【オペル、日本市場へ再参入】ファミリー層や女性をターゲットに…日本代表[インタビュー]

グループPSAジャパン代表取締役社長のアンジェロ・シモーネ氏
グループPSAジャパン代表取締役社長のアンジェロ・シモーネ氏全 8 枚

日本への導入が2006年以来途絶えていたオペルが再び2021年後半に復活する。そこで、今回の導入に関してグループPSAジャパン代表取締役社長のアンジェロ・シモーネ氏に話を聞いた。

シモーネ氏は2020年1月より同社に就任したので、その他のブランドに関しても語っていただきたいところだが、今回は時間が限られていたことからオペルに集中し、それ以外はまた改めてお話を伺うこととした。

課題ではなくチャレンジ

まずは日本へ再進出するにあたっての課題から聞いてみると、「(再進出なので)一朝一夕で出来ることはない。再上陸しブランドを立ち上げていくのに時間がかかることは重々認識している」と述べたうえで、その理由として、「クオリティを重視してお客様からの信頼と満足度を得ていかなければいけないこと。次に、ネットワークの確立と販売店の設置をいかに協力に出来るかだと思う。つまり、これらは課題である以上にチャレンジなのだ」と強い意気込みのもとに再進出に向けて動き出していることを強調する。

オペル・コルサオペル・コルサ

そして、「日本のお客様の要望レベルは高く、それに対してのチャレンジも非常にハードルが高い。それをクリアするために力を入れていく」と話す。

では、どういったユーザー層を想定しているのか。シモーネ氏は、「ファミリー層だ。一番それをよく表すモデルが『コンボライフ』。またより多くの女性ユーザーにも訴えていきたい」とする。

オペル・グランドランドXオペル・グランドランドX

プジョーに近いが差別化は出来ている

さて、オペルは2017年にGMからグループPSA傘下になった。現在同グループにはプジョー、シトロエン、DSの3ブランドが存在するが、それらとどのように差別化を図っていこうと考えているのか。

オペル・コンボライフオペル・コンボライフ

「“あえて”PSAの中で比べるとすれば、お客様層として捉えると、プジョーに近い位置にポジショニングされるだろう。DSは全く違った展開をしているので論外、シトロエンは独創性を求めるユーザーであり差別化が図りやすい」と認識を述べる。そして、「プラットフォームにおいても『コルサ』と『208』は同じものを使っているが、全く違うクルマに仕上がっているので、そこをいかに差別化して訴求していくかが重要だ」とコメントした。

これまでのユーザーのメンテナンスは…

オペル・コルサオペル・コルサ

最後に現在4000台ほどが日本の路上を走っているオペルについて聞いてみた。その理由として、メンテナンスをどう考えているかと同時に、今回の日本進出において、台数はもとより高いお客様満足度(CS)を得ていくことが記者会見で強調されていたからだ。つまり、新規ユーザーのみを見ているのか、これまでのユーザーも含めてCS向上を目指すのかがポイントだ。

シモーネ氏は、「とても良い質問だ。現在保有が約4000台あり、こういったお客様に対してのケアをどうするかは課題としては大きい。現在はまだ決定しておらず、それぞれのユーザーがこれまで通りのメンテナンスを続けてもらうということしかコメントできない」としながらも、自身の考えとして、「GMと話し合い、こういったお客様に対してどういったソリューションを与えられるかを詰めていきたい」と述べ、「すでにオペルのユーザーになっていただいているお客様も重要視し、古いモデルであっても我々にとっては大事なお客様と捉えている」と何らかの方策を取れるよう鋭意努力している様子だった。

オペル・コルサオペル・コルサ

さらに、例えば20歳代から30歳代にはオペルというブランドイメージがほとんど存在しない状況だ。ブランド訴求するうえでの方法のひとつは、現ユーザーに対してのアプローチもあろう。その点についてシモーネ氏は、「もちろんそういったアプローチもあるだろうが、新しい技術、例えばEV化やハイブリッド化などもオペルのラインナップとして出て来るので、そこをアピールしていくことも力を入れていく分野だ。そういった形で若い方々にもオペルの魅力を伝えていければと思っている」と語った。
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《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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