アウディの4WD『クワトロ』の40年[フォトヒストリー]

クワトロ(1980年)
クワトロ(1980年)全 23 枚

アウディの4WD乗用車『クワトロ』が発表されたのは1980年、ジュネーブモーターショーだ。今年で40周年となる。最初で唯一の4WD乗用車だったので、当時の「クワトロ」は車名だったが、新しい4WDコンセプトとして、アウディの4WDシステムの名称となる。

【写真】アウディの4WD『クワトロ』の40年(全23枚)

1970年代後半、アウディはVWに協力してドイツ軍向けにオフローダーを開発していた(民生仕様がVW『イルティス』となる)。1976~77年の冬にその四輪駆動機構が氷や雪の路面で優れた性能を示し、これを乗用車の『80』に搭載するというアイデアが生まれた。これがクワトロだ。

マイルストーン

軽量、コンパクト、高効率で、タイトコーナーブレーキング現象が発生しないというクワトロ・コンセプトは、当初からスポーティなクルマや大量生産に適していた。初代クワトロは技術的な変更を受けながら1991年まで製品ラインナップに名を連ね、同時にアウディは全車種にクワトロ4WDの設定を展開していく。

アウディは1984年、225kW(306PS)を発生するスポーツクワトロを追加、スポーツクワトロはモータースポーツシーンで活躍する。1986年には、初代クワトロ以来のマニュアル式ロッキングセンターディファレンシャルに替えて、駆動トルクを可変配分できるトルセンタイプのディファレンシャルが装備される。1995年にはTDIエンジンを搭載したクワトロが登場した。1999年にはコンパクトセグメントの『A3』および『TT』にもクワトロが採用された。A3クワトロ(1999年)A3クワトロ(1999年)

次の大きなステップは、2005年に発表された、非対称ダイナミック・パワーディストリビューション機能を備えたセンターディファレンシャルだ。2007年には『R8』のフロントアクスルにビスカスカップリングが採用され、その1年後にスポーツディファレンシャルが続いた。2016年には「ultra」テクノロジーを搭載したクワトロが追加された。

モータースポーツでの勝利

アウディは1981年に世界ラリー選手権(WRC)に初参戦した。1984年にショートホイールベース版のスポーツクワトロを投入し、スウェーデン人ドライバーのスティグ・ブロンクビストがワールドチャンピオンになり、アウディはマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。1985年には350kW(476PS)を発生する「スポーツクワトロS1」が続いた。スポーツクワトロS1(1985年)スポーツクワトロS1(1985年)

1987年には米国のパイクスピーク・ヒルクライムで、ヴァルター・ロールがS1によって優勝する。アウディはその後、ツーリングカーレースへと戦いの場を移す。1988年に「200」で米国のTrans-Amシリーズに初参戦し、すぐさまドライバーズタイトルとマニュファクチャラーズタイトルの両方を獲得。翌年には IMSA GTOシリーズでも成功を収めた。

1990~91年はパワフルな「V8クワトロ」でドイツツーリングカー選手権(DTM)に参戦し、2年連続でドライバーズチャンピオンになった。1996年は「A4クワトロ」でドイツ国内のスーパーツーリング選手権に参戦し、7戦すべてで勝利する。ヨーロッパの競技団体は2年後、ツーリングカーレースにおける4WDをほぼ全面的に禁止するに至る。

アウディ・クワトロは2012年、ハイブリッドドライブを搭載した「R18 e-tronクワトロ」でサーキットに復帰する。このマシンはルマン24時間レースで3回の総合優勝を果たし、世界耐久選手権(WEC)で2回のドライバーおよびマニュファクチャラーズタイトルを獲得する戦歴を残した。R18 e-tronクワトロ(2012年)R18 e-tronクワトロ(2012年)
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《高木啓》

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