キャデラックに高性能「ブラックウィング」、AMGやMに対抗… CT4-V と CT5-V に設定へ

ベース車両となるCT4-Vは320hpでCT5-Vは355hp

ブラックウィングにはMTも設定

サーキットではATS-VとCTS-Vよりも速い

キャデラック CT5-V ブラックウィング と CT4-V ブラックウィング の開発プロトタイプ
キャデラック CT5-V ブラックウィング と CT4-V ブラックウィング の開発プロトタイプ全 9 枚

キャデラック(Cadillac)は4月14日、最新「Vシリーズ」の『CT4-V』と『CT5-V』に、さらなる高性能モデルとして、「ブラックウィング」を設定すると発表した。

Vシリーズは、「キャデラックレーシング」の血統を受け継ぐスーパースポーツセダンだ。モータースポーツに参戦しているキャデラックは、FIA(国際自動車連盟)のGT3クラスを主戦場とし、2004年からの11年間に5度のマニュファクチャラーチャンピオンシップを獲得している。

そんなキャデラックレーシングの技術と、歴戦の中で培ってきたノウハウを注いで開発されたのが、Vシリーズだ。世界中のライバルを凌駕するパワーと運動性能、研ぎ澄まされたデザインとテクノロジーなどを追求している。Vシリーズは2004年、米国で発表された。2009年の第2世代から、日本国内にも導入されている。このVシリーズの最新作として、2019年春に米国で発表されたのが、CT4-VとCT5-Vだ。

ベース車両となるCT4-Vは320hpでCT5-Vは355hp

CT4-Vは、キャデラックの新型スポーツセダン、『CT4』の高性能バージョンだ。CT4-Vのパワートレインには、直噴2.7リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンを搭載する。このエンジンには、独自の3ステップスライディングカムシャフトを採用し、あらゆる速度域でパフォーマンスを発揮する。スペックは、最大出力が320hp/5600rpm、最大トルク51kgm/1800rpmとなる。

一方、キャデラックの新ミドルセダン、『CT5』の高性能グレードとして設定されたのが、CT5-Vだ。CT5-Vのパワートレインは、直噴3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンだ。最大出力は355hp/5600rpm、最大トルクは55.3kgm/2400~4400rpmを引き出す。

両モデルは最新のVシリーズとはいえ、CT4-Vで最大出力320hp、CT5-Vで最大出力355hpのスペックは、競合モデルと比較すると抑えぎみだ。例えば、メルセデスAMG『C63S』は、直噴4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンが最大出力510hp、最大トルク71.4kgm、BMW『M3 CS』は、直噴3.0リットル直列6気筒ガソリンツインターボエンジンが最大出力460hp、最大トルク61.2kgm、アウディ『RS5スポーツバック』は、直噴2.9リットルV型6気筒ガソリンツインターボが最大出力450hp、最大トルク61.2kgmを獲得している。キャデラック CT5-V ブラックウィング と CT4-V ブラックウィング の開発プロトタイプキャデラック CT5-V ブラックウィング と CT4-V ブラックウィング の開発プロトタイプ

ブラックウィングにはMTも設定

そこでキャデラックは、ドイツのライバルに対抗するために、CT4-VとCT5-Vのさらなる高性能モデルとして、『CT4-Vブラックウィング』と『CT5-Vブラックウィング』を設定する。キャデラックによると、ブランドのパフォーマンスとドライバーエンゲージメントの頂点を表しているという。

Vシリーズのブラックウィングモデルは、特別に強化されたシャシーや車両制御技術、エンジンを備えている。各モデルには、マニュアルトランスミッションも用意される予定だ。マニュアルトランスミッションは、ほとんどのプレミアムブランドが設定しなくなった装備だが、多くのパフォーマンスドライビングファンからの強い要望を受けて、ブラックウィングに設定する。

サーキットではATS-VとCTS-Vよりも速い

CT4-VブラックウィングとCT5-Vブラックウィングは現在、テストコースと全米の公道でテスト走行を行っている。 キャデラックによると、バージニアインターナショナルレースウェイでは、両車のラップタイムが『ATS-V』と『CTS-V』よりも、数秒速いという。

CT4-Vの先代モデルがATS-V、CT5-Vの先代モデルがCTS-Vだ。CTS-Vは、キャデラック『CTS』シリーズの最強グレードで、パワートレインは直噴6.2リットルV型8気筒スーパーチャージャーだ。先代『コルベットZ06』と基本を共用するこのV8は、最大出力649hp/6400rpm、最大トルク87.2kgm/3600rpmを引き出す。0~96km/h加速は3.7秒、最高速は322km/hの性能を備える。

一方、ATS-Vは、キャデラック『ATS』シリーズの頂点に立つ高性能グレードだ。パワートレインは、直噴3.6リットルV型6気筒ガソリンエンジンを、2個のターボで過給したユニット。最大出力470hp、最大トルク61.5kgmを発生する。トランスミッションはパドルシフト付き8速AT。0~96km/h加速は3.9秒、最高速は299km/hに到達する。

キャデラックは、ブラックウィングの名称を、最高のキャデラックパフォーマンスエンジニアリング、職人技、テクノロジーを搭載した車両に冠する。CT4-VブラックウィングとCT5-Vブラックウィングは、究極のパフォーマンスドライビングエクスペリエンスを持ち、ブランドの歴史に基づいて開発される、としている。キャデラック「ブラックウィング」のロゴキャデラック「ブラックウィング」のロゴ
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《森脇稔》

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