日産 GT-R 50 by Italdesign、市販モデルを発表…720馬力に強化

GT-Rとイタルデザインの50周年を記念して限定50台を生産

プロトタイプに対して市販モデルではデザインを変更

ベース車両のGT-R NISMOから120psパワーアップ

日産 GT-R 50 by Italdesign の市販モデル
日産 GT-R 50 by Italdesign の市販モデル全 10 枚

イタルデザインは5月20日、日産自動車と共同開発した日産『GT-R 50 by Italdesign』の市販モデルを、イタリアのサーキット「タツィオ・ヌヴォラーリ」でワールドプレミアした。

GT-Rとイタルデザインの50周年を記念して限定50台を生産

日産GT-R50 by Italdesignは、『GT-R』とイタルデザインがそれぞれ2019年、2018年に迎えた50周年を記念して共同開発したモデルで、50台を限定生産する。最新の『GT-R NISMO』をベースとし、ニスモで組み立てられた最大出力720psを発生する3.8リットルV型6 気筒ガソリンツインターボ「VR38DETT」エンジンを搭載している。

日産GT-R50 by Italdesignの市販モデルは、3月にスイスで開催されるジュネーブモーターショー2020でワールドプレミアされる予定だった。しかし、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大の影響により、同ショーは中止に。イタルデザインは今回、ワールドプレミアを行った。

プロトタイプに対して市販モデルではデザインを変更

プロトタイプでは、フロントのほぼ車両の幅いっぱいに広がる個性的なゴールドのインナーパネルを採用していた。しかし、市販モデルでは、インナーパネルの色を、ゴールドからブラックに変更した。ボンネット上にはパワーバルジが鎮座し、シャープなLEDヘッドライトがホイールアーチから冷却用のインテーク上端へ向けて配されている。

サイドデザインは、ベース車より54mm低くしたルーフラインとした。ルーフの中央部を低く、外側を少し高くすることで、筋肉質な力強さを表現しているという。フロントフェンダーの特長的なエアアウトレットの「サムライブレード」は、ドア下方部からショルダーラインまで配された。プロトタイプでは、ゴールドカラーの嵌め込みが採用されていたが、市販モデルではブラックに変更された。

リアのデザインは、ホイール周りの頑丈で力強いフレアが、トレッドの広さを印象づける。ショルダーラインは、リアウィンドウ下部に向かってテーパーがかかっており、トランクリッドにつながる。リアウィンドウラインは、ベース車より長く、深くなっている。プロトタイプのリア部分は、ゴールド仕上げが施されていたが、市販モデルはブラックとなる。

GT-Rの特長の丸型テールライトは、空洞を囲む細いリングのようなデザインだ。このテールライトは、プロトタイプとは異なり、リアパネルとより一体感を持たせたデザインに見直された。リアバンパーも、一部をメッシュパターンに変更している。大型の可変式リアウイングを装備した。専用デザインのホイールは、フロント、リアともに 21インチサイズを装着している。

インテリアはモダンで高性能な系譜を受け継ぎ、センターコンソール、インストパネル、ドアトリムに、カーボンファイバーとアルカンターラを使用した。シートの素材には黒のアルカンターラと、黒のイタリア製レザーを採用する。専用ステアリングホイールは、アルカンターラ仕上げで、12時の位置に赤いアクセントが添えられた。

ベース車両のGT-R NISMOから120psパワーアップ

3.8リットルV型6 気筒ガソリンツインターボのVR38DETTエンジンは、ニスモがGT3で得たノウハウを生かして、手作業で組み立てる。最大出力は720ps、最大トルクは79.5kgmに引き上げられた。ベース車両のGT-R NISMOに対して、120ps、13kgmの強化となる。

GT3車両用の大容量・大口径のツインターボチャージャーと大型インタークーラーに加えて、耐久性の高いクランクシャフト・ピストン・コネクティングロット・ベアリング、高流量ピストンオイルジェットと大容量燃料噴射装置を採用し、カムシャフト、イグニションシステム、吸排気システムも改良した。強化デュアルクラッチシーケンシャル6速リアトランスアクセルと、より強化されたデファレンシャルとドライブシャフトが、4輪にパワーを伝える。

ビルシュタインの技術を採用して、新しいサスペンションシステムを開発した。フロント6ピストン、リア4ピストンのブレンボ製ブレーキには、赤いキャリパーを組み合わせる。タイヤサイズは、フロントが255/35R21、リアが285/30R21とした。

日産GT-R50 by Italdesignの市販モデルには、世界中の顧客から強い関心が寄せられており、50台が限定生産される市販モデルは、予約枠が残りわずかという。日産GT-R50 by Italdesignの市販モデルは、各市場における認可手続きを経た後、2020年後半から2021年末に納車される予定、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  2. BMW『8シリーズ』初代オマージュの「エディション M ヘリテージ」登場、世界限定500台
  3. トヨタの新型EV『アーバンクルーザー』をくまなくチェック!…詳細画像記事ベスト5 2025年上期
  4. 狭い道! 制限1.7mでコンクリートブロック付き、道幅は5mあるけど?…東京都板橋区
  5. スズキの人気トールワゴン『ソリオ』開発責任者が語る、「顔だけじゃない」マイナーチェンジの真価
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る