DS、名車『SM』の50周年記念コンセプトカー6台を発表へ…ファン投票実施中

SMは1970年のジュネーブモーターショーで発表

マセラティ製V6を搭載し最高速は220km/h

デビュー直後にモロッコラリーで勝利

SM2020は2020年にSMが復活することを想定

DSの「SM2020」by Geoffrey Rossillion
DSの「SM2020」by Geoffrey Rossillion全 10 枚

DSは、名車『SM』の誕生50周年を記念し、2020年にSMが復活することを想定した「SM2020」と題したコンセプトカー6台を順次発表している。現在、公式ツイッターを通じて、この6台のファン投票を実施中だ。

SMは1970年のジュネーブモーターショーで発表

2020年は自動車業界にとって、数ある名車のひとつ、SMの記念すべき誕生50周年の年だ。SMは、フランスとイタリアというアイコン的メーカーのコラボレーションの賜物として開発された。1970年、当時のSMはアバンギャルドを頂点にまで押し上げ、自動車産業の歴史に、そして自動車愛好者たちの心の中に、その名を刻み込んだという。

1970年春、スイスで開催されたジュネーブモーターショーにおいて、SMはシトロエン『DS』の後継車として発表された。1968年のマセラティとの提携から生まれたモデルが、SMだ。このスポーティかつ豪華なツーリングカーには、前輪駆動システム、油圧系統、サスペンションに関して、DSのノウハウが生かされていた。

エンジンには、マセラティ製のV型6気筒エンジンを採用し、5速ギアボックス、ラック式の油圧パワーステアリングの「Diravi」システムを組み込んだ。SMは、フランス国内だけでなく、欧州そして米国の顧客に支持された。シトロエン SM(1970年発表)シトロエン SM(1970年発表)

マセラティ製V6を搭載し最高速は220km/h

SMのハイライトは、アグレッシブで流れるようなライン、名高いハイドロサスペンションをベースにしたシャシー、卵型のダイヤルゲージが装備されたインテリア、そしてマセラティ製V6エンジンにあった。それは、シトロエンDSのDNAがより色濃く反映されたものだった。

フランスの自動車デザイナーのロベール・オプロンが手がけたボディには、当時の最先端のエアロダイナミクスを導入。マセラティ製V6エンジンとシトロエンの最新技術も搭載されていた。

特筆すべきは、走行時に自然と中央に戻るステアリングだ。通常時は指一本でも操作が可能な軽快さを持ちながら、車の速度が上がるにつれて、重量感を増すことで、運転の安全性と快適性を最大限に高めていた。高級ハッチバックとスポーツGTを融合させたSMは、車両重量が1450kgで、最高速220km/hを誇った。累計1万2920台が生産されている。シトロエン SM(1970年発表)シトロエン SM(1970年発表)

デビュー直後にモロッコラリーで勝利

SMは、モータースポーツでも成功を収めた。1971年、ラリー界で輝かしい戦績を残してきたDSに代わって、SMはモロッコラリーに参戦し、勝利を手にした。ほぼ市販車状態のSMだった。初のモータースポーツイベントとなるモロッコラリーで勝利を収めたことを受けて、シ ト ロ エ ン は 、「SM、初登場で初優勝」というキャッチコピーを掲げて、広告キャンペーンを展開した。

それから数か月の間、SMはスパ・フランコルシャン24時間レースを始め、いくつかのレースに出場した。SMに対する世界のメディアの評価は高く、1972年には、米国『モータートレンド』誌 の「カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。

SM2020は2020年にSMが復活することを想定

DSは今回、1970年の名車『SM』の誕生から50周年を記念し、2020年にSMが復活することを想定した「SM2020」と題したコンセプトカー6台を、順次発表している。この6台のコンセプトカーは、フランス・パリのDSのデザインスタジオが設計を手がけた。オリジナルのSMのように、大胆なデザインをまとう。

偉大なフランスのコーチビルドの象徴であり、半世紀にわたって伝説的存在となっているSMは、1955年に登場したDSと同様に、DSのデザインに影響を与えているという。

なおDSは、6台のSM2020の中から、ファン投票で最も人気の1台を選出する、としている。

《森脇稔》

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