日産のEVコンセプト『アリア』、横長ディスプレイを採用した理由…次世代コネクト搭載

ボタンやスイッチを極力排したダッシュボード周り

人間工学に基づいて設計された横長ディスプレイ

スマホと車載ナビを連携させて最終目的地へ案内

日産 アリア コンセプト
日産 アリア コンセプト全 15 枚
日産自動車の米国部門は4月3日、EVクロスオーバーコンセプトカーの『アリアコンセプト』(Nissan Ariya Concept)に搭載された次世代コネクトシステムの詳細を発表した。タブレット端末のような縦長ディスプレイではなく、横長のディスプレイを敢えて採用した、としている。

◆ボタンやスイッチを極力排したダッシュボード周り

アリアコンセプトは、前後に高出力電動モーターを配置したツインモーター4輪制御システムを搭載している。瞬時に緻密なトルクコントロールが可能な電動モーターを前後に合計2基設置することによって、高次元の発進、加速性能を実現している。さらに前後のモータートルクやステアリング、ブレーキなどを統合制御することによって、雪道やぬかるんだ道などの滑りやすい路面においても優れたトラクション性能を発揮するという。

アリアコンセプトでは、インストルメントパネルとドアパネルがシームレスにつながり、一体感のあるすっきりとしたダッシュボード周りには、ボタンやスイッチを配していない。システムを起動すると、インストルメントパネルに柔らかな輝きを放つハプティック(触覚)操作ボタンが表示される。物理的なボタンやスイッチは、スタートボタンと12.3インチのディスプレイモニター用の操作ノブ、そしてエアコン操作ボタンのみだ。これらは、インストルメントパネル下部の木製部分に組み込まれている。

◆人間工学に基づいて設計された横長ディスプレイ

アリアコンセプトには、タブレット端末のような縦長ディスプレイではなく、横長のディスプレイを敢えて採用した。日産は、最新のトレンドよりもデザインとビジョンを優先して、アリアコンセプトの横長ディスプレイを開発した。この横長ディスプレイは、湾曲した2画面ディスプレイが特長だ。日産によると、横長のデザインは見た目だけで選ばれたわけではないという。

日産によると、運転中のドライバーの目は、自然に左右方向を見るのだという。ディスプレイを水平方向にレイアウトすると、ドライバーはより多くの情報を見たり吸収したりすることが可能になる。

一方で、アリアコンセプトのディスプレイは、既存の車と同様に、ドライバー正面のインストルメントクラスターに運転に関する情報を表示し、ダッシュボード中央のモニターにエンターテインメント情報、コンフォートコントロール、システム状態を表示する。どちらも、運転席と助手席の間をシームレスに流れる滑らかなパネルに統合されている。

2画面レイアウトの場合でも、情報を移動したり、画面間をスワイプしたりして、1つの画面のような感覚を作り出すことができる。たとえば、ドライバー正面のインストルメントクラスターに、ナビゲーション画面を表示。このナビゲーション画面を、ダッシュボード中央のモニターに移動したり、不要になったときに非表示にしたりすることも可能だ。

◆スマホと車載ナビを連携させて最終目的地へ案内

「ドアツードア・ナビゲーション」はスマートフォンで設定した目的地を車載のナビゲーションシステムと共有することで、乗車前はスマートフォン、乗車中は車載のナビゲーションシステム、降車後はスマートフォンによって乗車前後の徒歩ルートも含め、出発地点から最終目的地までシームレスにドライバーを案内する。

ドライバーがアリアコンセプトに近づくと、ウェルカムライトが点灯し、自動的にロックが解錠される。シート位置やエアコンの設定などが、スマートフォンに個人のプロフィルとして保存されたドライバーの好みの状態にセットされる。また、ドライバーのスケジュール管理ソフトと車両の持つ情報を同期させることで、出発時間を予想して空調をコントロールするなど、すぐに快適な状態で出発できるよう、準備をしてくれる。

ドライバーがアリアコンセプトに乗り込むと「バーチャルパーソナルアシスタント(VPA)」がナビゲーションを開始する。VPAから提供される駐車場の情報や走行中に必要な情報により、ドライバーは自ら情報検索をする必要がなく、運転に専念できる。また、ルートの途中で友人をピックアップする場合は、友人のスマートフォンと車載のビデオチャット機能をリンクすることにより、友人がいる正確な位置を車載モニター上に表示することができる、としている。
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《森脇稔》

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