レクサス UX、「タトゥーカー」のデザイン募集…最優秀作品は実車化へ

塗装をドリルで削ってその下の金属に塗料を筆塗り

タトゥーは延べ58時間の集中的な作業で完成

一般投票で7月に最優秀作品を決定

レクサス UX のタトゥーカー
レクサス UX のタトゥーカー全 11 枚

レクサスの英国部門は5月12日、コンパクトSUVの『UX』(Lexus UX)をベースにしたタトゥーカーのデザインを募集すると発表した。最優秀作品は、実車のUXのボディにラッピングによって表現される予定だ。

今回の作品募集は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大により、外出できない子ども(大人も参加可能)を支援するのが目的だ。レクサスは今春、UXをベースにした世界初のタトゥーカーをワンオフで製作した。その延長線上にある企画として、タトゥーカーのデザインを募集する。

レクサスは、優れた職人技と日本の伝統的な芸術性を称える目的で、世界初のタトゥーカーを開発した。レクサスは、英国ロンドンのタトゥーアーティスト、クラウディア・デ・サベ氏と協力。UXをベースに、世界初のタトゥーカーをワンオフで製作した。

塗装をドリルで削ってその下の金属に塗料を筆塗り

ホワイトのボディカラーのUXをキャンバスに、細い刺青針の代わりにドリルツールを使用して、ボディ全体に鯉を中心に描くデザインに取り組んだ。鯉は、日本の伝統的な芸術でおなじみのモチーフで、幸運と忍耐の資質を表しているという。

サベ氏は、ツールを使用してボディ表面の塗料を削り取り、その下の金属を露出させた。そのうえで、複雑なパターンを、5リットルの自動車用塗料を筆で塗ることにより、細部まで描き出した。最後の仕上げには、金箔が使用されており、デザインに強力な3D効果を与えることに成功している。その後、車両全体にタトゥーを保護するラッカーコーティングを施し、公道を走行できるようにした。

タトゥーは延べ58時間の集中的な作業で完成

製作の工程では、最初の図面から完成までに6か月を要した。タトゥーは、延べ58時間の集中的な作業で仕上げられた。人にタトゥーを施す場合とは異なり、自動車では作業が進んでも、サベ氏は自由に位置を変えることができない。ドリルの振動もあって、厳しい作業になったという。タトゥーに小さなスリップを加工したり、パターンに色付けしたりする時、ドリルでの彫刻には絶対的な精度が求められた。

このUXは販売される予定はなく、価格は付けられていない。レクサスによると、オーダーメイドの作業には、12万ポンド以上の価値があると推定されるという。

なお、サベ氏が人間の皮膚ではなく、金属にタトゥーを施したのは、今回が初めてだった。このユニークな取り組みでは、人にタトゥーを施す時に似ている部分と、新しい課題の両方を発見したという。

サベ氏は、「人にタトゥーを施す時には、皮膚の下の筋肉と組織について考える必要がある。しかし、自動車にタトゥーを施す時には、フレームワーク上でボディワークが形を変える方法について考えた」と語っている。また、レクサスUXがベース車両としてこのプロジェクトに理想的だった理由は、流線形のボディにあったという。

一般投票で7月に最優秀作品を決定

UXをベースにしたタトゥーカーのデザイン募集は、6月9日まで行われている。公式サイトからテンプレートをダウンロードし、UXのボディに自由にタトゥー模様をデザインする。デザインはタトゥースタイルである必要があり、テンプレートのすべての角度にカラーリングが施されている必要もある。

エントリーは、レクサスUKの公式サイトで行う。応募作品の中から、8つの作品が最終選考に進み、8つの作品は3Dモデル化されて、公式ソーシャルサイトにイメージが掲載される。

8つの作品への一般投票は、6月22日から7月10日まで、FacebookとTwitterで受け付ける。なお最優秀作品は、実車のUXのボディにラッピングによって表現される予定だ。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スイスポ最終モデルの完全進化形! BLITZが手掛けた“走りと快適”の完熟セットアップPR
  2. これが最後のガソリンエンジンか!? BMW『X5 M』が歴代最強の700馬力オーバーに
  3. 月額500円、新型ドライブレコーダー付き自動車保険 東京海上日動が2026年1月に発売
  4. 新型ハイパーカー『オーロラ』、外観デザイン確定…1850馬力ハイブリッド搭載
  5. 名車「964型ポルシェ 911」を最新の姿に甦らせる、シンガーが最新レストア作品披露へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  4. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る