[カーオーディオ 専門用語をやさしく解説]サブウーファー関連 その2

「ユニットサブウーファー」の取り付け例(ダイヤトーンデモカー)。
「ユニットサブウーファー」の取り付け例(ダイヤトーンデモカー)。全 3 枚

カーオーディオはとかく、マニアックな趣味だとイメージされがちだ。専門用語が多いことも、そう思われる一因となっている。それを踏まえ当特集では、より多くの方々にカーオーディオを身近に感じてもらえるよう、特に難関だと思われる用語解説を実行している。

「ユニットサブウーファー」って、何?

今回も前回に引き続いて、「サブウーファー」に関連した用語を解説していく。今回はまず、「ユニットサブウーファー」というワードをフィーチャーする。

結論から入りたい。これはつまり、単体で(裸の状態で)売られている「サブウーファー」のことを指す。

ところでホームオーディオのスピーカーは、スピーカーユニットが箱(エンクロージャー)に取り付けられた状態で販売されている。言ってみれば、その状態がスピーカーとしての完成形だ。しかしカーオーディオでは、スピーカーユニットが裸の状態で売られている。その理由は、「ドアがエンクロージャーの役割を負うから」だ。つまり、エンクロージャーはクルマ側に装備されているので製品側には付属されていない、というわけなのだ。

しかし…。「サブウーファー」に関しては、それを取り付けるためのエンクロージャー的なものはクルマ側には装備されていない。なので、スピーカーユニットとエンクロージャーが一体化されて完成形となった状態で売られていても良さそうなのだが、そうではない。

なお一部の製品は、エンクロージャーに取り付けられた状態で完成形となっている。それが前回に紹介した「パワードサブウーファー」や「コンプリートウーファーボックス」だ。しかし、言ってしまえばこれらはイレギュラーなアイテムだ。“低音強化”をより手軽に行えるようにと開発された特別仕様のアイテムで、主流はあくまでも「ユニットサブウーファー」だ。スピーカーユニットが裸の状態で売られているこの形こそが、カーオーディオにおいての“低音強化アイテム”のスタンダードなのである。

カーオーディオでは、「サブウーファー」用の箱を自ら用意するのがスタンダードスタイル!

というわけで、カーオーディオで“低音強化”をしようと思った際には、エンクロージャーは自分で用意するのが基本形となる。

なぜそうなのか、それを説明する定説は存在していないのだが、推測するならば以下のような理由が考えられる。「カーオーディオは、“創意工夫”を発揮するところが楽しみ所となる文化だから」ではないだろうか。

もろもろが画一的ではないのがカーオーディオだ。ゆえに「低音を強化したい」と考えた際にも、それを実現させるためのアプローチも都度異なってくる。そこが楽しむべきポイントとなる、というわけなのだ。

ちなみに「サブウーファー」に関して言うと、どのような箱を用意するかで得られるサウンドが変わってくる。また、そのボックスをどのように取り付けるかも、考え方次第でいろいろな選択肢が浮上する。トランクにポンと置かれることもあれば、トランクフロア埋め込まれることもある。そういったもろもろは、ユーザーの“趣味嗜好”で選択される。カーオーディオは、「自由度の高い文化」なのである。

「シールドボックス」って何?

というわけで、「ユニットサブウーファー」を使う際には、音のことと設置の都合等々を鑑みながら、ユーザーごとで自由にボックスが用意されることとなる。

さて、続いてはどのようなボックスがあるのかを解説していく。細かくはいろいろなボックスが有り得ているのだが、現代カーオーディオでは以下の2つが主流だ。1つは「シールドボックス(密閉方)」で、もう1つが「バスレフボックス(位相反転型)」だ。なおこの2つを比べると、よりスタンダードなのは「シールドボックス」の方だ。これが支持されている理由は、「もろもろがシンプルだから」だろう。設計が比較的に簡単で、製作も比較的に簡易だ。

ところで、「エンクロージャー」が必要となる理由についても説明しておきたい。これが必要な理由は、「スピーカーの裏側から放たれる音を閉じ込めたいから」だ。さて、なぜに「裏側から放たれる音を閉じ込める」必要があるのかと言うと…。

スピーカーは振動板を動かして空気を震わせて音を奏でるのだが、裏側においてもそのメカニズムが発動されている。で、裏側から放たれる音は、耳に入ってくる分には表側と同じ音なのだが、波形的には真逆の状態にある。

そして、この波形が真逆の音が同一空間で交わり合うと…。互いの音を打ち消し合う「キャンセリング」という現象が引き起こされる。エンクロージャーは、これが起こらないために存在している。スピーカーの裏側から放たれる音を空間に放出させないためのものなのだ。

「シールドボックス」は、その目的を愚直に遂行する。「密閉型」とすることで、裏側の音を完全に閉じ込めるのだ。

今回はここまでとさせていただく。次回も「サブウーファー」に関連したワードを掘り下げて解説していく。お楽しみに。

ビギナー必読! 難解なカーオーディオの“専門用語”を易しく解説! Part6 サブウーファー関連編 ll

《太田祥三》

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