問として何故1.5リットルが無いのかと思ったが、まあ要らないか…と感じる。

とどのつまりクルマだって所詮は商品。安くて良いものが一番売れるのは道理なのだが、自動車の場合どうしても見栄が頭をもたげるが、マツダ3はそれが2リットルだろうが1.5リットルだろうが、外観からは区別できない。というわけで15Sツーリングはマツダ3の隠れた名車なのではないか?と思うわけである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来42年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファーデプト代表取締役も務める。

《中村 孝仁》

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