JR西日本の長谷川一明社長は4月10日に開かれた会見で、新型コロナウイルス感染拡大の影響による利用者数の激減を受け、かつてないほどの厳しい状況に危機感を表わした。
JR西日本における利用率(対前年同日比)は、3月が山陽新幹線で42%、北陸新幹線で43%、在来線特急で39%、近畿圏ローカルで63%に留まっており、さらに4月1~7日には、新幹線や在来線特急で20%台前半、近畿圏ローカルで43%まで下降。緊急事態宣言発出後の4月8・9日は、山陽新幹線と在来線特急で17%、北陸新幹線で14%と、かつてないほどの落込みぶりを見せており、近畿圏ローカルは34%まで下降している。
この数字に鑑み長谷川社長は、事態の収束を見通せないことを憂慮した上で「経営的には会社発足以来の最大の危機であると認識しています」と述べた。
こうした状況を受けてJR西日本では、4月から当面の間、常勤の取締役に対する月額報酬のうち、10%を自主返納することを発表。加えて、グループ会社を含めた短期的な雇用調整や、中期経営計画の見直しなどを行なうことも示唆している。
緊急事態宣言発出後の4月8・9日、山陽新幹線の利用率は前年同日比で17%に。