日産、コロナ禍でリストラ加速---スペイン工場も閉鎖へ[新聞ウォッチ]

日産のスペイン、バルセロナ工場
日産のスペイン、バルセロナ工場全 3 枚

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

政府の「緊急事態宣言」が39の県で解除されることが決まった。また、新型コロナウイルスで疲弊した経済を支援するため、2020年度第2次補正予算案の編成に動き出すという。第2次補正予算案は中小企業などの家賃負担軽減や、雇用調整助成金の拡充などが柱となるようだ。

需要の回復が見通せず疲弊しているのは中小企業ばかりではない。電話による音声だけの記者会見を開いたマツダでは、2020年3月期連結決算が、売上高が前期比3.8%減の3兆4302億円、最終利益が80.8%減の121億円。1~3月期は赤字だった。

すでに発表したホンダ同様に2021年3月期の業績予想は「未定」として公表を見送った。また、決算発表を5月下旬に予定している日産自動車でも、具体的なリストラ策が浮上している。きょうの日経と朝日が報じているが、スペインのバルセロナ工場の閉鎖も検討しているという。

連合を組む仏ルノーと欧州や南米で乗用車の相互生産を拡大するほか、インドネシアでも車両生産をやめ、日産の車を傘下の三菱自動車の工場で生産してもらうなど、総生産能力を2022年度までに2割程度削減するという。

日産とルノーは、両社の会長だったカルロス・ゴーン被告の逮捕で対立が深まっていたが、日経は「新型コロナウイルス禍で歴史的な需要減に直面したこともあり、日仏連合の結束を固めて事業連携を進める姿勢に転じる」と伝えている。

困難は一つの大きなチャンスともいう。解決の道を見出すことが経営者の責務でもあるが、かつてない危機をどう乗り切るか。果たして集中豪雨のような土砂降りの雨が降って足元が固まるだろうか。生き残りを賭けたドラスティックな対応が迫られている。

2020年5月15日付

●新型コロナ、緊急事態39県解除、首相、2次補正指示(読売・1面)

●宿泊・観光再開の道険し(読売・10面)

●日産スペイン工場 販売減で閉鎖検討(朝日・3面)

●マツダ純利益8割減、3月期、コロナや米中摩擦減速(朝日・6面)

●日産、整理加速へ、コロナ需要減退追い打ち(朝日・7面)

●コロナショック74.9%減益、内・外需総崩れ(毎日・4面)

●携帯3社端末販売不振(毎日・6面)

●東京見送り警戒続く、首都圏、千葉・埼玉・神奈川も(東京・1面)

●年代物の車用品サイト、ホンダアクセス、車購入後の需要開拓(日経・12面)

●出光興産会長来月に退任、亀岡副会長も(日経・12面)

●ニュース一言、トヨタ紡織沼社長(日経・13面)

《福田俊之》

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