自動車メーカー、前3月期決算発表は遅め…今期予想は見送り濃厚に

トヨタ自動車の決算説明会(2019年5月)
トヨタ自動車の決算説明会(2019年5月)全 2 枚

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大という未知の環境下で、今年も企業の3月期決算が公表される時期が迫ってきた。自動車メーカーや同部品各社でも目下、集計作業が進められているが、全体として昨年より若干遅めの発表となる。

上場している乗用車メーカー7社のうち、4月21日までに発表日を東京証券取引所に届け出たり、報道機関等に公表したのはトヨタ自動車など4社となっている。日産自動車、スズキ、マツダの3社は東証が公開している発表予定表では「未定」と表示されている。

■乗用車7社の3月期決算発表予定日
メーカー 2020年予定(19年発表日)
トヨタ 5月12日(5月8日)
ホンダ 5月12日(5月8日)
スバル 5月18日(5月10日)
三菱自 5月13日(5月9日)
日産 未定(5月14日)
スズキ 未定(5月10日)
マツダ 未定(5月9日)
※4月21日現在の東証届け出と各社公表分

発表日が決まっている4社は、いずれも昨年の発表日からは数日ほど遅い日程となった。決算に関わる間接部門では感染予防のため、国内外で在宅勤務(テレワーク)の導入が進んでおり、決算作業への影響が懸念されてきた。

日程が決まった4社のうち、SUBARU(スバル)は昨年より8日ほど後ずれしている。同社は「在宅勤務など通常通りの業務が難しい状況を勘案し、1週間程度遅い日程になった」(広報部)としている。発表の形態についても、今のところ電話会議または本社での会見の2本立てで準備を進めており、緊急事態宣言などの情勢を見ながら判断する方針だ。

昨年より4日遅い日程のホンダは、「感染拡大以前から大型連休後の日程で予定していた(広報部)と、ほぼ当初計画に沿った準備を進めている。発表はインターネットによるライブ配信と、中継後のオンデマンド配信で行う。

今年の決算発表で注目されるのは、前期(2020年3月期)の実績よりも今期(2021年3月期)の業績予想となる。ただ、コロナ禍の影響の広がりが読めない現状では、予想の公表は先送りされる可能性が濃厚だ。2011年3月期の決算発表時には、同年に発生した東日本大震災の影響で本格生産への回復が読めず、自動車メーカー各社は全社が予想の公表を見送った。その後、第1四半期決算発表時での公表が相次いだ。

今年は「例年通り5月の決算発表の場で公表できるよう、努力している」(スバル)という動きがあるものの、厳しい展開となる。また、例年6月となっている定時株主総会については「現時点では、6月開催予定」(ホンダなど)と、各社とも変動はない見込みだ。

《池原照雄》

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