【ゼロモーターサイクルズ SR/F 試乗】ハイエンドEVバイクの明るい未来を見た…青木タカオ

ゼロモーターサイクルズ SR/F
ゼロモーターサイクルズ SR/F全 23 枚

電動の本格派ロードスポーツバイクが日本上陸を果たした。ZERO MOTORCYCLES(ゼロモーターサイクルズ)の『SR/F』(税込み330万円)だ。2018年から電動スクーターを発売している「XEAM(ジーム)」(福岡県福岡市)が取り扱う。

【画像全23枚】

アメリカ・カルフォルニアで創業し、“バイク界のテスラ”と呼び声高いゼロモーターサイクルズのEVマシンだが、その実力を知る機会を得ることは今までなかっただけにとても興味深い。

強烈なダッシュ力が病みつきの楽しさ!

ゼロモーターサイクルズ SR/Fゼロモーターサイクルズ SR/F
サーキットで乗ったが、侮るなと言わんばかりにダッシュ鋭く、最高速は190km/hにも達する。公表スペックは最高出力110ps、最大トルク約190Nmで、トルク自慢のヤマハ『VMAX』海外仕様でも170Nm未満であることを考えると、いかに駆動力が強いかがわかる。

車重は約220kgで、カワサキ『Z900RS』やスズキ『カタナ』より5kgほど重い程度で特に気にならない。前後17インチの足まわりは、ショーワ製のフルアジャスタブルサスペンションやラジアルマウントブレーキキャリパーといった一線級の装備で強化され、電子制御もボッシュ製のスタビリティコントロール搭載と死角がない。

ゼロモーターサイクルズ SR/Fゼロモーターサイクルズ SR/F
気になるのはやはり航続可能距離だが、カタログ値では最大259kmとし、高速道路(89km/h)の場合159km、街乗り+高速道路(89km/h)の場合198kmとしている。街乗りの方が長くなるのは、減速時の回生ブレーキによる発電を得られるためで、これは電動ならではと言える。

14.4kWhリチウムイオンバッテリーへの充電は、ニーグリップする股の間(シートのすぐ前)にあるSAE J1772コネクターを通じておこない、レベル1(100-120V)で8.5時間、レベル2(200-240V)では4.5時間となっている。レベル3(急速充電)に未対応なので、出掛けた先で即座にチャージすることは実際できない。走行条件によっても異なるが、事実上の走行範囲は100km圏内だろう。

ガソリン車と別次元で考えるべき

ゼロモーターサイクルズ SR/Fゼロモーターサイクルズ SR/F
電動バイクの話しとなると、どうしても既存のガソリンエンジン車と比較してしまう。特に走行可能距離であったり、充電時間など。しかし、そのへんの性能はバッテリーの小型化、飛躍的進歩がない限り、まだまだガソリンエンジン車と匹敵するレベルには至らないだろう。なので比べてしまうなら、価格面を含めまったくもって分が悪い。

では、電動バイクは魅力がないものなのか。そんなことは決してない。シームレスな加速、イージーな操作性、環境性能、たいへん惹かれる。そこに魅力を感じる人は必ずいるはずで、小型電動コミューターがビジネス用途など狭い範囲の移動手段として少しずつ進化していく一方、こうしたホビーユースモデルはまず富裕層が購入するのかもしれない。

100km圏内をサクッと走って、高級車のならぶ広いガレージに帰ってくるのだろう。庶民である筆者には縁遠い暮らしだが、そんな優雅なライフスタイルの中でハイエンドEVモデルは、まだ急速ではないかもしれないが広まっていくはずだ。登場予定のハーレーダビッドソンなど高級ブランドの機種も出揃ってくれば、なおさらである。

ゼロモーターサイクルズ SR/Fゼロモーターサイクルズ SR/F

■5つ星評価
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
コンフォート:★★★★★
足着き:★★★★
オススメ度:★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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