【トヨタ ヤリス 新型試乗】秘書のように生活に寄り添う相棒になってくれる…まるも亜希子

「走り」への並々ならぬこだわりにワクワク

1.0L、1.5L、ハイブリッドの走りは

秘書のように生活に寄り添う相棒になってくれる

トヨタ ヤリス
トヨタ ヤリス全 8 枚

「走り」への並々ならぬこだわりにワクワク

初めて目の前にした『ヤリス』は、今にも走り出しそうな躍動感にあふれたデザインに、4つのタイヤがしっかりと踏ん張っているようなスピード感が加わって、かなりイケイケな印象を受けた。

そしてコンパクトカー向けTNGAプラットフォーム「GA-B」を用い、ねじり剛性30%アップの軽量高剛性ボディを実現。旧型比で減速エネルギー回生が約2倍、モーターアシストを約1.5倍とした新開発ハイブリッドシステムや、1.5リットル直列3気筒ダイナミックフォースエンジンの搭載、『カローラ』同等レベルを投入したサスペンションにいたるまで、「走り」への並々ならぬこだわりに、早く乗ってみたくてワクワクした。

トヨタ ヤリス ハイブリッド(G)トヨタ ヤリス ハイブリッド(G)
室内に入ると、前席の空間はほどよくゆったりと取られている。少し柔らかめのクッションで身体を受け止めるシートに座り、前を向くと2眼のデジタルメーターがモダンな雰囲気。身長165cmではシートポジションが前寄りになり、ややAピラーの圧迫感は感じたものの、前方視界は十分だ。ただ、斜め後ろは左右ともにほとんど目視はできず、やはりボディ後方がギュッとすぼまったデザインだけに後方視界は狭いと感じる。

ステアリングは小径化されており、ペダル位置は気持ち左寄りに感じるが、運転ポジションが取りにくいほどではない。

1.0L、1.5L、ハイブリッドの走りは

トヨタ ヤリス 1.5リットルトヨタ ヤリス 1.5リットル
1.5リットルガソリン+CVTモデルを走らせると、発進直後からの軽快感と自然な加速フィールがとても爽やか。低速域から中速域への盛り上がりが強く、スカッとするような高揚感が味わえる。そこからさらに高速域までの伸びやかさもあり、カーブでの荷重移動がジワリと一定なので扱いやすさもある。全体的に素直な操舵感が好印象だ。

次にハイブリッド+CVTモデルに乗り換えると、アクセルを踏み始めた瞬間からスーッとなめらかな加速がはじまり、すぐに背中を押されるようなモリモリとした加速に変わる。中速域からはペダル操作に合わせて俊敏なレスポンスで加速減速が繰り返せる感覚で、メリハリのある走りが楽しい。上り坂でも力強く、どこでも余裕と上質感は忘れない。ガソリンモデルよりも大人のスポーツといった雰囲気だった。

意外なほど良かったのは1.0リットルガソリンモデル。とにかく軽やかで、飾り気のない素直な挙動と、めいっぱいまで使って走れる感覚が楽しい。これでもいいかな、と思わせる魅力があった。

秘書のように生活に寄り添う相棒になってくれる

トヨタ ヤリス ハイブリッド(G)トヨタ ヤリス ハイブリッド(G)
走りがいい分、ひとつ残念なのは後席スペースがタイトなこと。大柄な男性は窮屈なので、ファミリーユースなら中学生くらいまでの子供なら良さそう。

そして、最新のトヨタ車を買うならぜひ試して欲しいのが、コネクテッドサービスの「T-connect」。オプションになってしまうが、緊急時のサポートから天気・ニュース・お店検索などのエンターテインメントまで、これまでの便利さとは劇的に変わるはず。

ヤリスの魅力は、手足のように走れる気持ちよさと、プライベート秘書のように1人ひとりの生活に寄り添う相棒になってくれることだ。

トヨタ ヤリストヨタ ヤリス

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト
映画声優、自動車雑誌『ティーポ(Tipo)』編集者を経て、カーライフ・ジャーナリストとして独立。 現在は雑誌、ウェブサイト、ラジオ、トークショーなどに出演・寄稿する他、セーフティ&エコドライブのインストラクターも務める。04年・05年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。

《まるも亜希子》

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